クローバーフィールド/HAKAISHA

CLOVERFIELD
『クローバーフィールド/HAKAISHA』
オールタイムのセレクト10シリーズの今回は、巨大生物・怪獣映画の特集です。昨年(2008年)は主観映像でとらえた新たな怪獣映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』が話題になり、韓国製作のアメリカを舞台にした『D-ウォーズ』、3Dの『センター・オブ・ジ・アース』の公開もありましたが、出来栄えはなんともコメントし辛いです。2年前公開の松本人志監督作『大日本人』は結構好きだったりしますが(照笑)。

日本が誇る大怪獣『ゴジラ』は、ハリウッド映画『GODZILLA』となりましたが、怪獣物の元祖といえばアメリカ映画の『キング・コング』ということになるでしょう。

さて、今回は「怪獣映画の元祖並びに韓国が作った記憶に新しい名作の2本」、「怪獣映画先進国日本の東宝映画から3本」、「大映映画(現:角川映画)の2本と忘れられそうなアメリカ映画の1本」、そして「スピルバーグ監督の巨大生物映画の傑出した2本」の4つのカテゴリーから10作品をセレクトします。


◆まずは、新旧の名作怪獣映画はアメリカ映画『キング・コング』と、新しい怪獣映画の秀作、韓国映画の『グエムル -漢江の怪物-』から。

『キング・コング』

キング・コング
KING KONG
『キング・コング』
キング・コングほど世界中にその名を轟かす巨大なゴリラ?というか怪獣は他にはいません。肉薄した人気のゴジラですが世界的な知名度ではキング・コングの方が上でしょうね。キング・コング映画は1933年作品以外に2度メジャーでリメイクされています。1976年版2005年版で、どちらも極めて良く出来ていてその時代にあったキング・コング主演の美女と野獣物語に泣かされます。

大人気のモンスターだけにその類似品、パロディ映画は多数あり、日本では松竹映画、斎藤寅次郎監督の『和製キング・コング』をはじめ、東宝の『キング・コング対ゴジラ』、『キング・コングの逆襲』、香港映画『北京原人の逆襲』、イギリスのビートルズを題材にしたアニメーション『イエロー・サブマリン』にもキング・コングの姿を見ることが出来ます。

[作品情報]
・1933年/アメリカ映画/上映時間:100min
・監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シュードサック
・出演:フェイ・レイ、ロバート・アームストロング、サム・ハーディ

『グエムル -漢江の怪物-』

グエムル -漢江の怪物-
THE HOST
『グエムル -漢江の怪物-』
ソウルの中心を東西に貫く大きな河、漢江(ハンガン)の河川敷で人々がくつろいでいると、突然、正体不明の巨大な生き物が出現、驚異的なスピードで動き回り、逃げまどう人々を次々と食い殺し始めます。政府は怪物が感染者を死に至らしめるウィルスの宿主であると発表。多くの人々が強制的に隔離されてしまうという物語の中、怪物に連れさらわれた中学生のヒョンソを軸にある一家の視点で恐怖をみせてゆきます。

殺人の追憶』のポン・ジュノ監督が手掛けた異色のモンスター・パニック巨編で、韓国では興行記録を次々と塗り替える大ヒットとなり大きな話題を集めました。また日本のキネマ旬報誌の2006年外国映画のベスト10では『ブロークバック・マウンテン』より上位の第3位!驚きました。

[作品情報]
・2006年/韓国映画/上映時間:120min
・監督:ポン・ジュノ
・出演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ


◆怪獣王国日本が誇る、1954年~1960年代の東宝の3本です。

『ゴジラ』

ゴジラ
DVD発売中 ¥4,725(税込)
発売・販売元:東宝
『ゴジラ』
水爆実験により太古の眠りから覚めた体長50mの怪獣が東京に出現。口から放射能光線をはき街を焼土させます。

