今回は、海外でも評価が高まりつつある日本の元気なロックバンド、ketchup maniaを紹介しよう。昨年は2枚のアルバムを立て続けに発表、今年に入ってからも2月にシングルをリリース、3月にはアメリカツアーを敢行、そして6月には次のアルバムをリリース予定と、今まさにノリにノッているketchup mania。アメリカツアーを終え、凱旋帰国したばかりの彼らのライヴレポートもあわせてお届けする。

尖ったパンクサウンドとポップでキュートなセンスの絶妙なブレンド


USライヴ
へヴィでキュート、不思議な魅力を持つketchup mania
ketchup maniaは、名古屋出身の4人組ロックバンド。DAI(g)、YOSEI(b)、WANI(ds)の3人の男が作り出すパンキッシュでスピーディ、へヴィなサウンドに、ヴォーカルのHIROの女の子らしいキュートな歌声が乗る、ユニークな楽曲が注目を集めている。“単なるパンクバンドだと思ってもらってもまったくかまわない”と本人たちが言うとおり基盤は確かにパンク。でもサウンドにはハードロックやへヴィメタルの要素もあるし、HIROの歌うメロディはポップで、ときには日本の歌謡曲のノリも感じられるような親しみやすさがある。

バンドのサウンドは攻撃的なへヴィロック、そしてHIROのヴォーカルは女の子らしくかわいらしいポップソング。一見かけはなれているようなこの2つの要素が絶妙にブレンドされているから、サウンドは尖っているのに曲は聴きやすい。へヴィロックファンにもガールポップファンにもアピールする魅力もある。これまでCMやTV番組のテーマソングに数多くの曲が使われてきたのも、そのあたりに理由があるのだろう。

アルバムやシングルのリリースのペースがとても速いのも彼らの特徴だ。2005年のデビュー時には、3か月連続でシングル2枚とアルバムをリリース、トイズファクトリーに移籍後も、3か月で2枚のアルバムをリリースするなど、そのサウンド同様にたたみかけるように次々と作品を発表してきた。

『U・R・G・E』
2007年発表、初心に戻った荒々しさが魅力の『U・R・G・E』のコンセプトは“初期衝動”だという
その中でも転機になったアルバムが『U・R・G・E』だろう。それまで“けちゃっぷmania”と平仮名表記だったバンド名を現在の英語表記に変え、バンドを始めた頃の初心に戻って曲作りをしたというアルバムだ。サウンド面では生楽器とアナログの機材にこだわり、図太く力強い音作りをしていて、よりエネルギッシュなパワーが伝わってくる。主にHIROが手がける歌詞も、それまでは歌う世界も選ぶ言葉も女の子らしい可愛い歌詞の世界だったのだが、このアルバムでは少し大人っぽい世界を表現することにも挑戦していて、とても意欲が感じられる作品に仕上がっている。そして、彼らの持ち味であるスピード感にも磨きがかかっていて、スピーディでスリリングだ。遅い曲どころかミディアムテンポの曲すらないし、どの曲にもソロらしいソロもない。とにかく速いテンポで突っ走り、荒々しい疾走感に満ちている。

『L・O・V・E』
幅が広がり、急成長を感じさせる『L・O・V・E』
『L・O・V・E』はそれからわずか3ヶ月という短い間隔で発表されたアルバム。自分たちの可能性を広げるために、曲作りにもサウンド作りにも新たな試みをいくつも取り入れたというが、決して散漫な印象はない。“不得意だ”と言っていたミディアムテンポにも挑戦し、速いだけがketchup maniaサウンドではないことを堂々と証明している。とにかく全体的に格段に幅が広がっていて、とても短い期間で作り上げたとは思えないほど成長を感じさせる作品だ。

彼らはもちろんライヴも積極的に行ってきていて、すでにアメリカにも進出している。昨年はテキサスで開かれたアニメイベントのA-KONに出演、今年はアメリカのレーベルが集結するショーケースのイベント、SXSW(サウスバイサウスウェスト)のJAPAN NITEからスタートし、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなどを回るSXSWの全米ツアーも成功させた。そして帰国後は、“BAD!BAD!GIG!”ツアーで、国内のファンにも成長した姿を見せてくれた。