『かもめ食堂』の魅力をタップリお届けします
邦画<初>オール・フィンランド撮影の |
■『かもめ食堂』完成披露試写会■ | |
出演者三名のコメント | |
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2月27日[月]、映画『かもめ食堂』の完成披露試写会(@TOKYO FMホール)にて舞台挨拶とトークショーが行われ、出演者の小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさん、原作者の群ようこさん、荻上直子監督が登壇しました。 ■小林聡美:「マイペースで仕事をさせていただきました。ブロイラーの鶏みたいに(笑)、ゆったり、のんびりと楽しみました。(料理の手つきが見事だったというコメントに対し)いえいえ、単に<料理の神様>が私のところに来てくれただけですから」 ■片桐はいり:「とにかくお腹が空く映画なんですよ。何か食べてから劇場にいらっしゃることをお薦めします!フィンランドにはすっかりはまってしまって、撮影終了後に延泊してしまいました」 ■もたいまさこ:「フィンランド人は日本人に似ているんです。蒙古班(もうこはん)もありますし。だから、すぐにリラックスして馴れてしまいましたね。撮影期間はまるで合宿をしているようで、久しぶりに学生気分を味わいました」 |
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この他の2006年春公開の映画
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『かもめ食堂』を観ました
ハラゴシラエして歩くのだ。
『かもめ食堂』(2005)[ruokala lokki] |
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かもめ食堂。それはフィンランドのヘルシンキにありました。こころをこめた「いらっしゃいませ」と、おにぎりと。毎日ふつうで、おいしくて、小さいけれど堂々としていました。 <<ヘルシンキで日本食レストランを開いた主人公サチエ(小林聡美)、お客は日本好きな青年のトンミ(ヤルッコ・ニエミ)ひとり。そのトンミの言葉がきっかけとなりミドリ(片桐はいり)と知り合う。『目をつぶって世界地図を指差したらフィンランドだったから』やってきたというミドリは「かもめ食堂」のお手伝いを…。『フィンランド人に憧れて』やってきたというマサコ(もたいまさこ)も加わり…。>> 【フィンランド】といえば―サウナとノキア。ムーミンとサンタクロース。キシリトールガムとゲイシャチョコ。白夜にアキ・カウリスマキ監督の国。実は東京から10時間で、最も近いヨーロッパの国なのでした。邦画<初>のオール・フィンランド・ロケ!! 通貨は、2002年フィンランド・マルカ(FIM)からユーロに。「かもめ食堂」のメニューから「おにぎり」は5.5ユーロ、これを円換算すると約770円になる。その具の新候補になったのが、フィンランドの人が好むPoronliha(トナカイの肉)、Rapu(ザリガニ)。お味見したくなります。観た後は「シナモンロール」「おにぎり」「コスケンコルヴァ」(Koskenkorva)等、何か口にしたくなると思います。南はアツアツのコーヒーとシナモンロールを食べましたよん。 登場キャラがサイコー!笑って、泣いて、ほのぼの~。インテリア、洋服等も可愛ゆくて2006年大好きな1本になりました。 |
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この他の2006年春公開の映画
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『かもめ食堂』荻上直子監督に直撃インタビュー
デビュー作『バーバー吉野』で小学生男児たちの愉快な<髪形闘争>を描き、『恋は五・七・五!』で高校生の<恋と俳句と青春>を活写した荻上直子監督。三作目『かもめ食堂』は北欧フィンランドに舞台を移し、食堂の女主人サチエ(小林聡美)とゆきがかりで、その食堂を手伝うことになった旅行者ミドリ(片桐はいり)とマサコ(もたいまさこ)、プラス、訳ありのフィンランド人の中年男や日本オタクの青年、ご近所のおばちゃんたちがのんびりからむ、ハートウォーミングなストーリー。ロケに訪れ、すっかりフィンランドの魅力にはまっている荻上直子監督に直撃インタビューしました。 |