特撮監督に円谷英二を起用したことが勝因だった本作は空前の大ヒットを記録し、1956年にはニューヨークでも公開され大ヒットしますが、海外版はレイモンド・バー扮する新聞記者を撮り足され短縮再編集版“Godzilla King of the Monster”という題名での公開でした。

『ゴジラ』の大ヒットでシリーズ化され、以降は怪獣同士のバトルというスタイルになり、シリーズ第5作の『三大怪獣・地球最大の決戦』で宇宙怪獣キングギドラの登場から、はっきりした善玉に成り下がったゴジラでありました。

[作品情報]
・1954年/日本映画/上映時間:97min
・監督:本多猪四郎
・出演:志村喬、河内桃子、宝田明、平田昭彦、堺左千夫

『モスラ』

モスラ
DVD発売中 ¥5,040(税込)
発売・販売元:東宝
『モスラ』
南洋のインファント島に座礁した第二玄洋丸の乗員は、無人と思われたその島に原住民が生存していることを伝えます。インファント島で核実験を行なったロリシカ国は、実態を調べるため、島に調査隊を派遣。調査隊の一行は、そこで巨大な卵と卵に仕える妖精のような“小美人”を発見します。隊長のネルソンは小美人を連れ帰り、見せ物にして売り出すことを画策。一方、虜囚となった小美人は、テレパシーで島の守り神、モスラの救けを呼ぶのです。モスラは小美人の声に応え、海を渡って日本に上陸。街を破壊して進むモスラの幼虫に、自衛隊は激しい攻撃を加えます。幼虫は東京タワーに繭を作り、やがて成虫となってその巨大な姿を現すのです。

これまでの怪獣映画では、元凶は人間にあっても、怪獣は滅ぼされるべき存在であったのですが、その点で、本作でのモスラの位置づけは新しい試みと言えます。モスラのキャラクターは、『モスラ対ゴジラ』でより明確な善玉となります。緻密なミニチュアワークが驚異的な一篇。

ガイドがまだ乳離れしないころ(笑)、はじめて劇場で観た映画として私的には記念碑的作品です。

[作品情報]
・1961年/日本映画/上映時間:101min
・監督:本多猪四郎
・出演:フランキー堺、小泉博、香川京子、田山雅充、ザ・ピーナッツ、上原謙、ジェリー伊藤、志村喬

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
DVD発売中 ¥4,725(税込)発売・販売元:東宝
『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』
 『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編でありながらこちらの方が面白いし有名です……と思います(笑)。

クローンの巨大なフランケンシュタインの怪獣が分裂によって、心優しい山の怪獣サンダと凶暴で人間を餌にする海の怪獣ガイラとなるのです。二匹は都市を中心に骨肉のバトルを展開、自衛隊も出動し怪獣との互角の闘いを演じます。

[作品情報]
・1966年/日本=アメリカ映画/上映時間:88min
・監督:本多猪四郎
・出演:ラス・タンブリン、佐原健二、水野久美、田崎潤、中村伸郎


◆大映映画(現:角川映画)の怪獣、魔人の2大快作&埋もれたアメリカの傑作怪物映画です。

『大怪獣ガメラ』

大怪獣ガメラ
『大怪獣ガメラ』
北極海上で原爆を積んだ国籍不明機が米軍機によって撃墜され、氷山に墜落。このため、積んでいた原爆は爆発し氷山に閉じ込められていた伝説の怪獣ガメラが蘇ったのです。その後、世界中でUFOが目撃されるのですが、それは亀の甲羅の手足の穴からジェット噴射で空を舞うガメラの姿だったのです。

東宝の怪獣映画に対抗して大映が放ったヒット・シリーズで本作と、第3弾の『大怪獣空中線 ガメラ対ギャオス』が出色。平成のガメラ・シリーズもリアルな描写でファンの間ではすこぶる評判が良いです。

