北海道日本ハムが優勝し、台湾代表のLa Newベアーズが健闘した第二回アジアシリーズの全試合を振り返る。

11/09 チャイナスターズ×La New


11/09(木) 12:00/東京ドーム
チャイナスターズ(中国代表)×La Newベアーズ(台湾)

ラニュー 001 090 02=12
チャイナ 000 200 00=2

試合総評


チャイナスターズの先発は25歳左腕の陳俊毅(広東レパーズ)。チャイナ特有の変則投手ではなく、素直なフォームから投げる球速はMAX130キロレベルだが、立ち上がりはラニュー打線をかわしていく。

一方のラニュー先発は、2002年にはミネソタ・ツインズで10勝を挙げた飛鋭(フィオーレ)、35歳。このシリーズでは、ルーキー蔡英峰の故障でチャイナスターズ先発の役が回ってきた。球速はMAX140キロレベルでツーシーム系やスライダーでかわすタイプ。この日はあまりキレがなく、3回からチャイナスターズ打線にヒットを浴び始める。

試合が動いたのは3回表。ラニューは8番キャッチャー陳峰民の四球を足がかりに、バント・犠牲フライとノーヒットで1点を先取する。試合の主導権を取ったラニューだが、4回裏に飛鋭がつかまる。チャイナスターズはこの回、3連打で2点を挙げて逆転。

しかし5回表、ラニューは4回から登板のチャイナスターズ2番手陳海峰をとらえ、陳峰民の内野安打をきっかけに連打攻勢。4番の陳金鋒は特大の満塁ホームランを放ち、とどめはこの回再び回ってきた陳峰民の3ランで、この回ラニューは9点を挙げ、10-2として試合を決定づける。

8回表、ラニューは陳金鋒がこの日二本目となる2ランを放ち、12-2と点差を10点とすると、その裏には抑えのモレルが登板、その裏を三者三振で締めて8回コールドでゲームセット。

ラニュー総評


昼の第一試合とあってか、ラニュー打線は立ち上がり鈍く、一時は逆転を許したが、終わってみればビッグイニングで豪快に試合をひっくり返すあたりは、まさにシーズン中の「暴力熊打線」そのまま。この日2ホームランの陳金鋒も好調だった。

投手陣は、先発のフィオーレがぴりっとしなかったものの、その後中継ぎの李文華・梁如豪は状態良く、抑えのモレルもテンポ良く、ポストシーズン以降の好調を持続していた印象だった。

チャイナスターズ総評


昨年のアジアシリーズ~WBCアジア予選には出なかった若手投手の成長に期待したが、球速はMAX130キロ台と冴えない。身体の線が細いのが目につく。先発の陳俊毅は3回を1点に抑えたが、これ以上のイニングを任せられるほどではない。二番手以降、陳海峰-ト涛-李宏瑞-黄権のリレーは、どの投手も打ちごろに見えた。

一方打線は向上しており、序盤は試合をリードする展開で結果的に7安打を放った。不調や二線級のピッチャーならば十分に打てる力を短期間のうちに身につけた印象だ。

また、内野守備も向上している。この試合は「守備がザル」と言われるラニューのそれを上回って見えた。


【11/09 日本ハム×サムスン】→

11/09 日本ハム×サムスン


11/09(木) 18:00/東京ドーム
北海道日本ハムファイターズ(日本)×サムスンライオンズ(韓国)

日本ハム 000 104 002=7
サムスン 000 100 000=2

試合総評


サムスンの先発は軟投派右腕のイム・ドンギュ、サムスンのローテーションでは4番手格のピッチャーだ。初回、3番小笠原にフェンス直撃2ベースを打たれるものの、後続を断つ。その後も3回まで0点に抑えるが、4回に日本ハム4番の稲葉にソロホームランで先制を許す。

一方、日本ハムの先発は左腕八木。上々の立ち上がりを見せたが、4回裏、ショート金子のエラーを足がかりにノーヒットで1点を失い、同点に追いつかれる。5回途中、八木は先頭打者に四球を出したところで肩に違和感を訴え途中降板したが、急遽登板した押本が後続を断つ。