■■『かもめ食堂』荻上直子監督インタビュー■■ | |
『かもめ食堂』について | |
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学生時代は写真家を目指し、あの天才<アラーキー>こと荒木経惟と同じ千葉大工学部出身の荻上監督。子供や人物を撮っていただけに、初の劇場映画も子供たちが主役でした。それが、今回は一気に年齢が上がり、40代前後の女性たちにスポットをあてました。 1972年生まれの監督に戸惑いはなかったのでしょうか? 「いやー、とっても難しかったですよ。経験していない年齢ですし…(笑)。プロデュサーからは『10歳背伸びして、作りなさい!』と言われましたし。すごい背伸びをしたつもりですが、ベテランの女優さんたちはわたしよりも一枚も、二枚も上手。たくさん助けていただきました。演出力をもっと頑張ってつけなくてはいけない!と感じました」と、謙虚なコメントが返ってきました。 |
『かもめ食堂』 で海外ロケを初体験― | |
| フィンランドでの映画作りの話が飛び込んできたのは、荻上作品の常連、もたいまさこさんと、『次は海外で撮りたいですね』と、話していた直後だったそうです。 「驚かなかったですね。中学生の時に、我が家にフィンランドの学生がホームスティしていた経験もあり、知らない国ではなかったし。即答で、『やらせていただきたい!』と受けました」 フィンランドでのオールロケ。ところが、100%フィンランドなのに、『フィンランドで撮っているんだゾー』という力みも押し付けも、まるで感じません。むしろ、ほどよい脱力感が、ほんわか、いい感じで、作品に不思議な空気感をかもし出しているんです。 「フィンランドの国民は、皆さん町で、走っている人がいないんですよ。のんびり、ゆったり…。映画作りも日本より三倍くらいスピードが遅い(笑)。こちらが焦っても、撮影時間が長くなると、フィンランドスタッフは目が死んできちゃうし…」と苦笑い。 「日本なら撮影が長時間続いても現場では文句が出ないし、もっといい絵を撮りたい、というカメラマンもたくさんいますよね。フィンランドスタッフにはそれが感じられない(笑)。でも、出来上がった映画を見て、そこに流れるゆったりした雰囲気は、フィンランドのスタッフが焦るわたしを彼らのペースに引きずり降してくれたお陰だと思いました。ほんと、みんな心根がいい人達でした」 |
フィンランド人キャストのキャスティング秘話 | |
![]() マルック・ペルトラ(左) |
何ともいい味をかもし出しているフィンランド人キャストたちはオーディションで選んだそうです。 コーヒー好きの<謎の中年男>には、アキ・カウリスマキ監督作品『過去のない男』で主演したマルック・ペルトラを起用。エキストラのおばちゃんたちには年金暮らしの婦人もいます。 「マルックは、渋くて、かっこよかったから。おばちゃんは選ぶのに困りませんでしたねえ。もう、よりどりみどり状態でした(笑)。撮影現場を見に来る人たちですか?いえいえ、フィンランドの人々はシャイなので、ミーハー的な部分はありません」 |
原作者、群ようこさんと… | |
![]() | 原作は女性の本音を描いて定評がある群ようこさん。しかも、初めて映画のための書き下ろし作品。それを荻上監督が脚本に。当初、主人公のサチエ像がつかめず、群さんに電話もしたといいます。ヘルシンキの街で、小さな食堂を開き、一ヶ月、一人もお客が来なくても、淡々と皿を磨く綺麗好きなサチエさん。潔く、凛とした強さがスクリーンからも、にじみ出てきますが…。 「サチエさんは懐のでっかい女性ですが、それにしても、強すぎないか?と思いました。彼女の目的も分からない。『サチエさんは一体、何が目的なんですかね?』と群さんに電話して尋ねたら、『そういう問題ではない―いろんなものを切り捨ててきた人です』って。切り捨ててきた人だから、人に優しく出来るし、日々を正直に送れるとおっしゃられた」。なるほど、とこちらも納得です。 「群さんの魅力ある原作を消化しながら、サチエさんをふらりとプールに行かせたり…自分なりの映画にしようと努力しました」 |