[作品情報]
・1965年/日本映画/上映時間:79min
・監督:湯浅憲明
・出演:船越英二、姿美千子、霧立はるみ、山下洵一郎、浜村純、左卜全

『大魔神』

大魔神
『大魔神』
穏やかな顔の武神像が、腕で顔を隠したあと怒れる大魔神に姿を変える描写は子供のころとても恐ろしく感じたものでした。

本作は、『巨人ゴーレム』からヒントを得たと言われ、なんと1966年の1年間に続編『大魔神怒る』、『大魔神逆襲』の3本が製作された、時代劇の特撮怪物?モノという異色作です。

[作品情報]
・1966年/日本映画/上映時間:84min
・監督:安田公義
・出演:高田美和、青山良彦、藤巻潤、五味龍太郎、島田竜三

『戦慄!プルトニウム人間』

新型プルトニウム爆弾の放射線を浴びたマニング大佐は、身長18メートルの巨人と化してしまい、国のトップシークレットとして隔離されますが、大佐は脱出!ラスベガスの街で暴れだすのです。

バート・I・ゴードンの「あの時代の」ストリーテラーぶりと、素晴らしいミニチュアワークは、CG全盛の現代からみると、とてもキッチュな作風となった、アメリカでは『キング・コング』と並び称される怪物(巨人)映画です。

[作品情報]
・原題:THE AMAZING COLOSSAL MAN
・1957年/アメリカ映画/上映時間:80min
・監督:バート・I・ゴードン
・出演:グレン・ランガン、キャシー・ダウンズ、ウィリアム・ハドソン
関連リンク


◆いよいよ真打!スピルバーグのパニック映画2本です。

『ジョーズ』

ジョーズ
JAWS
『ジョーズ』
♪ズーズゥン ズーズゥン ズンズンズンズンズンズン♪と近寄ってくる巨大鮫の恐怖!鮫は出そうな場面で肩透かしをくらわし、突如現れるというスピルバーグらしい演出の妙!

観光客の集客優先で海水浴場での鮫の出現を隠そうとする市長、鮫の脅威を警戒する警察署長の対立から、遂に第二の犠牲者が出て遊泳禁止となる海水浴場!そして後半は、鮫退治の男たちのアドベンチャー映画になるという趣向です。

本作の成功により続編は作られ、二匹目のドジョウの『グリズリー』なる巨大熊映画があり、また最近では大蛇『アナコンダ』に巨大生物映画は引き継がれたと言ってもいいのですが、どの作品も本作の足元にも及ばない出来栄えに終わっています。

公開当時映画史上のNo.1の興業記録を樹立し、28歳のスピルバーグはハリウッドの第一人者の地位を確立しました。

[作品情報]
・1975年/アメリカ映画/上映時間:124min
・監督:スティーヴン・スピルバーグ
・出演:ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファス、ロレイン・ゲイリー、カール・ゴットリーブ

『ジュラシック・パーク』

ジュラシック・パーク
JURASSIC PARK
『ジュラシック・パーク』
『未知との遭遇』のUFOにたまげたように、本作の恐竜の映像にまずびっくり!ジョージ・ルーカスが、本作のSFX技術を観て『スター・ウォーズ』新シリーズに着手したというのは有名なお話。

物語は太古の琥珀に閉じ込められた蚊の吸った恐竜の血から遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する究極のレジャーランドを作ります。しかしオープンを控えたその「ジュラシック・パーク」に次々とトラブルが襲いかかるのです。

肉食恐竜T-レックスが近づいてくる予兆をコップの中の水の揺らぎで見せるなど名場面の数々。面白くて、怖くて、びっくりして、熱血する、これぞ娯楽映画の見本市!本作のヒットにより、続編も作られこれまた大当たりで続々編まで出来ました。娯楽映画においてもスピルバーグ演出の巧さを改めて感じさせてくれる快作です。

[作品情報]
・1993年/アメリカ映画/上映時間:127min
・監督:スティーヴン・スピルバーグ
・出演:リチャード・アッテンボロー、サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、アリアナ・リチャーズ、ジョセフ・マッゼロ、マーティン・フェレロ、ボブ・ペック、サミュエル・L・ジャクソン


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