6回表、日本ハムが2番手カン・ヨンシクと3番手クォン・オジュンを攻め、この回先頭打者の1番森本の2ベースをきっかけに、稲葉のタイムリー・田中幸の押し出し・鶴岡のタイムリーで4点を挙げ、5-1とリード。9回にも小笠原が2点タイムリー二塁打でダメ押し。

日本ハムは押本以降、建山-武田久-マイケルの盤石のリレーでサムスン打線を散発三安打に抑え、まずは初戦を快勝した。

サムスン総評


シーズン中からあまり打てる打線ではなく、特に4番打者に苦しんでいた。いい投手陣にかかるとひとたまりもないのは、この日の結果が物語っている。散発3安打では何もできない。

先発のイム・ドンギュはのらりくらりと好投したが、6回以降に登板したリリーフ陣はあまり調子が良いとは言えない。「KOパンチ」の「K」であるセットアッパーのクォン・オジュンも、コントロールが定まらずいきなり押し出しの四球だ。

この日はサムスンにとっては「捨て試合」だったのかもしれないが、日本ハムとの力の差を見せられ、決勝進出・あわよくば優勝を狙うサムスンにはいいスタートだったとは言い難い。

日本ハム総評


途中降板はしたが5回途中まで投げた八木と、リリーフ陣の好調ぶりを示した。同点に追いつかれた4回、押本が急遽登板した5回のみが危ないシーンで、6回表に5-1とリードしてからは全く危なげない展開。

サムスンの陰で目立たなかったが、パスポート問題のセギノール・引退の新庄を欠く打線は薄い。3・4番の小笠原と稲葉が活躍したが、下位打線の非力さが目についた。


【11/10 サムスン×チャイナスターズ】→

11/10 サムスン×チャイナスターズ


11/10(金) 12:30/東京ドーム

チャイナ 000 001 0=1
サムスン 000 2101 ×=13

試合総評


サムスン先発は左腕のチョン・ビョンホ。初日に日本ハムに敗れているので、チャイナスターズ戦に必勝を期する。立ち上がり1・2回は上々な滑り出し。3回、チャイナスターズは1死1・3塁とチャンスを迎えるも、後続が断たれ先制機を逃す。

チャイナスターズ先発も、左腕の郭有華。3回までは0点に抑える上々の立ち上がり。試合が動いたのは4回裏。サムスンはチョ・ドンチャンの内野安打をきっかけに、2アウトから6番キム・ハンスがタイムリー2ベース。悪送球の間に2点目も入り、サムスンが2点を先制。

5回裏のサムスンの攻撃はビッグイニングになった。チャイナスターズはこの回から2番手ジュ・ワンユンに投手交代。サムスンは先頭のキム・ジェゴルがレフト前ヒットで出塁、その後2死満塁から大攻勢が始まる。ホームランこそなかったものの、3番手チェン・クンと二人の投手に2アウトから7本のタイムリーを浴びせる。この回合計10点、12-0として試合を決定づける。

その後両チームが6回に1点ずつを取り合うものの、13-1の7回コールドで、サムスンが勝利した。

チャイナスターズ総評


初日のラニュー戦同様、相手打線の打順が一回りする3回までは試合がもったが、中盤から崩れた。特に4回・5回ともに2アウトからの得点で、合計12点と流れを切れなかったのは厳しい。先発の郭有華は4回2失点とまずまず試合を作れたが、2番手・3番手がまるでバッティング投手のように打たれた。

打線は初日よりも湿り気味。チョン・ビョンホにタイミングが合わず、3回の先制機に得点できなかったことが後まで響いた。途中までは試合になっていたが、一方的な展開になって以降は守備も含めてガタガタと崩れ、いいところがあまり見られなかった。

サムスン総評


5回の大攻勢は、今シーズンのサムスンの「つなぐ野球」を発揮でき、前日の日本ハム戦で1点に終わった鬱憤を晴らした。しかし、3番の中心打者「万歳打法」のヤン・ジュンヒョクにまだヒットが出ない。

