2003年バロンドールには、ネドベト選手が選ばれました。


2003年11月11日(火)付けのFRANCE FOOTBALL誌で、2003年バロンドール候補にノミネートされた50選手が発表されました。1956年に開始し今年で48回目を迎えるバロンドール(Ballon d'or=黄金のボール)とは、国籍に関係なく、その年に欧州リーグで最も活躍した選手を決定するという由緒正しき賞。世界の名選手が集結する欧州リーグのNO.1選手ということは、すなわち「世界一」と言い換えてもいいほど。さて今年の、最優秀選手は一体誰?

■今年のバロンドール候補50人リストは次ページ

■過去の受賞者一覧はこちら:ワールドカップのデータベース



ここで今年のバロンドール決定までの流れをおさらい。

・FRANCE FOOTBALL誌が、年内に欧州で活躍した選手50人のリストを作成する

・UEFA(欧州サッカー連盟)加盟国52カ国から各国1、ないし2名のスポーツジャーナリストが審査員に任命される

・各審査員が1位~5位まで順位をつけて5選手に投票する(1位5ポイント、2位4P、3位3P、4位2P、5位1Pで計算)

・ポイント合計の最も高い選手が、2003年欧州最優秀選手賞バロンドールを受賞する

・受賞者の発表は2003年12月23日付けのFRANCE FOOTBALL誌にて


それでは次ページからは、バロンドール候補者50人リストを様々な角度から分類してみましょう。同時に2003年の欧州サッカーも、見えてきます。

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☆国籍別では…イタリアとフランスが9人ずつノミネートでトップ☆

2003年欧州サッカーで最も大きな現象は「イタリアの復活」。ただしこれは(大きな国際試合が特になかった)イタリア代表の話ではなくて、どちらかというと「セリエA復権」のほう。ここ数年欧州カップ戦で少し他国勢に押され気味だったイタリアのクラブたちが、2002-03年チャンピオンズリーグのベスト4に3チーム(ACミラン、ユヴェントス、インテル)を送り込み、さらに優勝(ACミラン)も獲得したことは記憶に新しいはず。そしてもちろん各クラブの核となったイタリア人選手がノミネート。

■イタリア人選手9人
パオロ・マルディーニ(Paolo Maldini) ACミラン DF 35歳
フィリッポ・インザーギ(Filippo Inzaghi) ACミラン FW 30歳
アレッサンドロ・ネスタ(Alessandro Nesta) ACミラン DF 27歳
ジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon) ユヴェントス GK 25歳
アレッサンドロ・デルピエロ(Alessandro Del Piero) ユヴェントス FW 29歳
ジャンルカ・ザンブロッタ(Gianluca Zambrotta) ユヴェントス MF 26歳 初ノミネート
フランチェスコ・トルド(Francesco Toldo) インテル GK 31歳
クリスティアン・ヴィエリ(Christian Vieri) インテル FW 30歳
フランチェスコ・トッティ(Francesco Totti) ASローマ MF 27歳



FRANCE FOOTBALL誌はフランスのサッカー専門誌だからして、当然フランス人選手への注目度はひときわ高いもの。フランス代表のコンフェデレーションズ杯優勝が果たしてこの選考に大きな影響を与えているかどうかは疑問だけれど、候補に挙げられた各選手が所属クラブ(それもフランス国外)でひときわ目立つ活躍をしているのはご存知。1998年バロンドール受賞のジダンは、今年で8年連続のノミネート。

■フランス人選手9人
ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane) レアル・マドリッド MF 31歳 1998年バロンドール
クロード・マケレレ(Claude Makelele) レアル・マドリッド→チェルシーMF 30歳
ティエリー・アンリ(Thierry Henry) アーセナル FW 26歳
ロベール・ピレス(Robert Pires) アーセナルMF 30歳
パトリック・ヴィエラ(Patrick Vieira) アーセナル MF 27歳
シルヴァン・ヴィルトール(Sylvain Wiltord) アーセナル FW 29歳
リリアン・テュラム(Lilian Thuram) ユヴェントス DF 31歳
ダヴィド・トレゼゲ(David Trezeguet) ユヴェントス FW 26歳
リュドヴィク・ジウリー(Ludovic Giuly) モナコ MF 27歳 初ノミネート



