エレクトリックラヴの由来

——はじめまして。以前インタヴューに登場してもらったnormal pop?の本田勝之さんから「THE ELECTRICK LOVEというグループをご存知でしょうか?曲を聴いたのですが凄まじく良かったです。きっと四方さんも気に入るのではないか・・・」とのメールを頂いたのがきっかけです。normal pop?とはどのようなご縁でお知り合いになったのでしょうか? 確かに相通じる物を感じます。

TECHNO4POPさんのサイトを見ていたら、『pose』のアルバム紹介がありまして、試聴してみたら物凄く良くって。それで、normal pop?さんのブログに書き込んだか、メールしたのだったかがキッカケだったと思います。その後、本田さんからもエレクトリックラヴ(以下TEL)の音を聴いてくださったなどのメールもいただき、その後メールでやりとりし始めたのが最初でした。お互いの音に興味を持って引かれ合った感じですね。

——エレクトリックラヴはELECTRICではなくELECTRICKと綴っているのには、きっと深い意味があるのではないかと思っていま私は考えすぎでしょうか?

ん~、深い意味はそれほどないんですが、パッと見た感じ、普通にelectricだと寂しいかな、と思ったので…(笑) 綴りがちょっと違うだけでも印象が大分変わるので、自分が綺麗だと思う綴りにしました。語尾がtrickだとなんとなく魔法をかけられた気がしませんか?(笑) 私はそういう感覚的なものを大事にするので…。

——さて、エレクトリックラヴ、天野川ランコ、教授田モエコ、南ナツコというお名前から推測するに3人の女性と思えますが、どのように出会って、どういう理由で結成することになったのですか?

出会いですか…。
かなり昔のことなので忘れてしまいました(笑)。スミマセン。実は、教授田モエコと先に別名義でTELの前身となる音楽ユニットをやっていて、南ナツコはその後、新しいメンバーとして加わり、エレクトリックラヴと名前も改めました。具体的な出会いなどは…あまり覚えてないです(笑)。

——教授田モエコさん、はどう読んだらいいのでしょうか? 3人の役割分担は?

教授田は「てらだ」と読みます。「てらだもえこ」ですね。役割分担は、基本的には私、天野川ランコが詞や曲作り、仮トラックも作って、教授田がダメ出しするという、ちょっと変わった作り方ですね(笑)。南ナツコは殆ど何もしません(笑)!でも3人でTELなんです。基本的に表現の根本は私個人のイマジネーションです。

エレクトリックラヴ登場

――デビュー・アルバム『エレクトリックラヴ登場』は近未来的愛情に溢れる物語的コンセプト・アルバムですね。バグルズの『The Age Of Plastic』やフィルムスの『Misprint』などの系譜上にいる気がします。デジタル・ラヴ(はい、ダフト・パンクです)な曲が多くって、もうゾクっとしました。最初からコンセプトが決まっていて、それで曲を作り上げたのですか? それともストックしていた曲を集めていくとそうなったのでしょうか?

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
エレクトリックラヴ登場
01. intro
02. Miracle & Mystery(真夜中のミラクル)
03. Static Love(つめたい愛)
04. Rely on U(あなたを見つめてる)
05. L.A.B.O.(L.A.B.O.)
06. Dr.Vogue(ヴォーグ博士の野望)
07. interlude
08. Body Changes(変身)
09. Invaders(インベーダー・ゲーム)
10. Hack Trick(システムの破壊者)
11. Countdown(カウントダウン)
12. Don't Forget Your Love(愛を忘れないで)
13. outro
[Bonus Track]
14. Miracle & Mystery(Spring Mix)


基本的にはコンセプトやイメージが先にありました。それを表現するための楽曲であり、リズムであり、旋律であり、音色であるという考えです。あくまで今のところはですけどね。今後もしばらくこの方向で進めていくつもりです。

――エレクトリックラヴは妥協しないという気持ちが伝わる作品です。あくまでもロボ声で通すし、あくまでも80年代を恥ずかしいところも含めてオマージュしているし、超キャッチーな「Static Love」のギターのフレーズなんか80年代の激震が走り、転げ落ちそうになりました。うーん、でも3人は80年代リアルタイムではないですよね。リアルタイムのオジサンとしては、不思議です。

リアルタイムではありませんね~。私はNEW ORDERが好きでハマりました。

教授田はもっとブラックよりの音楽が好きで、80年代のファンクやエレクトロが好きです。

南ナツコはどちらかというとゲームサウンドが好きみたいですね。以前サンプリングなどをして曲作りもしていましたし。

なぜか好きなんですよね、80年代が…。あの時代のいろいろな部分に惹かれます。それから、ダフトパンクの存在が私たちの中では非常に大きいです。80年代その他の音を継承しつつ、新しい音を生み出した彼らは大変な衝撃でした。

