復活!!YMO

キリンビールのCMは、ノスタルジックなシリーズが続いていますが、サディステック・ミカ・バンドの次は、幸宏つながりでYMO。三人が久々に集まってレコーディングしたエレクトロニカ風「RYDEEN 79/07」が配信のみでしかリリースされないのは、少し残念ですね。こちらはセルフ・カヴァーですが、YMOがカヴァーした曲を今回は検証してみたいと思います。カヴァーというのは知識とセンスが必要です。YMOのカヴァーというのは、その両方を兼ね備えたものであることが実感できるはずです。

RYDEEN79-07.COM

ビートルズ

The Beatles 1
The Beatles「Day Tripper」
1965年に「恋を抱きしめよう」と両A面扱いでリリースされたシングルで、オリジナル・アルバムには収録されない曲。「Day Tripper」のネタ元は、Bobby Parkerの「Watch Your Step」。DevoがRolling Stonesの「Satisfaction」をカヴァーしたのはニューウェイヴな事件でしたが、『Solid State Survivor』(1979年)で、YMOがニューウェイヴなセンスを持っていた証明となる曲。Sheena & The Rokketsでも“Devoの「Satisfaction」”をカヴァーしていた鮎川誠の起用は大正解。ライヴ・ヴァージョンとしては、『Public Pressure』(1980年)、『Live At Greek Theatre』(1997年)、『Fackerholic』(1991年)などにも収録。

Yellow Submarine
The Beatles「All You Need Is Love」
ビートルズのアニメ映画『Yellow Submarine』(1969年)のサントラ曲というよりも、1967年6月25日に世界初宇宙衛星中継となった「Our World」で公開された曲として歴史に残っています。『YMO WORLD TOUR 1980』(1996年)で1分41秒のライヴ・テイクが収録されていますが、ロス公演が衛星中継された際にこの曲をカヴァーするというのは、やはりYMOらしい。高橋幸宏と親交のあったTony MansfieldのNew Musikによる同カヴァー・ヴァージョン(『WARP』収録)もぜひ聴いてください。

エキゾチック・サウンド

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
Quiet Village
Martin Denny「Firecracker」
Martin Dennyはマスター・オブ・エキゾチカとも呼ばれ、『Exotica』は全米ナンバー1となっています。2005年3月に享年94歳でハワイで亡くなりました。「Firecracker」は『Quite Village』(1959年)に収録。『Yellow Magic Orchestra』(1978年)に収録された初期YMOのコンセプト(Martin Denny + Computer + Disco)ともなった曲。カヴァーというよりYMOの代表曲として広く認知され、ライヴ・ヴァージョン、リミックス・ヴァージョンも多く存在します。

モダンフォーク

The Greatest Hits 
Kingston Trio「Green Back Doller」
Kingston Trioはアメリカ、サンフランシスコを拠点に50年~60年代に活躍したモダンフォーク・グループ。1980年の「写楽祭」では、アコースティック演奏曲が「中国女」を含め3曲披露されましたが、その中の1曲。『One More YMO』(2000年)に収録されました。テクノを期待し、しびれを切らす観客に「うるせーんだよ、この野郎」(教授)、「黙って聴いてなさい、ちゃんとやるんだから」(高橋)という発言を含めて「Snakeman Show In Budokan」としても同アルバムに収録されました。

The Essential Pete Seeger
Pete Seeger「Where Have All The Flowers Gone?(花はどこへいった?)」
こちらもモダンフォークの人です。Pete Seegerによるオリジナルは1955年に作られましたが、上記のKingston TrioやPeter, Paul & Maryもカヴァーし、ベトナム戦争の60年代において反戦歌として広く知られることになった曲です。フォーク好きでなくても、たぶん聴いたことがはず。『YMO GO HOME』に収録。

クラシック

Switched-On Bach II
バッハ「Invention」
バッハが教育的目的で作曲した鍵盤楽曲。『YMO WORLD TOUR 1980』(1997年)のラストを自動演奏で飾っています。Wendy Carlosの『Switched On Bach II』にもこの曲が収録されているのは、偶然でしょうか?

ジャズ

ジャズ&スタンダード
「Lover Come Back To Me(恋人よ我に帰れ)」
原曲は、1928年のオペレッタ『The New Moon』で使われました。Billy Holidayや美空ひばりなど数々のシンガーも愛唱したジャズのスタンダード・ナンバー。1982年の「ミュージック・フェア」で中本マリのヴォーカル曲が、強引に『UC YMO』(2003年)の発掘音源として収録されました。

エルビス

G.I. Blues
Elvis Presley「Pocketful Of Rainbows(ポケットで虹がいっぱい)」
映画『G.I. Blues』(1960年)では、エルビスはジュリエット・プラウスと観覧車に乗って、このバラードをデュエットします。『Technodon』(1993年)では湯川玲子の訳詞でカヴァーされましたが、当時僕を含めてオリジナルを知って聴いていた人がどれほど居た事か? テレビドラマ『さくらももこランド・谷口六三商店』の主題歌にもなり、シングルカットされました。谷口明子役の夏川結衣に胸、キュン。

R&B

Tighten Up
Arche Bell & The Drells「Tighten Up」
1968年にArche Bell & The Drellsがヒットさせたファンキーソウルの名曲。。『増殖』(1980年)にも収録されたYMO3枚目のシングルでもあり、YMOはジャパニーズ・ファンキー・テクノソウルに見事に昇華しています。Snakeman Showの小林克也のヴォーカルがめちゃくちゃかっこいい!YMOがあの「Soul Train」に出演した時も、この曲を演奏しました。

歌謡曲

ウォンテッド
ピンクレディー「ウォンテッド」
ピンクレディーの「ウォンテッド」「UFO」「サウスポー」あたりは、ちょっとテクノな効果音が入っていたりして、テクノ歌謡のルーツ説もありますが、まぁちょっと強引ですね。同時期に全米進出を果たしたピンクレディーにYMOが親近感を覚えていたというのは、僕の妄想でしょう。『Live At Kinokuniya Hall 1978』(1993年)に収録のちょっとテクノ・フュージョンなインスト・カヴァーに茶目っ気を感じます。

ソロ・メンバーによるカヴァーまで含めるとまだまだありますので、この企画続くかもしれない。

YMO記事
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