前回の「NWofNWを再検証」で終わらなかったので、ネオ・ニューウェイヴを続けます。1999年に日本のニューウェイヴ史上、記念となる出来事が、起こります。

1979年新宿ロフトにて・・・

「DRIVE TO 80's」とういう伝説のニューウェイヴ・イヴェントは、79年の8月28日から9月2日にわたって新宿ロフトで行われました。当時、フリクション、リザード、ミラーズ、Mr. カイトといった東京ロッカーズと呼ばれていたバンドからプラスチックス、ヒカシュー、P-MODELといったテクノポップ勢が集まりました。

DRIVE TO 80's(詳しくはこちらで)

1999年新宿ロフトにて・・・

約20年後の99年の10月25日から31日にかけて「DRIVE TO 2000」というイヴェントが移転した同じく新宿ロフトで行われたのです。私も綿密な計画の下、休暇をとって約1週間続けて生まれて初めてライヴを見ました。もうライヴなんて見ることは出来ないかなぁと思っていた80年代のニューウェイヴと新興90年代ニューウェイヴが一堂に会する世紀のイヴェントとなったわけです。

DRIVE TO 2000(詳しくはこちらで)

参加したのはジャンル的には、ニューウェイヴだけでなくかなり幅がありますが、特にニューウェイヴとネオ・ニューウェイヴという観点でピックアップしますと・・・
いまいち、どちらに入れてもしっくり来ない人とかいますが、まぁこんな感じです。

【80年代ニューウェイヴ】
フィルムス
Virgin VS
ヒカシュー
東京ブラボー
suzuki K1 7.5cc
サエキけんぞう
東京タワーズ
コンクリーツ

【新興ニューウェイヴ】
Hi-Posi
宍戸留美
The Synthsizers
Space Ponch
SPOOZYS
SKYFISHER
Deadcopy
千葉レーダー
Yセツ王+松武秀樹
バケラッタ
Our Hour
QYPTHONE
Jellyfish
Pre Modelo
ゴージャラス with 明和電機
山田冷蔵庫王
Hiwatt Electric
Young 100V


特に、幻の未来志向のテクノポップ・バンド、フィルムスは、ファースト・アルバムのオリジナル・メンバー(赤城忠治、岩崎工、久下恵生、後藤信夫、中原信雄)にアルファ時代の新メンバー(ブラボー小松、鈴木智文、鈴木さえ子)に元タンゴ・ヨーロッパさいとうみわこさんが加わるという豪華の布陣での再結成ライヴをやってくれました。フィルムスって、フューチャーポップのルーツ的バンドだと思います。

フィルムスの謎~赤城忠治さん(All About記事)

京都メトロ(11月3日)と名古屋ELL(12月4日)でもダイジェスト版的イヴェントが開催されました。そう言いながら、私は東京で力を使い果たしたので、京都は断念しました。

DRIVE from 2000

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
DRIVE from 2000
01. Jim O'Rourke: Thanks But No Thanks
02. QYPTHONE: Topology
03. QYPTHONE: Fullcolor
04. Deadcopy: I Like You
05. Deadcopy: メカパンダ
06. バケラッタ: おしゃべりパイン
07. バケラッタ: ロケットでGO!
08. Our Hour: Our Hour Not Dead (Sports 1999)
09. ゴージャラス: Sexybody
10. ゴージャラス: I Want You, Show Me
11. SKYFISHER: 8mm Papa
12. SKYFISHER: Nousaibou No Sainou「脳細胞NO才能」


イヴェントの中心人物でもあったサエキけんぞう氏プロデュースによるオムニバス・アルバム『DRIVE from 2000』も10月21日に発売。何故かテクノ歌謡のアルファ編に熱いコメントを添えていたジム・オルークがSparksのカヴァーをやっています。ジャケは常盤響仕事。

総武線猿紀行 第37回 「僕とDRIVE to 2000」

ネオ・ニューウェイヴな出演バンド・・・

■前回の「東京NEW WAVE OF NEW WAVE」から出てきたバンド(SPOOZYS、SKYFISHER)
NWofNWを再検証(All About記事)

■SKYFISHERと共に千葉系として紹介した『FLAG SHIP PARTY vol. 1』に参加の(Deadcopy、千葉レーダー、Hiwatt Electric)
*Deadcopyは復活アルバムがまもなくリリース予定。