――エレクトリックラヴはウルトラポップですが、聴いていると邦楽的要素が良い意味で希薄ですね。バグルズやクラフトワークやウルトラヴォックスの面影はあっても、邦楽とは決別していると言いましょうか・・・ 

今まで聴いてきた音楽が洋楽ばかりだったので、自然とそちら側のサウンドになってしまいますね。私たちは基本的に「音」で語りたいのです。音楽をやっているのならば、「音」で語りたい。歌詞で全て話してしまって、音がそれを盛りたてるオプションであってはならないのです。あくまで音が先なんです、TELの場合はですが。

NESbeatとは?

——エレクトリックラヴのオリジナリティの一つとしてNESbeatというスタイルを提唱されていますが、それは何なのでしょうか?

最近はさっぱり作ってませんが(笑)、つまりはNES=ファミコンのことで、ファミコン音楽のサンプリングミュージックです。つまりファミコンの曲を音ネタとして使うわけですね。南ナツコがこれをやっていて、最初のころは面白がって色々やっていましたが、最近はオリジナルアルバムを作るにあたってまったく放置な分野になってしまいました(笑)。

国内外でのチップチューンの盛り上がりもあり、胸を張れるほどのオリジナリティがなくなった所為もありますし。ただ、チップチューンと違い、曲などをネタとして丸々使うというのは、ブラックミュージックにおけるサンプリングの手法に近いものがあると思っていて、彼らは自分達の文化が生み出した音を再生させています。ならば日本の文化はなんだろう、と問えば、ゲームやアニメーションが強いですよね。そこでゲームサウンドをオマージュ的に音ネタとして使うことは、日本のカルチャーの再生だと思うんです。そういう意味で面白いとは今でも思っています。ただ権利関係が大変そうなので、なかなか難しい話でもありますが…(笑)。

——やはりTVゲームは好きなんでしょうか?

私や南ナツコは好きですね。
特に南の方はマニアックです(笑)。

——では、エレクトリックラヴが比較的最近リリースされてもので、感動したアルバムとかあれば、教えてください。

私は…大のプリンスファンでありまして、最新アルバム『3121』がここ最近ではヒットですね。
ちょっと前ならマドンナの『Confessions on A Dancefloor』でしたが…。

今後の予定

——All Aboutとは縁が深い、TECHNO4POPの次回コンピ(VOL. 5)に参加されるようですね。曲は決まったのでしょうか?

決まりました。
ここで言っていいのかどうかわかりませんが、好きな曲をこちらで選んでいいとのことでしたので、アルバムから「Static Love」を選びました。

——ライヴとか表の活動は現在、予定されていないのですよね。・・・とても見てみたいのですが。3人の女性がロボ声でライヴするなんて・・・かなり絵になります。ダメですか? では、せめてセカンド・アルバムの構想でも。

残念ながら、様々な事情や活動のコンセプトにより、ライヴはできないんです…。
本当にこれはよく聞かれることなんですが…。ライヴができないのはアピールも薄くなりますし、シーンで這い上がっていくつもりであれば必須ともいえる事ですよね。むしろライヴが命綱というのが現状でしょうね。ですが、TELにはTELのやり方があります。メンバー全員がかなりの完璧主義なので、お粗末なライヴをするくらいならしない方がいい、と思っています。現状、とても自分達が満足できるライヴをこなすことは不可能なんです。それならばその分、作品作りに力を入れたいですし、音源だけでどこまでリスナーの皆さんの心を掴めるか、というある種の挑戦のような考えもあります。

リスナーの質は本当に様々ですが、時代の所為か、最近「受け身」なリスナーが増えている気がします。特に若い世代でしょうか。私たちも古株というわけじゃないですが(笑)、主に洋楽、しかも旧譜をメインに聴いてきたのでどうもリアルタイムな音を聴いている方々とは温度差を感じてしまいますね。これは別に非難しているわけではないですが。シーンやリスナーを自分達の力で変えたい、なんて大それたことは考えていませんが、自分だけの感性を見つめることの面白さみたいなものを少しでも多くの人に伝えられたらな、と思います。なんだかまとまりのない話になってしまってスミマセン。

セカンドの構想ですが、ファーストよりももっとポップに、いわゆるテクノポップ、エレポップ的な曲が多くなるかと思います。ファーストは名刺代わりのような意味合いもありまして、色々な曲を詰め込みましたが、次回からはアルバムによってサウンドキャラクターをある程度固定させて制作していくつもりです。今後の作品にもご期待ください!

——ご協力ありがとうございました。

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The Electrick Love(エレクトリックラヴのブログ)(試聴できます)
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