ロシア語では、「ВиаГра」。英語表記は、「VIAGRA」ではなく「V.I.A.《GRA》」または「V.I.A."GRA"」。VIAGRAは、お薬の商標ですからそのままでは使えないのでしょう。「V.I.A.《GRA》」とは、「V.I.A.」がロシア語で「ヴォーカル・楽器・アンサンブル」の略、GRAがウクライナ語で「演奏」とか「お遊び」・・・といったもっともらしい名前の由来が公式サイトなどで説明されていますが、後付けっぽいと疑うのは僕だけでしょうか? タトゥーの時も、「This girl love that girl」というのが名前の由来というのがありましたが、同じように僕は疑っています。

VIA GRA Official Website(英語)

さて、この美女たちはロシアでなくウクライナからやってきました。ウクライナは旧ソ連から1991年に独立した共和国。旧ソ連の新独立国であるNIS諸国(New Independent States)の一つでもある。ウクライナの独立は、ソ連崩壊の引き金ともなりました。欧州ではロシアについで面積が大きい国で、ウクライナ人(73%)、ロシア人(22%)など約5千万人が住んでいます。ウクライナは、ロシア、ハンガリー、ルーマニア、モロドヴァ、ポーランド、スロヴァキアに囲まれており、南には黒海がある。首都は人口約260万人のキエフで、かって「ソ連のパリ」と呼ばれました。そして、ウクライナは、旧ソ連時代にキエフ近郊で起こった1986年のチェルノブイリ原発事故による被曝体験国でもある。

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ウクライナと言えば、ピエール瀧・著の『屁で空中ウクライナ』(2001年)ではなく、美人の国としても有名。と言っても、ウクライナに行ったわけでないですので、受け売りです。ウクライナ人は1人知っていますが、残念ながら男性です。スラブ系で言語的には東スラブ族(ロシア人、ウクライナ人、白ロシア人〔ベラルーシ人〕)。ウクライナではタタール系(チンギスハン率いるモンゴル系の血筋)などの諸民族との混血が進んだために美人(エキゾチック)が多くなったという説もある。、最近では多くのファッション・モデル人材も輩出する国。当然ですが、バイアグラもエキゾチック&セクシー美女集団。では、ころころ変わってきたメンバーの紹介も兼ねて、彼女たちのアルバムを紹介します。

先ず最初は、2002年7月15日にSony Music Entertainment (Russia)からリリースされた『Attempt No.5』。表ジャケの二人は、左がナージャ(Nadya)で右がアレーナ(Alena)〔アリョーナとの表記がライナーノーツではされています〕。この二人は、オリジナル・メンバーと思われ、シングル『Attempt No.5』(2000年)でデビュー。ウクライナのBIZ-TVで2000年9月3日にこのプロモ・ヴィデオ(PV)が放映されるや、ウクライナはもとよりロシアでもブレイク始めます。タトゥーと同じく、PVが重要な引き金となっています。

このPVはそれほど仕掛けはありませんが、右肩にタトゥーをした金髪のアレーナが花嫁衣裳で、ナージャはイエローキャブ即合格と言えるセクシーなコスチュームで踊ります。スラブ特有の哀愁の泣きの入るメロディー。「ボンバ」と歌っている「Bomb」はロック風ダンス・ナンバーで、同じくPVが製作されたアップテンポだけど泣きが入る「Embrace Me」、レザーが眩しい「I Won't Come Back」ともに同じコンビで歌っています。

2002年の春にメンバーが大きく入れ替わります。ナージャが妊娠し、脱退。子持ちなんて信じがたい。そして、イエローキャブ系の二人・・・アーニャ(Anya)とターニャ(Tanya)が加入しトリオとなる。裏ジャケから推測するに、アーニャ(左)、アレーナ(中)、ターニャ(右)です。この3人で、ちょっとアダルト指定な「Stop! Stop! Stop!」のPVが製作されています。バナナやソフトクリームにモザイクがかかります。

Disc 1:
01. Spell
02. Attempt No.5
03. I Won't Come Back
04. Meet My Mum
05. What Have I Done?
06. Bomb
07. Let Me Go
08. Now Or Never
09. Embrace Me
10. Thanks For The Summer
11. Every day
[CD Extra]
01. Attempt No. 5 (PV)
02. Bomb (PV)
03. Embrace Me (PV)

