(T.P.G.-FUND 左から敬称略)藤村、石川、H.R.M、松井


TECHNOBOYS時代の事

technoboys.tv
――TECHNOBOYS時代の古い話からお尋ねします。2001年7月21日に僕のWEB日記には以下の記録があるんです・・・

おimo3兄弟のよこさんとよしのたろうさんが主催したイヴェント『YMO、テクノ歌謡ファンおこしやすぅ 大坂夏のおもしろ企画~TRANS AtrantiQs TOUR FROM がもよん TO心斎橋~』のためATRANTIQS行く。MANIAX#2、non-stop electric cabaret、テクノX新撰組、Dr. OTA、桂こゆかりとNaughty Boys、TECHNOBOYSが登場。TECHNOBOYSは怒涛のCDリリースをしており、物販コーナーで数枚のタイトルを販売。よこさん、よしのさんのアドバイスもらい、メイド・コスプレがイカシたTECHNOBOYSにゲスト参加していた忍さんに質問して、3枚の作品『technoboys.tv』『Sanatorium / Loveless』『空気の樂園』を購入。

自作CD-Rでありますが、内容的には完成度が高いと大変感心しておりました。『technoboys.tv』収録の「Cosmography」などは、YMOが好きな人ならニヤリとする内容ですね。この頃のTECHNOBOYSの活動方針とはどんな物だったのでしょうか?


藤村:あの頃は、TECHNOBOYS混迷期でしたね。曲作りにしても、ライブにしても。メンバー各々が、TECHNOBOYSがどの方向に向いているのか、又は向かうべきなのかを理解というか、認識しきれていなかったように思います。

石川:特に機材に対しての不満がそうさせて、やりたい音の半分もできなかったように記憶しています。今回はそこのところがかなり解消されていますね。過去の作品で一番気に入っているのが「border」です。「Cosmography」は気合いの手弾き大会でした。

空気の樂園
――『空気の樂園』に収録されていた「Dr.summerman予告編」を聞いて、とても「完成編」を聴きたいと思いながら、そのまま機会がなく買い逃したのが残念です。余談ですが、忍さんのメイド・コスプレは、後のメイド・カフェ・ブームを先取りしていました。

松井:萌え先取りでしたね。
TECHNOBOYS時代から、音楽に限らずあらゆる分野にアンテナを張っていましたから。そうやって得た情報を音楽に取り込んだ結果の一つですね。T.P.G.-FUNDでは、音楽からはみ出した部分にまで手を出し始めています。現在、ネットラジオの形で放送しているコントなどは、その顕著な例なんです。

石川:「Dr.summerman 完成編」は、たしか…販売しておりません。と言うのもヴォーカルが早口で大変難しく、とても完成をできる状態ではなかったんですよ。ライヴでは何度かやりましたが。

――アート・リンゼイ氏が「なんて古くさい名前だ!」と言ったらしいですが、どういう状況で氏がTECHNOBOYを知る事になったのですか?

石川:たまたま、僕は"OAD"、"SOL"というエレクトリックフリージャズ系統のユニットに参画していたことがあり、ラウンジリザーズやゴールデンパロピノスなどの一連のアート氏に近い音楽だったので京都の「メトロ」というクラブで誰かが紹介してくれたんですね。そしたら楽屋で「まあフルーツでも食べて行きなよ」なんてアート氏が言ってくれて。で、松井とバクバク食べてると、アート氏が「君たちのグループは何ていうんだい?」って。勿論「TECHNOBOYS」と答えると、「なんて古くさい名前だ!」って言ってたんです。ほら、彼はYMO嫌いだから。"OAD"は、一度アート氏と競演していますよ。

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
TECHNO4POP Vol.1
――『TECHNO4POP Vol.1』に収録の「Realworld Ambitions」は、Technoboysとしての正式CDリリースの唯一の音源でしょうかね? エレクトロニカなアレンジの80年代テクノ・ガールポップって感じでとても好きです。

石川:元々、大阪芸術大学の映像科の女の子に卒業製作の音楽を頼まれて作ったんです。最初は彼女がイメージする言葉だけあって。じゃあそれを歌詞にして歌ったら?ってことになって出来たものです。で、『TECHNO4POP Vol.1』の話があった時に、著作が無いということだったので、といっても勿論フリーってこともないんですが、いろいろな意味で『TECHNO4POP Vol.1』に合っているかなと思ってTECHNOBOYS版を作った訳です。

予想外のT.P.G.-FUND

T.P.G.-FUND
――2005年9月のTECHNOBOYSの解散ライヴを見れたのは良かったです。ただ、そこでTECHNOBOYS PULCRUFT GREEN-FUNDの結成を知らされたのはまるで予想外でしたが・・・・ 合併されたんですよね。

藤村:僕も予想外でした(笑)。ただ、先程石川が言ったように、このあたりから皆が楽曲制作にPRO TOOLSを導入したことなどによって、機材に対するストレスが減り、曲質やアレンジにも影響が顕著に表れ始めたので、何かを変えるにはこのタイミングしかなかったのかもしれません。そのシンボリックなものが、TECHNOBOYSの解散であり、PULCRAFTとの合併だったんです。

――しかも、基金(FUND)によって運営されている。どのように基金を募られているんでしょうか?

