フカキョンこと深田恭子特集です。アイドルとしてのフカキョンについては、あまり知りませんが、ぎこちないおっとりした不思議系女優といった感じ。1996年の第21回ホリプロのタレント・スカウト・キャラバン・グランプリがデビューのきっかけだそうです。プロフィールを調べてみると、「サイズ:T:163cm S:26cm」とあります。Sは、靴のサイズですね。普通、靴のサイズって書きませんよね。「私の足はデカイ」と自慢しているのでしょうか。矢口真里が日本全国の短身(⇔長身)少女の希望の星となったように、フカキョンは日本全国の大足少女の希望の星なんです。

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普段あまりFMラジオを聴いているわけではありませんが、たまたまカーステでFMを聴いていたのが、1999年の5月。FMラジオから流れてくる、えらくエレポップなイントロ。ペット・ショップ・ボーイズがプロデュースしたカイリー・ミノーグの新作かと思いましたが、実はフカキョンのデビュー・シングル『最後の果実』(オリコン4位)でした。

あまりTVを見ない僕でも、フカキョンくらいは知っていましたが、「侮れないフカキョン」と胸に刻む事となりました。トミフェブより早かった80年代リヴァイヴァル先駆けです。初回限定盤のジャケは、ゴスっぽくてアイドルとしては冒険していて、好感度大。

その後、なにをさんという方からメールを頂く。この『最後の果実』とaikoのシングル『あした』(写真のデビュー・アルバム『小さな丸い好日』にも収録)は、そっくりだとの報告。『あした』は、aikoが小森田実をプロデューサー(作曲・編曲も)に迎えて、1998年7月にメジャー・デビューを果たした曲で、映画『新生 トイレの花子さん』の主題歌でもあります。そして、『最後の果実』も小森田実が作曲・編曲でクレジットされています。

この2曲、歌詞は違い、メロディーも微妙に違うのですが、『あした』をたたき台として『最後の果実』を確信犯的に作ったと思われます。『最後の果実』の仮歌は、aikoが歌って、本番でもaikoがコーラスで参加しています。二人ともPony Canyonですし。『最後の果実』の方が、ヴォコーダーなんかも使っていて、エレクトロ感が高い。小森田実は、SMAP(『らいおんハート』『shake』)、Folderや森川美穂など手掛ける売れっ子J-POP職人ですが、ポプコン歌手でもあったそうです。

1999年のセカンド・シングル『イージーライダー』(オリコン6位)では、ちょっとファンキー・ディスコ調に模様替えして、楽曲の幅を感じさせましたが、その後にフカキョンは、『Dear…』という5曲入りピアノ・インスト・ミニアルバム(2曲はフカキョン作曲)をリリースするという暴挙に出ます。またまた、「侮れないフカキョン」。ミッジ・ユーロとボブ・ゲルドフ作曲の『Do They Know It's Christmas?』も収録。

椎名林檎仕事で脚光を浴びた亀田誠司編曲(ハルユキ作曲)のシングル『煌めきの瞬間』(オリコン16位)では、オルタナ歌謡へとベクトルが向います。フカキョンはどこへ行くんだ?
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そして、満を持してリリースされたファースト・フルアルバム『moon』(オリコン14位)。2000年のJ-POPベスト・アルバムです。前述のシングル曲に加え、レベルの高いかつ適度の実験性に富んだ楽曲が詰まっています。『永遠の一日』は、白井良明が編曲した裏ムーンライダーズ曲でもあります。

実験度の低いシングル『HOW?』(オリコン20位)はちょっと飛ばして、その次の『スイミング』(オリコン15位)は、『煌めきの瞬間』のコンビによる軽快なギター・ナンバー。なんだか埋もれちゃった曲なんですが、これは聴きなおしてみると、意外といい。『煌めきの瞬間』がこのプロダクション・チームの「陰」とすれば、こちらは「陽」。女の子の気持ちを代弁するこなかりゆの作詞にも注目。そうか、女の子は比べたらだめなんだと、再確認。

そして、フカキョンの次のベクトルは、写真の『キミノヒトミニコイシテル』(オリコン8位で久しぶりのベスト10入り)でreadymadeへと。ピチカート・ファイヴが解散しても、フカキョンがいれば大丈夫なんて言うのは、かなり言い過ぎですが、『考えるヒット5』にて近田春夫が「あまりにもピチカートっぽい?」と評したピコピコ系readymadeサウンドは個人的に好きです。後述の福富幸宏と最近『Mansfield Popp』をリリースしたMansfieldのリミックス曲も収録。

これらのシングル曲を含んで、さらに新たなベクトルで適度の実験をするフカキョンのセカンド・フルアルバム『Universe』(オリコン19位)は、2001年のJ-POPベスト・アルバムです。2年連続受賞です。1曲目は、シングルにも収録の『キミノヒトミニコイシテル』の福富幸宏によるリミックス。福富幸宏は、昔ポジパンからハウスに転向したバンド、ソドムに在籍していました。4曲目の『質問があるの』は、モー娘。仕事でも有名な元SPANK HAPPYの河野伸による編曲のもらい泣きしそうな珠玉のナンバー。河野伸は、『Universe (Strings Version)』『フィギュア』『People』でも大活躍。

7曲目の『アメリカン・ショートヘアー』は、元Shi-Shonenの福原まりが作曲・編曲した、クレプスキュールな曲。ラストは、電気工学士リミキサー、寺田創一による『Canon』のリミックス。オリジナルの『Canon』は、前述のフカキョン・ピアノソロ『Dear…』に収録されているクラシック・スタンダードですが、リミックスの技ありです。


そして、シングル『ルート246』は、深田恭子 & The Two Tones名義で、5月22日に発売。限定盤は、DVDも付いてくる。最初は、The Two Tonesというので、スペシャルズのようなスカに挑戦かと思ったのですが、ピチカート仕様の出だしはスパイっぽいエレキ歌謡というかネオGS歌謡。でも、コンセプトはモッズらしく、確かにフカキョンはスクーターに乗っています。2曲目はDJよしおによるリミックスで、フカキョンによる「よしおくんのバカ」声ネタ攻撃。ネオGSシーンをリードしたMINT SOUNDでYOUNG ODENとかWINK THE SERVICE名義での活動した小西康陽の技!

やっぱり「侮れないフカキョン」。

【関連リンク】
『実は、トミフェブ』
「テクノポップ」のガイドなのに、好評につき、私はJ-POPを歪んだ角度から研究します。
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