キャストとキャラクターについて | |
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演技派女優たちへの感想は、「小林さんは全篇を通して、何をやっても姿かたちが、きれいで、美しい方。子供の頃からファンでしたが、天才なのかな、と思わせてくれる人」。小林さんは菜箸や包丁を扱う手先も、ほんとうに優雅です。 「強烈キャラの出演作が多い片桐さんは、今回、普通の女性をやってもらったら、これまで見たこともないほどチャーミングで、可愛らしかった。もたいさんは不思議なオーラを『がーっ』と出される方です(笑)」。もたいさんとは、デビュー作からのお付き合いで普段から仲良しの監督、「もたいさんはおとなしい方なんですが、時々ボソッと話すことがすごく面白いんです」とエピソードも。 サチエさんら三人の日本女性に次ぐ、この映画の『主役』は料理 ― おにぎり、肉じゃが、塩を振ったサケの網焼き、豚カツ、ショウガ焼き…コーヒーとシナモンロール ― かもめ食堂のメニューです。元気の源。これが実においしそうなのです。観ている側も思わずつばをゴクリ。 「日本の優秀なフードコーディネーターの方に作ってもらいました。フィンランドスタッフがバクバク食べていましたね。わたしは炊事が得意じゃないけど、映画を機に、鍋を買って、鍋でご飯を炊き始めました。鍋で炊くと、こんなにおいしかったのか」と、しみじみ。 |
フィンランドの魅力にはまって… |
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フィンランド・ロケのおかげで荻上監督の生活は、より『健全』に? ちなみに、日々、気をつけていることは、「いっぱいあります。レトルトものは余り食べないようにする。酒を飲みすぎない。酒を飲んで記憶をなくすのは、もうやめよう。マザコンなので、母に頼るのは止めようと思います」。お酒が大好きな監督はこの日もインタビューの後、「学生時代の友人と飲む予定なんです」と教えてくれました。 映画では「食」と同様、「住」にもこだわっています。サチエさんの自宅は間接照明を生かしてすっきり整頓されています。かもめ食堂も色合いも含めて、真似したくなるほどオシャレ。まさに北欧シンプルモダンの世界です。 「フィンランドの人たちは服装とか格好よくないけど、どの店も家も、とても素敵でした。わたしは今回、フィンランドを5往復しましたが、そのたびに重いのに、たくさんのイッタラの食器を買い込み、カーテン用にマリメッコの生地をガツンと買い、母親に縫ってもらいました(笑)」 「もう、オリンピックも日本より、フィンランドを応援していましたね。住みたいぐらいです。白夜ですか?こんな時間まで酒が飲めるのかと思いました」とすっかりフィンランドびいきになってしまった荻上監督。フィンランドロケは、監督として「どこででも映画が撮れる!」という自信ももたらしました。さらには、「次回作を撮って、自分の持ち味みたいなものが決定できればいいなあ」とも。 最近、大御所ウッディ・アレンの新作を見て、さらに、思うこところあり。「ウッディ・アレンのいい作品に触れました。それで、調べてみたら、彼は1969年から40年、毎年一本、映画を作り続けているんです。映画の現場は大変で、弱きになることもありますが、やはり、『継続は力なり』ですよね」ときっぱり。今後の作品に期待大です。 「映画は日本の人にも、フィンランドの人にも観てほしいですね。特に、仕事を一生懸命、一生懸命、しちゃっている人に」と監督。 フィンランド上映は秋ごろ。スクリーンに映し出される、シンプルな暮らしの中には、日々を愛おしむ気持ち、人への優しさ、そしておいしい食べ物を作って・食べる幸せがいっぱい詰まっています。かもめ流に肩の力を抜いて、腹ごしらえをしたら、元気が出ること間違いなし! 映画を見て、太ったカモメが飛び交うヘルシンキに行きたくなった向きには、おなじみの場所が、観光用ロケ地マップになっているそうです。かもめ食堂も元の店に戻って営業中、です。こんなにふんわりと幸せな映画にはめったにお目にかかれませんよ。是非劇場に足を運んでください。 |
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