松井:現在は、僕らの存在をアピールする段階ですので、実際に基金を募っているわけではないのですが、将来的には作品のコンセプトをあらゆる媒体を通じてプレゼンし、その具現化のための資金を個人・団体に関わらず募る予定です。そうして完成した作品で得た利益を使用権・配当などといった、契約に応じた形で分配するという…まあ、大まかにいえば、作品ごとに株主を募るようなものですね。その作品も音楽だけとは限らないのがT.P.G.-FUNDというユニットの活動と捉えてください。

ついにアルバムリリース!

――では、11月17日にリリース予定のデビュー・アルバム『music laundering』についてお伺いします。とても好きな音です。「Wardrobe」のイントロとか聴いていると、ゾクッとします。やっぱり、同じ物が刷り込まれているなぁーと。TECHNOBOYS的な部分も継承されていると思いますが、とても楽曲に幅がありますね。「Lost」を聴いていると、懐かしい東洋的な部分と今のエレクトロニカな部分の融合が心地よいです。

music laundering
01. Theme Of T.P.G.-FUND
02. Cold Water
03. Wardrobe
04. Lost
05. Wait It
06. Do You Know Your Neighbor's Face?
07. Spiral Cave
08. Karma
09. Amoeba
10. Spacemen
11. Postman
12. Dendrobium
13. Lost Laundering By Claude Young + Takasinakajima


石川:最近ラップトップPCだけでライヴをやっているのをよく見かけるのですが、それがどうも僕は気に入らなくて。どうせライヴもしないといけないんだから生を大事にしていきたいなと。
リズムにしてもウワものにしても。で、 『music laundering』のラインナップが出てきた時に、これはちょっと解りにくい生の感じになるなと危惧しまして、解りやすい生をやったのが「Wardrobe」ですね。イントロとサビのモチーフは最後まで出来てなくて…付け加えた感触がまだ僕には残っています。

「Lost」に関しては、最初に変則的な譜割を決めていました。12拍のコードと4拍のリズム。東洋的な部分は僕の悪い癖が出てしまったためです。「展覧会の絵」になってしまったのは後から気付いて、まあいいやと。エレクトロニカの部分は藤村が出す音にYESとNOでバシバシ決め射ちでした。実は、ドラムはサンプラーの音ですが、生で叩いているんです。

――「Postman」などは、東京にいるTalking Heads的なファンキーさが伝わります。

松井:伝わっちゃいますか(笑)。こういった曲が収録されているのもT.P.G.-FUNDの『幅』と考えていただければ。実際、Talking Headsのような知性と熱とを同時に感じさせる感性とバランス感 覚は、僕らのように様々な『幅』を持とうとするアーティストにとっては重要なファクターだと考えています。東京という街は、良い意味でも悪い意味でもそれを感じさせてくれますよね。叫びたくもなりますよ。

――TECHNOBOYS時代だけでもかなりの楽曲を既に作られていたようですが、今回のレコーディングに際して、TECHNOBOYS時代の作品も混ざっているのでしょうか?

藤村:はい。半分くらいは、そうですね。9曲目の「amoeba」などは、僕が大学生の時に作った曲ですから、もう10年以上も前になります。しかし、今回のアレンジでは、ほぼその原形をとどめなくなってしまいましたが…

メンバー紹介

T.P.G.-FUND
――現在の4人のメンバーは、個人としても音楽に関わる活動をされているようですが、ぜひご紹介ください。自分で紹介するのが照れくさいかもしれないので、メンバーが他のメンバーを紹介するという形でも結構です。

藤村:僕は、2年程前から韓国の伝統音楽をベースにしたバンド「SANTA」にリズムトラックとベースで参加しているのですが、11月29日に青山の「月ミル君想フ」で単独ライブをやります。そのライブの中で、T.P.G.-FUNDの曲を1曲カバーさせていただくことになりました。この1回限りのアレンジになると思いますので、関東近郊の方々は、是非いらしてください。

石川:僕は先月にサウンドトラックのリリースがありました。『イノセント・ヴィーナス』というWOWOWで放送していた、シリアスなアニメーションのサウンドトラックです。最近の萌え萌えとかからはかなり逸脱したシリアスな作品でした。新旧織り交ぜたシンセサイザーとオーケストラで出来ております。かなり僕がやりたかったことをやらせていただいたので、非常に満足のいく出来です。T.P.G.-FUND もボーナストラックで参加しております。マスタリングにはYMOのエンジニアで高名な小池光夫氏にお願いしました。是非聴いてください。

松井:う~ん、個人的には音楽以外の活動が多いんですよね。インターネットラジオもそうなのかな? 後は舞台演出関連とか、ちょっとした脚本とか。音楽関連で言えば某オペラ団体の公演に潜り込んでイタリア行ったり… あまり関係ないですねぇ。

――ご協力ありがとうございました。今後のライヴなど、活動予定があれば、教えてください。

藤村:来年春にワールドリリースされる『Lemongrass garden vol.2』というコンピレーションアルバムに、「Lost」がコンパイルされる予定です。また、フランスの映像会社「Le Pivot」のPV音楽をT.P.G.-FUNDがリミックスしまして、そのアナログ盤がリリースされる予定です。

そして、『music laundering』のリリース記念イベントが、12月8日、渋谷TaU KITCHEN、12月13日、心斎橋アトランティックスであります。詳細が決まり次第、T.P.G.-FUNDのホームページ(www.technoboys.tv)で随時アップしていきますので、皆様、是非とも遊びにいらしてください。

TECHNOBOYS PULCRUFT GREEN-FUND