次に続くのが2002年世界王者ブラジルの5人。彼らは欧州人ではないけれども、欧州リーグに欠かせない「華」ですよね!ちなみに過去に2回バロンドールを受賞しているロナウドが考える「今年の最優秀選手」は、パオロ・マルディーニ(イタリア・ACミラン)とロベルト・カルロス(ブラジル・レアルM)だそうです。(2003年11月11日発売 FRANCE FOOTBALL参考)

■ブラジル人選手5人
ロナウド(Luis Nazario De Lima Ronaldo) レアル・マドリッド FW 27歳 1997・2002年バロンドール
ロベルト・カルロス(Roberto Carlos Da Silva) レアル・マドリッド DF 30歳
ジーダ(Nelson De Jesus Silva Dida)ACミラン GK 30歳 初ノミネート
ロナウジーニョ(Ronaldo De Assis Moreira Ronaldinho) パリSG→FCバルセロナ MF 23歳
ジョバンニ・エウベル(Giovane Elber) バイエルン・ミュンヘン→リヨン FW 31歳


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02-03チャンピオンズリーグのベスト8にただ1クラブ(マンチェスターU)しか送り込めなかったイングランドは、底力で4人のノミネート。一方ベスト8に3クラブも残りながらも、やはり「あの」クラブの選手ばかりにスポットライトが当たるのか、スペインからはわずか3選手。ポルトガルからは常連に加えて、昨季UEFAカップ優勝のFCポルトから嬉しい初選出で3人。さらに恐るべき点取り能力で欧州のビッククラブに君臨するオランダ3人組も当然候補に。

■イングランド人選手4人
デヴィッド・ベッカム(David Beckham) マンチェスターU→レアル・マドリッド MF 28歳
ポール・スコールズ(Paul Scholes) マンチェスターU MF 28歳
マイケル・オーウェン(Michael Owen) リバプール FW 23歳 2001年バロンドール
ソル・キャンベル(Sulzeer Jeremiah "Sol" Campbell) アーセナル DF 29歳 初ノミネート

■スペイン人選手3人
ラウル・ゴンザレス(Raul Gonzalez Blanco) レアル・マドリッド FW 26歳
イケル・カシージャス(Iker Casillas Fernandez) レアル・マドリッド GK 22歳
ミチェル・サルガド(Miguel Angel "Michel" Salgado) レアル・マドリッド DF 28歳 初ノミネート

■ポルトガル人選手3人
ルイス・フィーゴ(Luis Filipe Madeira Figo) レアル・マドリッド MF 31歳 2000年バロンドール
ペドロ・ミゲル・パウレタ(Pedro Miguel Resendes Pauleta) ボルドー→パリSG FW 30歳
デコ(Anderson Luis De Souza Deco) FCポルト MF 26歳 初ノミネート

■オランダ人選手3人
パトリック・クライフェルト(Patrick Kluivert) FCバルセロナ FW 27歳
ルート・ファン・ニステルローイ(Ruud Van Nistelrooy) マンチェスターU FW 27歳
ロイ・マカーイ(Roy Makaay) デポルティーボ→バイエルン・ミュンヘン FW 28歳



ドイツからは国内リーグ&カップ2冠を果たしたバイエルン・ミュンヘから、2002年W杯で活躍した日本でもおなじみの2人が選出。ユーロ2004予選でグループ1位勝ち抜けを決め、今年の台風の目となったチェコとスウェーデンからは2人ずつ。一方でユーロ2004予選を落としたルーマニアだが、所属クラブで大活躍し、さらにワンランク上のクラブへ移籍を決めた2人がノミネート。

■ドイツ人選手2人
オリバー・カーン(Oliver Kahn) バイエルン・ミュンヘン GK 34歳
ミヒャエル・バラック(Michael Ballack) バイエルン・ミュンヘン MF 27歳

