高校サッカーは正月だけじゃありません

年末には全国高校サッカー選手権大会が開催されるが、もう一つ重要な大会がJユースサハラカップ
冬の風物詩の1つである全国高校サッカー選手権大会は正月を挟んで首都圏で行われる。今回はセクシーフットボールで一躍全国の頂点に上り詰めた野洲高校(滋賀)の2連覇や、高円宮杯を制した滝川第二(兵庫)といった高校に注目が集まる。選手ではU-21日本代表に選ばれた乾貴士(野洲)や、アーセナル(イングランド)のベンゲル監督から獲得の要望があったといわれている伊藤翔(中京大中京)など、将来の日本を背負うと期待される選手が揃っている。

一方、実力ではこの選手権に匹敵するほどの大会が年末に行われている。それがJユースサハラカップ2006第14回Jリーグユース選手権大会である。J1とザスパ草津以外のJ2の合計30チームが参加し、7つのグループに分かれて7月から11月までの5ヶ月に渡ってホーム&アウェイでのリーグ戦を行う。そして、このリーグ戦を通過した14チームに、日本クラブユースサッカー連盟代表の4チームを加えた合計18チームによるトーナメント戦が11月25日から全国各地で行われてきた。

未来のJリーガーが激しく競り合う

高校選手権の裏で行われる「未来のJリーガー」の大会という早くから目をつけたい人にはうってつけの大会で、過去には宮本恒靖(G大阪)、佐藤勇人(千葉)、森崎浩司(広島)といった代表経験者をはじめ、最近の世代では前田俊介、高柳一誠、柏木陽介(広島)や高萩洋次郎(愛媛FC)、山本真希(清水)、ハーフナー・マイク(横浜FM)、そして日本代表入りした西川周作、梅崎司(大分)も出場した。

そして、高校生だけに選手が入れ替わるため、毎年勝ち続けることは難しい。Jユースカップは今年で14回目を迎えるが、過去13回で連覇をしたチームがなく、昨年優勝した清水も今年は予選リーグでG大阪、名古屋、広島と同じグループに入ってしまい、わずか勝ち点1しかあげられず早々と敗退してしまった。

また、Jクラブのユースが出場できる大きな大会は、夏に行われる日本クラブユース選手権とこの大会なのだが、連覇だけでなくこの両方を制するのも難しい。過去に日本クラブユース選手権との2冠を成し遂げたのは2003年の広島だけである。今年の日本クラブユース選手権の覇者であるG大阪は、決勝トーナメントの2回戦で三菱養和に完封負けを喫して姿を消した。ちなみに広島は翌2004年に日本クラブユース選手権と高円宮杯を制しながらも、このJユースカップでは惜しくも準優勝に終わった事は記憶に新しい。それだけ勝つのが難しい大会なのだ。

この当時の広島は選手が全寮制で同じ高校に通わせるなど、子供が集まりにくい環境でも地元と連携をとり活気的な方法で選手を育成してきた。その結果、関西出身の前田や東北出身の高萩らが主力となった2003年から2004年にかけては無敵と呼ばれるほどの強さを誇った。

本命不在の今大会。混沌とする戦い

12/24の決勝戦を前に、準決勝まで勝ちあがったのはFC東京、名古屋、広島、そしてJリーグの下部組織ではない三菱養和の4チーム。日本クラブユース選手権でベスト4に残ったチームのうち、ここまで残っているのはFC東京だけで、準優勝だった東京Vと3位の柏はともに予選リーグで敗退している。

唯一残ったFC東京は何と言っても選手層が厚い。梶山陽平以来3年ぶりにトップ昇格となった元U-16日本代表の権田修一、吉本一謙、森村昂太と同じく元U-16日本代表で現在チームでキャプテンを務める中野遼太郎のカルテットがチームの核となる。準々決勝の仙台戦でもGKの権田にピンチが訪れることがないほど終始試合を支配し続けて3-0で圧勝するなど、優勝の最右翼と言えよう。

その東京と準決勝で対戦するのが名古屋である。これまで目立った実績はなく、夏の日本クラブユース選手権でも予選で敗退したが、秋に行われた高円宮杯全日本ユースサッカー選手権では準優勝を果たし、今年の予選ではG大阪、広島、清水との激戦区を勝ち上がるなど、尻上がりに調子を上げてきた。名古屋の特徴はトップ昇格を果たした長谷川徹、吉田麻也、福島新太、新川織部の4人である。この人数はクラブ史上最高の数で、最後尾のGK長谷川から前線のFW新川までバランスよく配置されているため、この点が類似するFC東京との対戦は面白い。

一波乱起こせるか、三菱養和

もう1つのブロックである広島は、何と言ってもU-19代表候補のモンスター平繁龍一がチームを引っ張る。前田や高柳ら黄金世代と高校1年から共にプレーしてきたFWの破壊力は十分。彼をはじめとした攻撃的な3トップがチームの鍵となるだろう。

そして、唯一Jクラブではないチームが三菱養和である。Jクラブの下部組織ではないものの全国大会の常連であり、数多くのJリーガーを輩出している。今大会では初戦で川崎に1-0、2回戦では優勝候補筆頭のG大阪に2-0と強固な守備力で勝ちあがったかと思えば、準々決勝では大宮に5-3と乱打戦を演じるなど、今大会のダークホースと言えよう。攻撃的な広島との対戦では大宮戦と同様に攻撃のぶつかり合いが予想される。

12/17に大阪長居第2陸上競技場にて準決勝が、勝ち上がった2チームが神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて決勝戦を戦う。

はたして、最後に笑うのはどのチームか。



<関連情報>
Jユースサハラカップ(Jリーグオフィシャル)
日本クラブユース選手権(日本クラブユースサッカー連盟)