来春の開幕に向け準備を進めている、石毛宏典氏率いる四国独立リーグ。新リーグ構想を発表した9月の記事、『四国独立リーグ構想の成算』に続き、東京トライアウトの模様を追った。

【PART1 東京トライアウトの模様 その1】
・東京トライアウトの模様
・選手選考の実際

【PART2 東京トライアウトの模様 その2】
・選手のレベルは?
・独立リーグと「石毛カラー」
・最終的な選手決定は?

東京トライアウトの模様

フリーバッティングに臨む選手たち
フリーバッティングに臨む選手たち
12/11の東京・駒大グラウンドは、四国独立リーグのトライアウト(選手選考会)を受験する若い野球選手で溢れかえっていた。高松市で行われた第1回トライアウトに続く、この第2回トライアウトの参加者は総勢344名。

一次審査は50メートル走と遠投。50メートル走は6秒5、遠投は85メートルを基準として一次合格者を決定し、二次審査へと進んだのは226名。二次審査では投手は投球テスト、野手は守備・バッティングをテストされた。

選手選考の実際

石毛氏自ら打撃投手を務める
石毛氏自ら打撃投手を務める
このトライアウトが通常のプロテストと大きく異なるのは、その人数の多さだ。選ぶ側は最終的に約100人の合格者を決める。これがNPBのプロテストであれば、合格者は多くとも数人レベルで、0人のことすらある。そのような選考であれば、選ぶ側は消去法的な目で見ればいいのだが、四国独立リーグはそういうわけにはいかない。

必然的に多くのプレーヤーを見たくなるのか、このトライアウトでは参加者344名のうち、226名を一次合格とした。先に書いた合格基準はあくまでも基準で、例えば遠投または50メートル走のどちらかが基準に達していなくても、見込みがありそうということで救済したケースもある。そして二次審査へ進んだのは、全参加者のおよそ三分の二である。

一次合格者の内訳は、投手67名・捕手16名・野手143名である。これだけの選手を全員審査する側も大変だ。特に約150名によるフリーバッティングは壮絶な流れ作業で、一人10球を目安としても、バッティングピッチャーは総計2000球程度は投げなければならない。最後には石毛代表自らが登板したほどだ。

【PART2 東京トライアウトの模様 その2】に続く→


選手のレベルは?

選手をチェックする石毛代表
選手をチェックする石毛代表
四国独立リーグは17歳から24歳までの日本プロ野球未経験者が選手となるので、受験者は高校野球・大学野球・若い社会人野球の選手が中心だ。肝心の選手のレベルだが、上は社会人野球の名門チームの選手や、NPBのドラフト候補で指名されなかった選手などが参加しており、思ったよりも人材が集まっている印象を受けた。

これら上位レベルの選手は、このチャンスを大いに歓迎していた。独立リーグは、社会人野球よりも「夢のある」プロ志向選手の受け皿として有効に機能するように思えたのだ。

また、四国独立リーグ側からすれば「予期せぬ」選手も参加していた。二人の外国人選手だ。そのうちの一人、アメリカ人のデーミアン投手(18)は、この日投手最速となる145キロを投げた。「日本人の受け皿に」と考えていた石毛代表はこの結果に戸惑っているようで、最終的に受け入れるかどうかは不明だ。

独立リーグと「石毛カラー」

記者会見に応じる石毛代表
記者会見に応じる石毛代表
トライアウト終了後の石毛代表の記者会見で強く感じたのは、その野球への熱い思いだ。運営組織や選考のバタバタぶりなど、一からスタートするリーグの手作り感は否めないが、それでもこのリーグに入りたい選手は、石毛氏の主旨に賛同して大勢やってくる。

また、この日を通じて「石毛カラー」なるものが随所に現れていた。茶髪やピアスの選手には苦笑いし、一次審査通過者には激しい檄を飛ばし、「ハッスルプレー」を求めた。日本人にとって高校野球が訴求する要素である、全力疾走や純粋無垢さなど、「古き良き規律正しい野球」を求めている姿勢がありありと感じられた。

最終的な選手決定は?

この日の東京を含め、高松市を皮切りに全国5箇所(他は札幌・大阪・名古屋)で行われたトライアウトは12月に終了し、参加者は合計1100人を越えた。一次審査通過者は約700人と多く、その中から最終通過者約100名を選考しなければならない。

二次審査自体、一人一人のプレーヤーを細かく見られるものではなかったので、明らかに上位レベルの選手はともかく、ボーダーラインの選手を絞り込む作業はかなり大変なものになるだろう。1月末を目途に合格者が決定される見通しだが、四国独立リーグの運営母体であるIBLJでは、1月中旬にもう一度、採用候補者を集めた紅白戦形式のテストを検討しているようだ。

私は今後も引き続き、四国独立リーグの取材を続けていくつもりだ。次はIBLJ(四国独立リーグの運営母体:石毛代表)へのインタビューを予定している。


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