■サブステージながら大変盛り上がっていたYセツ王+松武秀樹
YMOの遺伝子~第1回(All About記事)

■名古屋からはぶどう÷グレープの元となったバケラッタ
ぶどう÷グレープ=名古屋発NW(All About記事)
ぶどう÷グレープ、そこから★でてきなさい(All About記事)

■後にNOVAうさぎでブレイクするOur Hour
「NOVAうさぎのうた」のアワアワ(All About記事)

■『FUTURETRON SAMPLER』に参加してくれたjellyfish
直撃!FUTURETRON参加メンバー#1(All About記事)

・・・と、これまで何らかの形でAll Aboutで私が紹介したグループが多いです。

折角ですから、あと2バンド紹介しましょう。

ヤング100V

100V夫人
「DRIVE TO 2000」に出演したYoung 100Vは、TiNSTARよりミニアルバム『100V夫人』で2000年にデビュー。茶谷恒治と杉山圭の二人が中心に現在も活動する身も心もニューウェイヴなバンドですが、元有頂天、P-MODELの三浦俊一や元POLYSICSの迫英介もこのアルバム時ではメンバーです。ナゴム的なニューウェイヴ感が強いのですが、「地獄のベースボール」なんかを聴いているとヘビメタ聴こえます。例えれば、筋肉少女帯と有頂天が合体して疾走するような感じです。

ヤング100Vオフィシャルウェブサイト

QYPTHONE

QYPTHONE
QYPTHONEって書いてキップソーンと読みます。意味はGoogleって調べたけれど、バンド名としてのQYPTHONEしか検索されず、断念。1996年に結成されました。デビュー・ミニアルバム『QYPTHONE』(1998年)から読み取ると、その時点でメンバーは5人ですが、大河原泉をシンボル、中塚武をコンセプトと位置づけています。QYPTHONEはあまりネオ・ニューウェイヴな香りはしません。ポスト渋谷系・・・ピチカート・ファイヴの遺伝子を感じます。ライナーノーツで、『SUSHI 4004』にも参加したよしみのbangalowレーベル主宰のLe Hammond Infernoが、「ピチカート・ファイヴの子供がついに狂ったように聴こえる」と形容しています。

MODERNICA IN THE HOUSE!
ORGANIC SOUND THEATRE
続いて、『ORGANIC SOUND THEATRE』(1999年)、『MODERNICA IN THE HOUSE!』(2000年)とミニアルバムをリリース。

EPISODE 1~QYPTHONE EARLY COMPLETE~
初期の3枚のミニアルバムを2枚のCDにボーナス付きで収めたのが、『EPISODE 1~QYPTHONE EARLY COMPLETE~』(2005年)。QYPTHONEのハッピーチューンがギッシリ詰まっていますので、お勧めです。

Montuno no.5
QYPTHONEとしては、『Montuno no.5』(2002年)が最新オリジナル・アルバムです。ハッピーチューンからジャジーなメローチューン中心になって、アメリカ・ヨーロッパでもリリースされました。また、リーダーの中塚武は、ソロとしても平行活動しています。

tribute to yes,mama ok?
余談ですが、今やフィンランド生まれのエアギター世界選手権4位入賞という輝かしい経歴を誇る日本を代表するエアギタリスト、金剛地武志! 最近、TVや雑誌ででもよくお見かけします。正直、yes,mama ok?として「春咲小紅」(チャレンジ精神溢れるバカなカヴァーです)や「ラジオスターの悲劇」(結構忠実にやっています)などをカヴァーしていた頃にこんなブレイクするとは予想していませんでした。Our Hourも含め、両者を輩出したL&DKレーベルは、侮れないです。話は長くなりましたが、QYPTHONEは、そのyes, mama okay?と『O.S.T.e.p.』(2000年)にスプリット・シングルも出しています。2006年4月にリリースされたyes, mama ok?へのトリビュート『tribute to yes, mama ok?』にもQYPTHONEは、Our HourやMacdonald Duck Eclairに混じって参加しています。

QYPTHONEは、現在のcapusleなどにも通じるフューチャーポップのプロトタイプだと思います。歴史とは結局繋がるのです。

QYPTHONE
ラーメンニッポン(自称「ラーメン大王」、中塚武氏による解説)
tribute to yes, mama ok? official website
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