「兼高カオル 世界の旅」というTV番組(死ぬほど、古~い)がありましたが、音楽で世界を旅行するシリーズです。以前、「ロリータ歌姫~LIO」というClose Up!記事を「フランス通信~Part 1」として書いたのですが、これではシリーズにはなりそうもないので、こちらを「音楽世界旅行~Part 1」にシリーズ・タイトルを変更してのPart 2であります。

実のところ、Part 2では中国へ行くつもりでしたが、メロン記念日の現時点での最大のヒット曲となるであろう『さぁ!恋人になろう』が、あまりに素晴らしいので、アフリカのブルンジ共和国へ急遽、路線変更したわけです。

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さて、メロン記念日ですが、2000年2月にちょっとテクノ調の『甘いあなたの味』で、つんく♂ファミリーというかハロプロ系としてデビュー。モー娘。の妹分的位置付けで、「ハロモニ」にもバレリーナ戦隊として出てましたが、一番若い柴田あゆみが1984年生まれで、残り3人が1981~1982年ですから、現在のモー娘。より平均年齢高くなってる年上の妹分というちょっと嫌な存在です。

2枚目『告白記念日』、3枚目『電話待ってます』のシングルは、それほど注目を集める事もなく、「組」(メロンは組員ではないです。失礼しました。)や「祭」の仕事でしかテレビで見かけない状態でしたが、Close Up!記事「娘。になれなかった娘たち」でも紹介したクラシカル・ロケンロール歌謡『This is 運命』で、少なくとも一部マニアの注目を集めました。

その証拠に、この曲は、タンポポ、プッチモニ、松浦亜弥を抑えて、某B誌において、2001年度のレコード大賞に輝いています。つんく♂がいつもの様に作詞・作曲したと思っていたのですが、つんく♂&新堂敦士・作詞、新堂敦士・作曲、team 124・編曲となっており、つんく♂はサウンド面での貢献はないようです。

さて、シェキドルは知らないうちにハロプロ卒業をしてしまったようですが、メロン記念日は、つんく♂の全面的サポートがなくなったものの、モー娘。メンバーのレンタルもせず、独自の路線を確立しつつあるようです。今後のメロン記念日は、「つんく♂なしでハロプロは成り立つかどうか?」の試金石となるでしょう。
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5枚目となる『さぁ! 恋人になろう』は、『This is 運命』と同じ作詞・作曲コンビで鈴木Daichi秀行が編曲を担当。ここで気になるのが、作詞・作曲をした新堂敦士の存在。この人、元カメレオンというバンドのヴォーカリストで、ソロ及び楽曲提供(ワンギャル等)をしているみたいです。

『さぁ! 恋人になろう』は、ずばりジャングルビート歌謡。ここで言う、ジャングルビートとは、パチスロの名称ではありません。80年代に流行ったアフリカンでトライバルなドラミングとパーカッションを特徴としたニューウェイヴ・サウンドです。「連打! 連打! 連打!」という結構バカっぽい反復フレーズは、BOW WOW WOW風ジャングルビートの模範生。ちょっと浮いているリクルート・スーツ風の柴田の踊りもよろしい。

直接関係あるのかは分かりませんが、エルビスやローリング・ストーンズが影響を受けたロケンロールの元祖的存在として50年代に活躍したボ・ディドリーのリズミックなビートは、ジャングルビートと呼ばれました。90年代においても、ドラムン・ベースの原型的サウンドに対して、ジャングルビート(または、単にジャングル)と呼ばれました。

日本では小室プロジェクトのひとつである、H Jungle with tの『WOW WAR TONIGHT』が1995年に大ヒットした事を記憶されている人も多いかと思います。しつこいようですが、この3つのジャングルビートは、大雑把にジャングルっぽいですが、違うものとします。ここでは、あくまでも80年代のジャングルビートです。海外では、ブルンジビート(ブルンジ共和国はアフリカ中央の国)とも呼ばれたりします。

80年代の代表的なジャングルビート歌謡と言えば、沢田研二 with EXOTICSの『晴れのちBLUE BOY』(1983年)です。

沢田研二のニューウェイヴ化現象としては、『テクノポリス』にインスパイアされた『TOKIO』が有名ですが、僕としてはAdam & The Ants状態のこの曲を押します。格好ももろジャングル、歌の出だしも「青いシーツのジャングルで……」、「言いたいことはヤシの実の中」という意味不明の歌詞、ジャングル中のジャングルです。

B面の『出来心もセンチメンタル』もホーン・セクション中心のジャングル系です。代表的と言いましたが、実はこれ以外、ジャングルビート歌謡、思いつかない……。

さぁ! ここからがジャングルビートの本番です。続けて読もう!
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80年代ジャングルビートのルーツと言えば、前述のAdam & The Ants。

1977年にロンドンで結成されたAdam & The Antsは、一見詐欺師にしか見えない胡散臭いおっさんのようだが、実はSex Pistolsの仕掛け人としてもその嗅覚と戦略で敏腕を振るうMalcolm McLarenがマネージャーとなり、アパッチ・ルックとジャングルビートを武器にメジャー第一弾アルバム『Kings Of The Wild Frontier』(1980年)で、一躍時代の寵児となる。

グラム~ニューロマの変種としても位置付けられます。バンド解散後、1982年にAdam Antはソロとしても、『Goody Two Shoes』といったロカビリー調ジャングルビートのヒット曲を放つ。

そのMalcolm McLarenは、ドライクリーニング屋で働いていた当時弱冠14歳(1965年にビルマのラングーン、現在のミャンマーのヤンゴンで生まれる)のアナベラちゃんを発掘し、Adamから離反したThe Antsの3人のメンバーによるBOW WOW WOWのヴォーカリストとして迎え入れる。

1980年に世界初のカセット・シングル『C30, C60, C90 Go』をリリース。1981年にリリースされたそのジャケ(モネの絵がモチーフとなった)が物議をかもしたアルバムが、『See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang Yeah! City All Over, Go Ape Crazy(ジャングルでファン・ファン・ファン)』。当時配慮があったのか、アメリカ盤は、オリジナル・ジャケが使われませんでした。

今回の記事作成に多大なインスピレーションを与えてくれたヤマネ君から指摘があったのですが、同名タイトルの2作目アルバムに収録の『I Want Candy』あたりが、メロン記念日の『さぁ! 恋人になろう』のイメージ原型かと思われます。現在、BOW WOW WOWの日本盤CDで買えるのは、1999年に発売されたリミックス+再結成ライヴ・アルバム『Wild In The U.S.』のみです。

ちょっとジャングルビートのマイナー系も紹介します。Haysi Fantayzeeです。ジャケを見ると二人組に見えますが、Kate Garner、Jeremi Healy(DJ)と影の薄いPaul Caplinの3人組です。当時、流行っていたドレッド・ヘアーにボロ着ファッション。Kate Garnerは、現在ファッション系フォトグラファーとして活躍しているようです。

イギリス・チャートで16位となったデビュー・シングル『Shiny Shiny』(1983年)は、元Deaf SchoolのClive Langerによるプロデュースのジャングルビート。2000年に唯一のアルバム『Battle Hymns For Children Singing(子供たちの軍歌)』は、ボーナス・トラック7曲を追加して、Razor & Tieというレーベルから再発されています。

他にも『I Eat Cannibals』がマイナーヒットしたTotal Coeloというガール・バンドもジャングルビート系です。アフロっぽいとかカリビアンなニューウェイヴというのは、結構ありますが、この辺がジャングルビートのエッセンスでしょうかね。


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