プロ野球シーズンが始まり、球場に野球観戦に出かけたいものです。野球場での楽しみもいろいろありますが、その一つである、ホームランボールをキャッチする確率について考察してみました。

※本稿は、筆者が「アサヒ芸能エンタメ!」2005年11月号掲載記事の取材を受けた際に計算したデータを元にリライトしたものです。

東京ドームを例にとると…


空調や気圧、広さの関係で「ドームラン」と呼ばれるホームランが出やすい東京ドーム。2005年、両リーグ最多のシーズン186本塁打を放った巨人の本拠地であることを加味しても、ホームランボールをキャッチしやすい球場の一つと言えるのではないでしょうか。

本稿では、2005年の東京ドーム開催試合でのデータに基づき、ホームランボールをキャッチする確率を計算したいと思います。

分子と分母を考えてみましょう。以下の通りになります。

分子=(1)東京ドームでのホームラン数×(2)それを観客がキャッチできる確率
分母=(3)東京ドームの試合数×(4)外野席入場者数

(1)東京ドームでのホームラン数


2005年、東京ドームでの公式戦は61試合開催。ホームラン数は159本でした。

(2)観客がキャッチできる確率


放たれたホームランを、観客がキャッチできない以下の可能性があります。
・バックスクリーン等、観客のいないところに飛んだ
・看板、座席前部分等に当たって跳ね返った
・ポールを直撃した
・ランニングホームラン

これらを除外したものが、観客がキャッチできる確率になります。このうち、バックスクリーンが最も多いケースでしょうか。面積比等を考慮して、「取れないホームランボール」は2割としておきます。すなわち、観客がキャッチできる確率は0.8とします。

参考:東京ドーム座席表

(3)東京ドームの試合数


61試合でした。

(4)外野席入場者数


上記座席表を見ると、横20人がけの島がF1~F20まであります。20人×20段×20ブロックに少し欠ける感じですが、外野2階席(Cブロック)も席が少しあるので、概数で8000人とします。

確率計算


上記のデータを式にあてはめますと、

分母=159×0.8=127.2
分子=61×8000=488,000

そして、ホームランボールをキャッチする確率は、3836分の1(0.026%)となりました。外野席8000人のお客さんで1試合平均2本強のホームランを奪い合うということです。もしあなたがいつも満員の東京ドームのスタンドに通うならば、ホームランをキャッチするのに3836試合、つまり毎試合観戦に行っても、約60年かかるということですね。まさに一生ものの出来事と言えるでしょう。

これはなかなか大変なことですので、私の経験をまじえながら、少しでも捕る確率を上げるための工夫を考えてみましょう(いや、私もホームランボールを捕ったことはありませんが…)。

【千載一遇のチャンス】→

千載一遇のチャンス


つい最近、私ももう少しでホームランボールを捕れるというチャンスに遭遇しました。しかも場所がお題の東京ドームです。正確に言えば、日本プロ野球の公式戦ではなく、WBCのアジアラウンド、中国×台湾戦だったのですが。

WBCやアジアシリーズ等では、日本戦以外の試合はかなり座席指定が変わり、席種別が内野指定席と自由席の2種類になります。内野指定席は、バックネットを挟んだ両ベンチ上ぐらいまでで、それ以外が自由席です。自由席は内外野どこに座ろうと構わない、文字通り自由席でした。プレスパスを持つのに次ぐ自由な状態です。

レフトスタンドにホームランが


私はドーム内の絵撮り等で、あちこち移動していました。普段は内野スタンドにいることが多いのですが、予感が呼んだのか、ふと思い立ってレフトスタンドに行ってみました。三塁側は台湾チームで、台湾大応援団は殆どが三塁上の内野スタンドに固まっています。そしてレフトスタンドはほんの20人ほどしかいませんでした。

私がレフトスタンドにいた時間は、30分もなかったと思います。しかしそこにこの試合、唯一のホームランが飛んできたのです。私は自分の方に向かって来る打球を見失いました。昼間の試合ということもあり、ドームの天井が明るく、打球が消えてしまうのです。そして打球は、私の座る隣の島に落ちました。距離にしてほんの数メートルです。

キャッチできなかった理由


結局、ボールはわざわざ台湾からWBC予選の観戦ツアーに来たとおぼしき、台湾の人がものにしました。私がキャッチできなかったのには理由があります。まず第一に、ビデオカメラやメモなどを抱えていて、動きがとりにくかったこと。第二に、打球を見失ったこと。第三に、もともとあまり捕る気がなかったということ、が挙げられます。

これらの反省(?)をもとに、キャッチできる確率を上げる工夫を考えてみましょう。

キャッチの確率を上げる工夫


私のケースと同様に、観客の少ない試合に行くことが、確率を上げるための最大の早道です。そしてもちろん、いつでも捕れる態勢をとっておくことが重要です。ホームランボールは待って捕るよりも、奪い合いになるケースが多いからです。

「捕れる態勢」づくりのためには、カメラやメモなど、余計な持ち物は持たないようにしましょう。ビールを飲んでいても捕れないでしょう。一番いいのはグローブを持っていくことです。グローブを持っていると、ホームランキャッチではなくても、選手が攻守交替の際などにボールを投げてくれることがあります。選手の立場からすると、やはりグローブを持って構えているお客さん目がけて投げることが多いようです。

個人的にホームランをキャッチできる狙い目の球場は、神宮球場・広島球場・インボイス西武ドームあたりかと思っています。狭くてホームランが出やすい・外野の客も多くはない・動きやすいという点です。さあ、あなたも今年はホームランをキャッチしに球場に出かけませんか。そしてもし、首尾よくキャッチできた際には、ぜひご報告ください。
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