YAMAHAからも対応のリニアPCMレコーダーが登場

POCKETRAK CX
YAMAHAから発表されたリニアPCMレコーダー、POCKETRAK CX
Roland、SONY、TASCAM、ZOOM、M-AudioそしてOLYMPUSと各メーカーからリニアPCMレコーダーが発売され、異様なまでにこの分野が盛り上がってきています。各楽器メーカーがこぞって出しているのに、なぜ、YAMAHAだけが……という思いがありましたが、6月20日、ついに記者発表会が開催され、YAMAHA製品が登場しました。

発表されたのは
   POCKETRAK CX
という非常にコンパクトな黒いボディーのレコーダーです。


POCKETRAK CX
POCKETRAK CXと同時に発表されたSteinbergのフィジカルコントローラ、CC121
実はこの日、YAMAHAからはこの「POCKETRAK CX」だけでなく、Steinbergのフィジカルコントローラ「CC121」、オーディオインターフェイスの「MR816csx」と「MR816x」、さらに先日紹介した「KX25」の88鍵盤タイプである「KX8」、また小型のUSBオーディオインターフェイス兼ミキサーの「AUDIOGRAM6」、「AUDIOGRAM3」とDTM・デジタルレコーディング分野での製品が数多く発表されたのです。

これらに関しては、AV Watchの「藤本健のDigital Audio Laboratory 第331回:ヤマハがPCMレコーダやUSBオーディオなどを発表」でレポートしているので、そちらを参照してもらうとして、ここではPOCKETRAK CXに話を絞って紹介しましょう。


非常にコンパクトではあるが、対応は16bit/48kHzまで

最初に一目見て感じるのは、ほかのリニアPCMレコーダーとして非常に小さいということ。たとえば、いま一番売れていると思われるRolandのR-09HRが174gであるのに対して、POCKETRAK CXは電池込みで約92g。重さにして約半分で、見かけ上はもっと小さく感じるほどです。これなら、常に持ち歩いていてもまったく苦はないでしょう。

もっともスペック的にいうと、既存のリニアPCMレコーダーと比較するとやや劣るのも事実。いま、多くの機種が24bit/96kHzに対応しているのに対して、POCKETRAK CXは16bit/48kHzまでの対応だからです。このことをどう見るかは、人それぞれでしょう。やはり24bit/96kHzがいいという人もいれば、16bit/48kHzならCDより上のクォリティーだから、十分という人も多いはず。もちろんCDと同じ16bit/44.1kHzにも対応しているほか、直接MP3でレコーディングすることもできるようになっています。

メディアはmicroSD、90°X-Yマイクを搭載

POCKETRAK CX
90度に向かい合うX-Y型のマイクを搭載
見かけ上、特徴的なのは、やはりマイク部分です。SONYやZOOMなどが採用しているのとちょっと似た90度に向かい合うX-Y型のマイクを搭載しています。これによって近い音でも、ステレオ感がハッキリ出ます。また左右の音を広範囲にカバーした上で、奥行き・定位感に優れた自然なステレオ録音を実現しているとのことです。

このマイクもむき出しな状態だと、破損する危険性がありますが、ここにはアルミダイキャストマイクガードが装備されているので、堅牢性という面でもよくできています。

一方、採用している記録メディアはmicroSD。多くの機種がSDを採用している中、やはりコンパクトさを打ち出すためからか、microSDとなっているようです。あらかじめ2GBのメディアが添付されているので、すぐ使うことができますが、microSDも最近はSDとの価格差がほぼなくなっているので、交換メディアもかなり安価に入手できるはずです。


単3のエネループで約50時間の録音が可能

メディアとともに気になるのがバッテリーですが、POCKETRAK CXで採用されているのは単3電池です。単3電池なら、電池切れしても、すぐに交換できるのでとても便利ですが、そもそも電池切れの心配もほとんどなさそうなのがPOCKETRAK CXの大きな魅力でもあります。

まず単3電池も1本だけで駆動するというのが、すごいところ。さらに、MP3での録音の場合、アルカリ単3電池で約50時間もの連続録音ができるというスタミナ。これは現行のリニアPCMレコーダーの中で最長といってよさそうです。また16bit/44.1kHzまたは16bit/48kHzのリニアPCMレコーディングの場合でもアルカリ電池で22時間30分の持続性を持っています。

ちなみに、POCKETRAK CXには三洋電機のニッケル水素充電池、エネループが1本付属しており、これを使った場合はMP3で約40時間、リニアPCMで約22時間の連続録音ができるとのことです。

実は三洋電機のICR-PS1000Mとほぼ同型

ICR-PS1000M
POCKETRAK CXは基本的には三洋電機のICR-PS1000Mと同等だが、チューニングや添付品は異なる
ところで、このPOCKETRAK CXを見て、おや?と思った方もいるかもしれません。そう、三洋電機が4月に発表した「ICR-PS1000M」と見た目がソックリなのです。
よく調べてみてもサイズもスペックも同じ。違うのは、ICR-PS1000Mには指紋認証などもできるタッチコントロールセンサーが搭載されているのに対して、POCKETRAK CXにはないことくらいです。

YAMAHAの担当者に聞いてみたところ、確かに三洋電機からの供給を受けているそうですが、かといってまったく同じものというわけではなさそうです。まずはバンドルされているものに違いがあります。具体的には前述の2GBのmicroSD、ウィンドスクリーン、そして三脚穴をマイクスタンドに取り付けるためのアダプターも標準で添付されています。

もともと三洋電機のICR-PS1000MにはYAMAHAがチューニングしたイコライザなどが搭載されているとともに、音作りの面でYAMAHAが協力していたのですが、POCKETRAK CXではさらに音楽用にイコライザ、リミッタをチューニングしているとともに、入力音量設定部分でもより使いやすいように改良が加えられています。

ちなみに実売価格でいうと、これら添付品が多くあることからPOCKETRAK CXのほうが高くなるようです。


Cubase AI4を標準でバンドル

POCKETRAK CX
POCKETRAK CXにはCubase AI4がバンドルされている
添付品として、もうひとつ用意されているのがCubase AI4です。これを利用することで、POCKETRAK CXをよりDTM・デジタルレコーディングの用途で活用できるというわけです。

Cubase AI4については、以前にもいろいろと紹介しているので、「Cubase AI4って何だ?」を参照してもらうとして、ここでは詳しく触れませんが、POCKETRAK CXでWAVファイル録音したものをCubase AI4のトラックにインポートすることができます。その上で、さまざまな編集作業ができるし、ほかの楽器素材などとミックスしていくのもいいでしょう。

このようにして作りこんだ結果をミックスダウンしてCDに焼くといった使い方も可能なので、リニアPCMレコーダーでの楽しみ方がさらに広がるはずです。

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