セクシーな挑発というのも、立派なマーケティングです。特に音楽業界では、放送禁止、ジャケ差し替えなど自体が、そのレコードの認知度を高める手段ともなる。保守派の反応を予測した確信犯であることも多いと思うのは考えすぎか?

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セクシー・ジャケを巧みに利用したグループと言えば、オハイオ・プレイヤーズとロキシー・ミュージック。デビュー・アルバム『Roxy Music』(1972年)は、グラムロックからモダンポップへの架け橋となる。

セカンド・アルバム『For Your Pleasure』(1973年)では、アマンダ・レアを起用した。話題作りに狡猾です。ブライアン・フェリーと元阪神タイガース村山監督が似ていると思っているのは、僕だけではないはず。

アマンダ・レアというのは、中華風テクノ・ディスコ『Queen Of Chinatown』のヒットを飛ばしたニューハーフ・シンガーです。アルバム『Amanda'98』(1998年)には、この曲のリメイクや他のリミックスが収録されています。アマンダのシングルにはもっとセクシーなのがあります(持っていません)。

ブライアン・イーノが脱退して、ブライアン・フェリーのダンディズム色に染まったサード・アルバム『Stranded』(1973年)です。マリリン・コールというモデルさんです。さらにセクシー度アップ。余談ですが、スウェーデンにStrandedというニューウェイヴ系レーベルがあります。

セクシー・ジャケの金字塔と呼ばれるアルバム『Country Life』(1974年)です。モデルは、エヴァリン・シーリング(左)と彼女の恋人の妹であるコンスタンス・ランタマン(右)。コンスタンスはニューハーフというデマも流れました。この手のものに対して保守的なアメリカでは、バックの森だけのジャケになった時期もある。

活動休止前の最後のアルバム『Siren』(1975年)では、当時フェリーの恋人だったスーパーモデル元祖、ジェリー・ホールを起用。後にホールは、ミック・ジャガーの妻となるが、離婚。

策士マルコム・マクラーレンの仕業です。Roxy Musicの『Country Life』の話題と成功が頭にあったのでは? ジャングルビートで連打したBow Wow Wowのアルバム『See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang, Yeah! City All Over! Go Ape Crazy! (ジャングルでファンファンファン)』(1981年)のオリジナル・ジャケです。フランス印象派のマネの『草上の昼食』の真似なんですが、よくこんなそっくりな背景場面を探せたものです。

こちらは、『See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang, Yeah! City All Over! Go Ape Crazy!』の現在のアメリカ盤ジャケです。オリジナルは未だにアメリカでは解禁されていないのでしょうか? 発売当時もこれと違う別のジャケでした。

カーズは、アメリカ(ボストン)のバンドの割にはサウンドだけでなくヴィジュアルにも長けていました。アンディー・ウォーホール監督のプロモ・ヴィデオとか。アルバム『Candy-O(キャンディー・オーに捧ぐ)』(1979年)では、ピンナップ画家のアルベルト・バルガスを起用。

同じくアメリカ(ロサンジェルス)のベルリンです。ベルリンというと、どうしても映画『トップガン』からの大ヒット曲『愛は吐息のように』のイメージが先行してしまいます。テリー・ナンがセクシー&ビッチな声で歌う過激な歌詞の『SEX (I'm a...)』などが収録されているアルバム『Pleasure Victim』(1982年)とかの方が、ベルリンの本質でないかと思います。

ビターさんにジャケ写を提供してもらったKaren Finleyの『Tales Of Taboo』(1986年)という12インチ・シングルです。彼女は、ニューヨーク出身の過激なパフォーマンス・アーティストです。セクシーというより裸婦アートですね。

アートと言えば、ヒプノシス。ヒプノシス制作のゴドレイ&クレームの『Freeze Frame』(1979年)です。牛になった二人。

『ダフトに続けフレンチ・タッチ』特集で紹介しました、『FILTERED; The Best Of Filtered Dance』(2001年)です。これは、中ジャケがポイントですね。

ポーズ的にはピチカート・ファイヴの『女王陛下のピチカート・ファイヴ』(1989年)も横からのうつ伏せショット。

最近、再結成が報告されたソフバことソフトバレエの森岡賢の『JAPANESE』(1999年)。とても不自然で人間業とは思えません。水面下がどうなっているのか気になる。ソフバの新譜『symbiont』は10月23日に発売。

タイトルもジャケも意味深なジャーヴィス・コッカー率いるパルプのアルバム『This Is Hardcore』(1998年)。New Orderなどのジャケで有名なピーター・サヴィルが、アート・ディレクターです。イギリス人らしい皮肉の産物なのか、マジなのか?

ジャーマンロックの継承者的エレクトロニカ、Mouse On Marsのデビュー・アルバム『Vulvaland』(1994年)。深い意味はなさそうだけど。

グラムの系譜上のブリットポップとしてアイドル的人気も備えたスウェードのデビュー・アルバム『suede』(1993年)は、倒錯愛がテーマ。

こちらは、女同士。トレヴァー・ホーンが、タトゥーのシングル『Я сошла с ума』(2000年)の英語版『All The Things She Said』をプロデュースして、世界デビュー進行中。

セクシー・ジャケと聞いて、即座にこのアルバムはプリンス・ファンのvincekeさんの頭に浮かんだ(ちょっと誇張)。プリンスの『Lovesexy』(1988年)です。

もう一つ、男性ヌードです。Dead Or Aliveのその名も『nude』(1989年)! 何故か、プリンスもDead Or Aliveもバックは花。もともとはポジパンっぽかったDead Or Aliveですが、ユーロビートの代名詞に。

最後は、ハンマービートの父、DAF (Deutsch Amerikanische Freundschaft)のセカンド・アルバム『Alles Ist Gut』で締めくくり。男の汗、肉体派ガビちゃん。

まだまだ、行きますセクシー♥ジャケ!

【関連リンク】
『セクシー♥ジャケ展 1⇒22』
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