投手はチョン・ビョンホが無難にまとめ、決勝進出のためには絶対に落とせない星をものにした。サムスンは1勝1敗とし、3日目第2試合のラニュー戦に臨む。


【11/10 La New×日本ハム】→

11/10 La New×日本ハム


11/10(金) 18:30/東京ドーム

日本ハム 000 000 020=2
ラニュー 000 010 000=1

試合総評


ラニュー先発は、2005年まで広島に在籍したレイボーン。2006年シーズンは夏場に絶好調で、2005年シーズンよりも遙かに良かったのだが、シーズン終盤からポストシーズンにかけて調子を落とした。対日本ハム戦、エースの呉偲佑でなくレイボーンを選択したラニューだったが、果たしてレイボーンはその期待に応えた。決め球に140キロ台後半のストレートを選択し、日本ハム打線を7回まで2安打に抑え、得点を許さなかった。

一方の日本ハムの先発は、武田勝。こちらも小気味いいピッチングで0行進を続けるものの、5回裏、この回先頭で7番の曾豪駒に出会い頭的一発を浴びる。ラニュー先制で1-0の息詰まるゲームが続く。

8回、先頭の代打稲田がショート内野安打で出塁し、送りバントで1死2塁とすると、ラニューはここで抑えの切り札、モレルを投入。しかしモレルの制球が定まらず、連続四球で1死満塁。ここで2番田中賢を一塁ゴロに打ち取ったが、一塁潘忠韋の本塁送球が遅れ、フィルダースチョイスで日本ハムが同点に追いつく。さらに小笠原がレフトに犠牲フライを放ち、この回日本ハムが2-1と逆転に成功。

その後日本ハムは8回を武田久、9回をマイケルと継投し、そのまま逃げ切ってゲームセット。2勝目を挙げ、決勝進出を決定した。負けたラニューは、3日目のサムスン戦に決勝進出を賭ける。

日本ハム総評


日本ハムは情報が不足していたのか、ラニュー先発を呉偲佑と読み間違え、先発5番にキャッチャーの高橋、7番DHに田中幸を入れた。これが力のあるレイボーンの速球の前にはまるで裏目で、終盤までチャンスらしいチャンスを作ることができなかった。前日に続いて打線は迫力不足、まして好投の前には終盤のワンチャンスをものにするのが精一杯だった。

投手陣は相変わらず盤石。先発の武田勝も一発を浴びたものの、その後崩れることなく1点でしのいだことが8回の逆転劇に繋がったと言えよう。

ラニュー総評


レイボーンのナイスピッチング、出会い頭の一発と来て、日本ハムに勝つのならばこれしかないというパターンにはまったラニューだったが、結果的には8回に交代したモレルの2四球が痛かった。モレルはポストシーズンからチャイナスターズ戦まで好調に見えたが、日本のチームと対戦する際には、阪神時代の悪い癖が垣間見えた。

すなわち、セットポジションになるとどうにももたもたして、制球を見だしてフォアボールを出し、打たれるというパターンだ。その後はフィルダースチョイス・犠牲フライでノーヒットでの2点献上だったが、やはり四球が悔やまれる。

打線は日本ハム投手陣の前にしっかり抑え込まれた。前日活躍した陳金鋒も完全にタイミングを外された。やはり好投する日本の投手の前では得点機会がそうそうあるわけではないので、最少得点を勝ちきるしか勝利の目はなかったわけだが、結果的に1点差で負けた点に守備などを含めた総合力の弱さを感じた。しかし、あと一歩まで日本ハムを追い詰め、レイボーンの好投が光る好ゲームだった。

【アジアシリーズ2006】全試合記録(後半)に続く→



関連リンク:

KONAMI CUP アジアシリーズ2006(NPB)
アジアシリーズ2006(スポーツナビ)
アジアシリーズ2005特集
幻のアジアシリーズ~1995福岡
【アジアシリーズ2006】各国シリーズ突入!
【アジアシリーズ2006】シリーズ直前情報
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。