韓国戦を明日に控える6日(土)、日本は大邱で前日練習を行った。負傷の田中達也に代わりスタメンは玉田。現地の元川悦子さんから前日練習レポート、ジーコ監督・選手コメントをどうぞ。

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韓国戦スタメンFWに玉田。
韓国戦に勝って、今後につなげたい若手中心の日本

東アジア選手権最終戦・韓国戦前日である6日は変化に飛んだ気候となった。朝はカラリと晴れ上がったのに、午後はいきなり曇天に変化。15時頃から激しい雷雨に見舞われた。真っ暗の空に時折、稲妻がクッキリ見える。まさに真夏の天候そのものだ。日本代表のトレーニングは18時から大邱ワールドカップ競技場(写真)横のサブグランドで行われるはずだが、この悪天候だと本当に予定通りスタートするのか、かなり心配になった。

しかしそれは杞憂に終わった。17時前になると嘘のように雨が止んだからだ。外はまだどんよりしているが、とりあえず雨の心配はなさそうだ。とりあえずひと安心し、同業者とともにタクシーで練習会場へ向かった。この日は大邱ワールドカップ競技場で女子代表の2試合が行われている。17時から中国対北朝鮮、19時半から韓国対日本というカード。すでに試合が始まっているせいか、スタジアムからは声援がたびたび聞こえてくる。そんな環境下で、日本代表がトレーニングを始めた。

残念ながら、前日のトレーニングで腰を傷めた田中達也(浦和)の姿はなし。日本サッカー協会広報によると「1日安静にしていた。ドクターも動かしたり検査したりするより動かさずにいた方がいいと判断したので」と話す。仲良しの坪井慶介(浦和)は「1日中寝たきりだった」という。やはり韓国戦どころか、次の17日のイラン戦(横浜国際)出場も微妙なようだ。

それでも、他の選手たちは韓国戦に向けて士気を高めていた。この日はまずボールを使ったウォーミングアップからスタート。続いて北朝鮮戦先発組と土肥洋一(FC東京)や玉田圭司(柏)を含めた韓国戦スタメン予定選手たちに分かれてのトレーニングとなった。前者はクロス&シュート練習に取り組み、後者はジーコ監督の指揮のもと、セットプレーの攻守を徹底的に確認した。

セットプレーの守備に関しては、中国戦でマークミスが多く、相手に決定的チャンスを何度か作られた反省を踏まえ、マークの再確認が行われた。ジーコ監督が自らFK、CKを蹴り、選手たちがポジショニングを確認する。さらにボールをクリアした後、すばやいカウンターをしかけるところまでが何度か繰り返された。田中達也の代役として入った玉田も鋭い動き出しを見せていた。今年に入って不振の続く彼だけに、今回はチャンスを生かしたいところ。

この後はセットプレーの攻撃確認へ。阿部勇樹(千葉)がFK、CKキッカーを担当。二アサイドには坪井と巻誠一郎(千葉)、ファーサイドには茂庭照幸(磐田)と今野泰幸(FC東京)が入り、貪欲にゴールを狙った。このうち高い決定力を見せていたのは、中国戦の1点目を挙げた茂庭。彼の高さは日本の武器になるだろう。

この後は全員が再集合し、試合前日恒例のミニゲームへ。選手たちは楽しみながらボールを蹴っていた。GKの土肥がシュートを決めた場面ではチーム全体が盛り上がった。明日もそういう盛り上がりを見たい。

開始からおよそ1時間半が経過し、全体練習は終了。阿部、小笠原満男(鹿島)らがFKを自主的に練習し、韓国戦に備えた。中国戦で一気に株を挙げた阿部は「壁には必ずスペースがある。少しでもゴールにかぶるように蹴りたい」とポイントを話していた。どういう形でもゴールはゴール。阿部には代表初ゴールとなる先制点の期待がかかる。

明日の対戦相手・韓国代表は3-4-3システムを採ってくる。2002年ワールドカップベスト4進出の立役者である李天秀(ウルサン)や長身FW李東国(浦項)らが主力となっているが、今大会はまだ中国戦の金珍圭(磐田)のFKによる1点しか挙げることができないでいる。負傷で2試合を欠場した新エース・朴主永(FCソウル)も、決定力不足解消の切り札としてピッチに戻ってくる可能性はあるが、彼といえども100%のパフォーマンスは出せないだろう。今回の韓国に付け入るスキが大いにあるのだ。

中国戦の日本にとって最大の失敗だったのは、先制点を与えてしまったこと。韓国戦では同じ轍を2度踏んではいけない。「アジアで勝つためには先に失点しないこと」と加地亮(FC東京)も話していた。それを実践するためにも、茶野隆行(磐田)を軸とした最終ラインの連携をより強めるべきだ。そして、2004年2月7日のマレーシア戦(鹿島)以来、代表2試合目となる守護神・土肥のコーチングにも注目しなければならない。中国戦を見ても、攻撃陣はそこそこコンビネーションは取れていたが、守備の不安定さが際立った。「急造チームだから仕方がない」という言い訳も1試合目なら通ったが、今回は通らない。それだけに、彼らには日本の意地とプライドを示してほしいものだ。

田中達也の代役としてピッチに立つ玉田には、今回こそブレイクを期待したい。「メンバーの入れ替えにはみんな刺激を受けている。練習もそうだし。試合では結果を出さないといけない」と昨年のアジアカップ(中国)優勝の功労者も燃えている。今年に入り、大黒将志(G大阪)や田中達也に追い上げられ、立場も危うくなりつつある彼だけに、今回は初心に立ち返って、正々堂々と勝負してもらいたい。ゴールを狙う強気の姿勢を取り戻してほしいものだ。

明日のゲームに敗れたら、日本は最下位という不本意な結果で終わってしまう。伝統の韓国戦だけに頭から精力的な戦いを見せてほしいものだ。ジーコ監督も「今回のチームで17日のイラン戦(横浜国際)に挑み、10月の欧州遠征は欧州組主体とするメンバーで戦う。そして11月には集大成となるゲームをしたい」と当面のビジョンを口にした。ここまで積み上げてきた欧州組を軸としたグループだけでは、やはりチーム力アップに限界がある。新たな勢力が台頭することで、チーム内の競争を激化させることは、より強い代表を作るために必要不可欠だ。そういう意味でも、若い選手たちには、明日の韓国戦を大事に戦ってもらいたい。

●ジーコ監督・今野・駒野・坪井・本山・巻選手のコメント