『ザ・ゴール2 思考プロセス

エリヤフ・ゴールドラット著
三木本 亮/訳
稲垣公夫/解説
ダイヤモンド社 1,600円

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■ベストセラー続編。前回のあらすじは? 

紹介されている生産管理メソッドの斬新さもさることながら、ビジネスの現場を舞台にしたスリリングなストーリーで人気を博した『ザ・ゴール』の続編。まずは、前作を読んでいない方のために、あらすじを紹介しておこう。

機械メーカー、ユニコ社の工場長であるアレックスは、経営陣から採算悪化を理由に工場閉鎖を言い渡される。が、偶然再会した大学時代の恩師ジョナから、新たな生産管理メソッドであるTOC理論(制約条件の理論)を授かり、仲間たちと試行錯誤しながらその理論を実践。結果、工場の在庫は減り、生産性は向上。危機を見事に乗り切る。

という、言ってみれば、アメリカ版サラリーマン・サバイバル・ストーリー。TOC理論について知りたい人は、参考サイトを見ていただくとして、主人公のサバイバルが、続編でアメリカン・ドリームになるのかどうか。

10年後の設定である続編では、我らがアレックス、多角事業グループ担当副社長に順調に出世なさっている。とは言っても、順風満帆ではストーリーになるわけもなく……。
■TOC理論、工場から飛び出す!

今回、彼を襲う危機は、多角化からコア・ビジネス集中へという経営方針の変更。彼が前作で苦楽をともにした仲間たちが率いる関連企業が、このままでは、売却されて安く買い叩かれてしまう。多角化担当副社長である彼のキャリアも大ピンチ! 一発逆転の唯一の方法は、これらの市場も規模も異なる企業の売り上げを拡大させること。それも、短時間で劇的に――。

で、再び、TOC理論が登場。前回、この理論が対峙したのは、工場の在庫であり、生産性だったが、今回の相手は、「市場」。前回、工場に「変化」を起こすために活用されたTOC理論が、今度は市場に「変化」を起こすための「思考プロセス」として登場。

現状を把握し、何を(ここが制約条件というわけか)、変えるべきかを明確にするための「現状問題構造ツリー」構築から始まり、実行に移す設計図である「移行ツリー」の設計まで、好ましい「変化」を引き起こすためのプロセスをアレックスとともに、追体験できる。

言うならば「工場から飛び出したTOC」。前回は、舞台が舞台だけに、製造業・技術職以外の人の中には、ピンとこなかった人も少なくないだろうが、本作は、それぞれの立場で「変化」を求められている人(かなり広範な層の人、ということになろう)にとって、何らかの気づきがある内容だ。で、アレックスのアメリカン・ドリームは?そりゃ、もう……。

★あえて、アラ、捜します!
問題解決の手順の踏み方を示すメソッドは、職場の会議などでも使えそうなだけに、もう少し図表がほしかった。

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