■チェコ人選手2人
パヴェル・ネドヴェド(Pavel Nedved) ユヴェントス MF 31歳
ヤン・コラー(Jan Koller) ボルシア・ドルトムント FW 30歳 初ノミネート

■スウェーデン人選手2人
ヘンリク・ラーション(Henrik Larsson) セルティック FW 32歳
ズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic) アヤックス FW 22歳 初ノミネート

■ルーマニア人選手2人
クリスチャン・キブー(Cristian Eugen Chivu) アヤックス→ASローマ DF 23歳初ノミネート
アドリアン・ムトゥ(Adrian Mutu) パルマ→チェルシー FW 24歳 初ノミネート



残るは全て各国1人ずつ。シェフチェンコはもしかしたらバロンドール受賞もあり…かもしれませんね。それにしても代表が調子の良いトルコからたった1人しかノミネートされなかったというのは、少し意外な感じがします。

アンドリュー・シェフチェンコ(Andrei Chevtchenko) ウクライナ ACミラン FW 27歳
ニハト・カフベジ(Nihat Kahveci) トルコ レアル・ソシエダ FW 23歳 初ノミネート
ダルコ・コバチェビッチ(Darko Kovacevic) セルビア・モンテネグロ レアル・ソシエダ FW 29歳 初ノミネート
ハテム・トラベルシ(Hatem Trabelsi) チュニジア アヤックス DF 26歳 初ノミネート
サミュエル・エトー(Samuel Eto'o) カメルーン レアル・マジョルカ FW 22歳初ノミネート
パブロ・アイマール(Pablo Aimar) アルゼンチン バレンシア MF 24歳


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☆クラブ別では…やっぱりスター軍団レアルの一人勝ち☆

■レアル・マドリッド(スペイン)から8人

チャンピオンズリーグ過去9回優勝、UEFAクラブランキング堂々1位のレアル・マドリッド。02-03チャンピオンズリーグ優勝を逃したとしても、欧州ビッククラブの頂点に立つクラブであることは変りありません。さらには世界超級の綺羅星スター選手たち。「レアルが凄いから凄い彼らが集結し、彼らが凄いからレアルがさらに凄くなる」という相乗効果は、バロンドール候補リストからも明らかです。そして今年は例の王子様も加わって…。


■ユヴェントス(イタリア)から6人

昨季のチャンピオンズリーグファイナリストのユヴェントスは、優勝のACミランを上回る6人のノミネート。むしろ圧巻だったセリエA優勝が、多数リストアップの決め手だったのかも。ビックネーム&候補常連も多し。


■ACミラン(イタリア)から5人

ミラン伝説の復活を感じさせた昨季のチャンピオンズリーグ優勝。主力メンバーの5人が堂々候補入り。特にACミランに全選手人生を捧げ、その素晴らしい人格から公私共に尊敬され、代表でもクラブでも完璧なキャプテンシーを発揮し続けてきたパオロ・マルディーニは、今年のバロンドール最有力候補と言われています。


■アーセナル(イングランド)から5人

初ノミネートのキャンベルを除く4人は、全てフランス人のアーセナル。ヴェンゲル監督に忠誠を誓った(?)彼らは、フランス代表でも絶対に欠かすことが出来ない存在。一体アンリは、「世界最高峰ストライカー」としてバロンドールを獲得できる?


その他のクラブで気になる所といえば…。

2人がノミネートされたチェルシー。ちなみに2人とも(マケレレ、ムトゥ)昨季は別のクラブで活躍し、その活躍がノミネートにつながったと見られています。もちろん今シーズン初めに超大型補強を行ったチェルシーからは、きっと来年たくさんのバロンドール候補が出ることでしょう!

■バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)から3人

■インテル(イタリア)、ASローマ(イタリア)、FCバルセロナ(スペイン)、レアル・ソシエダ(スペイン)、チェルシー(イングランド)、マンチェスターU(イングランド)、アヤックス(オランダ)からそれぞれ2人

■バレンシア(スペイン)、レアル・マジョルカ(スペイン)、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)、リバプール(イングランド)、セルティック(スコットランド)、リヨン(フランス)、モナコ(フランス)、パリSG(フランス)、FCポルト(ポルトガル)からそれぞれ1人

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☆各国リーグ別では…セリエAとリーガエスパニョーラの大勝☆

セリエA(イタリア)から15人
(ユヴェントス6人、ACミラン5人、インテル2人、ASローマ2人)

国籍別でイタリア勢が圧倒したように、各国リーグ別でもイタリア・セリエAが大勝しています。ちなみにセリエA候補者15人中、イタリア人は9人。つまりイタリア国籍でノミネートされた選手全員が、セリエAでプレーしていることになります。


リーガ・エスパニョーラ(スペイン)から14人
(レアル・マドリッド8人、FCバルセロナ2人、レアル・ソシエダ2人、バレンシア1人、マジョルカ1人)

レアル・マドリッド1クラブだけで、大量に人数を稼いだ感のあるリーガ・エスパニョーラ。こちらはセリエAとは対照的に、スペイン国籍選手はわずか3人のみで、残りの11人が外国人選手です。この数字をみると、リーガ・エスパニョーラの未来は複雑かもしれません。


プレミアシップ(イングランド)から10人
(アーセナル5人、チェルシー2人、マンチェスターU2人、リバプール1人)

帝国マンチェスター・ユナイテッドからの候補者がわずか2人というのが響いたか、プレミアシップからのノミネートは意外に少なく10人。


現実的に考えて、欧州は上記3大リーグに圧倒されているため、残りの各国リーグからはほんのわずかなノミネートのみ。特に「欧州最大の輸出国」フランスは、フランス国籍者は9人もリストに挙がりながら、仏リーグからはたったの3人(フランス人1人)…。

ブンデスリーガ(ドイツ)から4人
(バイエルン・ミュンヘン3人、ボルシア・ドルトムント1人)

リーグ・アン(フランス)から3人
(リヨン1人、パリSG1人、モナコ1人)

エール・ディビジ(オランダ)から2人(アヤックス2人)

■ポルトガル1部リーグから1人(FCポルト1人)

■スコットランドプレミアリーグから1人(セルティック1人)

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☆ポジション別では…フォワードが約半数を独占☆
(ポジション名に関してはFRANCE FOOTBALL上の記載通りにしています)

■フォワードから24人

サッカーで最も魅せられる瞬間といったら、やっぱり「ゴール」シーン。ゴールがあってこそ、勝負が決まるのですから。というわけで圧倒的多数を誇ってノミネートされたのは、フォワードたち。もちろん歴代36人の受賞者中、フォワード経験者は28人と群を抜いています。ちなみに今年もカテゴリー上「ミッドフィルダー」に分類された選手の中でも、司令官的役割の他に「ゴールも決められる」選手たちが数多く見られます(トッティ、ネドヴェド、ロナウジーニョ、ピレス、フィーゴetc.)。


■ミッドフィルダーから13人

フォワードの欄でも述べたように、ゴールも出来てゲームも組み立てられる選手が数多くノミネート。それだけミッドフィルダーに課せられる使命も大きくなっているわけですから、リストに挙げられた選手たちは本物の一流と言ってもよいでしょうね。


■ディフェンダーから8人

ゴールキーパーと並んで、バロンドール獲得者数が少ないのがディフェンダー。あの「伝説の名ディフェンダー」フランコ・バレージさえも獲れなかった…というのが、今でも語り草です。昨年の最有力候補に挙げられたロベルト・カルロスもしかり。今年はパオロ・マルディーニの名前が大きくクローズアップされていますが、さて史上4人目のディフェンダー受賞者となれますでしょうか。ちなみに8人中4人が初ノミネート、新しい大物が育っている証拠です。


■ゴールキーパーから5人

例年ノミネート数が最も少ないゴールキーパーですが、今年は「豊作」でなんと5人!逆説的になりますが、強烈フォワードが数多く出現した時こそ、そのフォワードと対決するゴールキーパーの活躍にもスポットライトが当たるのかもしれません。ちなみにゴールキーパーのバロンドール受賞者は、1963年レフ・ヤシン(ソ連)たった一人だけ。

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