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マドンナ以外にも80年代ヒット曲のリメイクは量産されており、現在のトレンドと言えます。「リメイク」という言葉をつかっているのは、カヴァーだけでなく、リミックスそして元ネタとして使われている場合もあるからです。リメイク曲と共にリメイクされたアーティストの足跡をたどって行きましょう。

コーリー・ハートは、カナダを代表するシンガー。デビュー・アルバム『First Offence』(1983年)に収録の『Sunglasses At Night』で一世を風靡しました。彼のイメージは少しソウルフルなAOR系ポップという感じなのですが、この『Sunglasses At Night』は、キム・カーンズの『Bette Davis Eyes』と並んでシンセが多用されたニューウェイヴ時代の落とし子的作品とも言えるでしょう。

同じカナダのモントリオール出身のDJであるTigaがZyntheriusと組んで生まれたのが、このシングル『Sunglasses At Night』(2001年)です。元々素質があった曲ですが、さらに80年代的エレクトロポップとしてダンサブルに再生させた名リメイク。エレクトロクラッシュ!

ブラス・ロック・バンドとして1969年にデビューしたシカゴの最盛期は、全米1位に輝いた『素直になれなくて』に代表される80年代。ジャケは、ベスト・アルバム『The Very Best Of Chicago』(2002年)です。実は、これをプロデュースしたデヴィッド・フォスターをAirplay時代から僕は好きだったのです。僕の事をAOR系なんか聴かない奴だと思っておられる方もおられるかも知れませんが、デヴィッド・フォスターは別格だと思います。あまりにも巧みなサウンド・プロダクションには魅せられました。いいAORもあれば、悪いAORもある。

ドイツのAquagenのシングル『素直になれなくて』(2002年)です。カヴァーというより、ピーター・セテラのヴォーカルをそのまま使っているトランス・リメイクです。AORとトランスと言うのは、意外と近い距離にあるのかもしれないと思わせてくれる目から鱗的作品です。

調べてみると、Aquagenの前にスイス出身のDJ BOBOが2001年に『素直になれなくて』のリメイクをしていました。彼のプロフィールを見てみると、好きなシンガーはフィル・コリンズ、好きなバンドはバックストリート・ボーイズとN-Syncとあり、庶民的なDJのようです。

Kool & The Gangは、元々はジャズ・バンドで後にファンクそして80年代のチャートをディスコ・ポップ・サウンドで席捲しました。ジャケ写は、1979~1987年のヒット曲を集めたアルバム『Celebration』(1994年)です。Kool & The Gangの曲はおめでたいのが多いので、結婚式の披露宴にオススメです。

さて、先ほどの庶民派DJ BOBOもカヴァーしていますしており、アルバム『Celebration』(2002年)をリリースしています。

僕がマイク・オールドフィールドで思い出すのは、ヴァージン・レコードの最初のヒット作として知られる『Tubular Bells』ではなく、この『Moonlight Shadow』です。アルバム『Crises』(1983年)に収録されている。Maggie Reillyというスコットランドの歌姫のヴォーカルをフィーチャリングした永遠の名曲です。

Groove Coverageという如何にもカヴァー・プロジェクト・ユニットという名前で、『Moonlight Shadow』(2002年)がトランス仕様でリリースされています。ドイツのDJ-Novusという人の変名プロジェクトです。

ツーリストというエレクトロ・モダンポップ・バンドにいたアニー・レノックスとデイヴ・スチュワートが二人で結成したユーリズミックスのセカンド・アルバム『Sweet Dreams』(1983年)です。ツーリストは、ベイ・シティー・ローラーズもカヴァーしたダスティー・スプリングフィールドの『I Only Want to Be with You』をカヴァーしていました(実は、ベイ・シティー・ローラーズのオリジナルだと勘違いしていた)。タイトル曲でもある『Sweet Dreams』でブレイクした。

ドイツのDJ、Alex Butcherのトランス・カヴァー『Sweet Dreams』(2002年)です。

ユーリズミックスのアルバム『Be Yourself Tonight』(1985年)に収録された『There Must Be An Angel』のハーモニカを吹いているのは、スティーヴィー・ワンダーです。アニーのソウルフルなヴォーカルが冴えています。しかしながら、10年ぶりに再結成したアルバム『Peace』(1999年)では昔の化学反応は起きなかった。

ドイツの5人組セクシー系お姐さんグループ、No Angelsによるカヴァー・シングル『There Must Be An Angel』(2001年)です。他にも、The Leningrad Cowboys、Sampled、Utah Saintsなどもカヴァーしている人気曲。

ソウル・テイストのある井手麻理子がカヴァーした『There Must Be An Angel』(1999年)は、ドラマ「危険な関係」で使われ、小ヒットしました。

珍しいところでは、ヴァイオリン奏者の川井郁子が雅楽界の貴公子、東儀秀樹とクラシック・カヴァーしたシングル『There Must Be An Angel』(2001年)です。リプトンのCMにも使われました。他にも日本のアーティストでは、TinaやFantastic Plastic Machineもカヴァーしています。

ブリティッシュ・インヴェージョンを代表するヒューマン・リーグが放ったエレクトロポップの代表アルバム『Dare!』(1982年)です。このシリーズで次回活躍予定のサトルさんに教えてもらったのですが、このアルバムは「21st Anniversary Edition featuring Love And Dancing」として、リマスター&特殊ジャケ(ブックレット型ジャケ)で再発されました。内容は、そのまま『Dare!』+『Love And Dancing (The League Unlimited Orchestra)』がデジタル・リマスターされて1枚に収められています。下世話と言われようが、これが当時の空気なんです。『Don't You Want Me』が大ヒット!

11月にはイギリスで1977年から1979年の第1期実験時代ヒューマン・リーグのレア・トラックを収録した『Golden Hour of the Future』(2002年)がリリース予定です。ヒューマン・リーグの前駆体、The Futureのトラックも収録。

スウェーデンのAlcazarという男1女2のグループによるカヴァー・シングル『Don't You Want Me』(2002年)です。スウェーデンだけあってABBAをルーツしたようなディスコ・ポップです。第2期のヒューマン・リーグはエレクトリックABBAと呼ばれていたから、いかにもの選択です。

ソフト・セルのデビュー・アルバム『Non-Stop Erotic Cabaret』(1991年)は、ゲイ・カルチャーとエレクトロポップの怪しい交差点。一時は、テクノに傾倒したデイヴ・ボールの方が評価されていましたが、マーク・アーモンドは再評価され、エレクトロクラッシュ系、トランス系のアーティストにも人気があります。『Tainted Love(汚れなき愛)』は、彼らの代表曲。また、復活したソフト・セルは、新作『Cruelty Without Beauty』を9月にリリースしました。

Club 69のリミックスを収録したソフト・セル vs. Club 69のシングル『Tainted Love』(1999年)なんかもあります。Club 69は、ヴィエナつまりウィーンのDJ。

マリリン・マンソンもヘヴィーでゴシックなカヴァー・シングル『Tainted Love』(2002年)をリリースしています。ヴァージョン違いシングルもあるので注意。プロモ・ヴィデオには、ゴシック美女が登場。

【関連リンク】
『マドンナ・リメイク大会』
『80年代オムニバス・ブーム!』
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