Disc 2:
01. Stop! Stop! Stop!
02. Stop! Stop! Stop! (disco house mix by YaD)
03. Stop! Stop! Stop! (latino mix by YaD)
04. I Won't Come Back (disco space mix by YaD)
05. I Won't Come Back (disco acid drum mix by YaD)
[CD Extra]
01. I Won't Come Back (PV)
02. Stop! Stop! Stop! (PV)

今回、9月18日に日本盤がリリースとなった『Stop Stop Stop~愛の罠』。これは、タトゥーでもあったように英語版のトラックにオリジナルのロシア語版、そして「Kill My Girlfriend」を日本語で歌った「愛の罠」を収録した日本向け編集盤です。即席にしては、ちゃんと日本語歌唱が出来ています。このエロな日本語詞は潮吹ジュン(風吹ジュンではなく)という人がしていますが、ペンネームにしても凄い名前だと絶句しました。英語版を作るところに世界進出の野望が見えます。タトゥーがあそこまで日本で受けたいい意味での余波かもしません。7月22日の「めざましテレビ」では「“バイアグラ”日本語で熱唱 」のキャプションで「愛の罠」の録音について放映されました。

このCDに収録されている(曲だけ)「Good Morning, Papa!」は、「Bomb」の延長上にあるハードロック風ですが、ここでメンバーがさらに入れ替わっています。先ずは、出産を終えたナージャが復帰。そして、ターニャはPVには一部登場しているが、ステージ・シーンから消える。この時点では、アーニャ、アレーナ、ナージャ、ターニャ(途中で脱退?)。公式サイトで見れますが、PVでは、バイアグラが血まみれの凶暴な暴力集団に化します。

そして、話題の「Don't Leave Me, Darlin'」は、バラードなんですが、PVではバレエのシーンに混じって、脈絡が不明なSMチックなシーンを披露。ここで、センター格だったアレーナが同じブロンド系のヴェーラ(Vera)に入れ替わり、ジャケの3人・・・ナージャ(左)、ヴェーラ(中)、アーニャ(右)からなる現在のラインナップとなる。ちなみに僕は、現在のラインナップが一番充実していると感じる。アレーナなソロを目指しているようです。

TVミュージカル「シンデレラ」からの「Kill My Girlfriend」では、コミカルなPVを製作し、二人のおばさんが「LOVEマシーン」のような「ヒュー・ヒュー」掛け声をしてくれます。また、現在のラインナップで「Stop! Stop! Stop!」のPVは取り直しがされています。

Disc 1:
01. Stop! Stop! Stop!
02. I Misunderstood
03. Don't Leave Me, Darlin'
04. Kill My Girlfriend
05. Good Morning, Papa!
06. What Have I Done ?
07. Embrace Me
08. Thanks For The Summer
09. Stop! Stop! Stop! (ロシア語版)
10. I Misunderstood (ロシア語版)
11. Don't Leave Me, Darlin' (ロシア語版)
12. Kill My Girlfriend (ロシア語版)
13. Good Morning, Papa! (ロシア語版)
14. 愛の罠(日本語版)
15. Hold Me Closer (Remix)

Disc 2(DVD):
01. Stop! Stop! Stop!(PV)
02. Don't Leave Me, Darlin' (PV)


タトゥーと比較されたりする、同じスラブ系の挑発的なPVを打ち出すバイアグラですが、相似形ではない・・・というのが僕の意見です。バイアグラは、ウクライナ版イエローキャブとも言えるフェロモン系で、いい意味でも悪い意味でも芸能的です。サウンド的には、ウクラニアン・ディスコ歌謡(ウクラニアの民族的なエッセンスを取り込んだディスコ的歌謡曲)とでも言っておきます。これから旧ソ連や東ヨーロッパから生まれてくる変種ポップに期待したいと思います。ちなみに、現在公式リリースはありませんが、その動向を注目しているのが、ロシアのМИН-НЕТです。クラシックなどもモチーフにしたヒップポップ(ホップじゃなくて)・トリオ。また、特集したいと思います。

ウクライナみたいな。(ウクライナのポップを紹介)
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