久々に登場したYAMAHAのDTM用キーボード

USB KEYBOARD STUDIO KX25
YAMAHAから登場したUSB KEYBOARD STUDIO KX25

各メーカーからUSB-MIDIキーボードが発売されている中、MOTIFなどのシンセサイザキーボードを除くと唯一出していなかったのがYAMAHAです。振り返ってみると、DTM専用のMIDIキーボードとしては1998年に発売されたCBX-K2というモデルが最後でした。

そのYAMAHAが満を持して発表したのが
   USB KEYBOARD STUDIO
というタイトルの3製品です。具体的には
   KX25、KX49、KX61
という3つの型番で、その名称からもわかるとおり、KX25が25鍵盤、KX49が49鍵盤、KX61が61鍵盤となっています。発売は3月1日の予定で、すべてオープン価格ですが実売価格的にはKX25が29,800円、KX49が34,800円、そしてKX61が39,800円とのことですから、他社製品と比較しても無難な設定となっています。

しかし、このKXシリーズは後発なだけに、他社製品にはない強力な機能を多数装備しているのです。そうした機能について見ていきましょう。


37個のボタンと4つのノブでCubaseをコントロール


今回、YAMAHAから一番小さいKX25を借りて使ったのですが、製品を見て最初に目につくのがボタン類の多さです。数えてみると37個。また、左上には4つのノブがあります。また、その中央にはLCDのディスプレイがあるのですが、これらはまさにPC/Mac側のDAWをコントロールするための操作子となっているのです。

Cubase AI4
USB KEYBOARD STUDIOにはSteinbergのDAW、Cubase AI4がバンドルされる
一応対応DAWとしてはLogicPro、Digital Performer、SONARというモードがありますが、やはりベストマッチはなんといってもCubaseです。正確には
   Cubase4
   Cubase Studio4
   Cubase AI4
の3つとジャストフィットするように設計されており、Cubase AI4がこのKXシリーズにバンドルされているので、これからDTMをはじめるという人でもすぐに使えるDTMセットとなっているわけです。

ただし、このKXシリーズにはオーディオインターフェイス機能は搭載されていないので、これは別途入手する必要があります。

トランスポートやトラック操作はボタンで一発


USB KEYBOARD STUDIO
右側にはトランスポート関連のボタンやミュート、ソロ設定をつかさどるボタンがある
さて、いろいろあるボタン類の中で右側にあるのが、Cubaseをコントロールするためのものとなっているようです。

具体的には、まずはトランスポートボタン。再生、ストップ、録音、ループ、早送り、巻戻しなどの操作がマウスを使わず直接できるのは、やはり便利です。

またトラックのカーソル位置をカーソルボタンで移動できるとともに、ミュート、ソロボタンでの操作が可能です。また、「ASSAIGN1」、「ASSAING2」というボタンがあり、ここにはそれぞれMIDIのクォンタイズコマンド、Deleteコマンドが割り当てられています。さらに、「CUBASE FUNCTION A」、「CUBASE FANCTION B」というボタンもあり、ここにはそれぞれリストエディターウィンドウの表示、ミキサーウィンドウの表示が割り当てられています。


USB KEYBOARD STUDIO
「ADD INSTRUMENT TRACK」、「VSTi WINDOW」という2つのボタンが強力な武器
そして、やはりキーボードであるだけに、かなり便利に使えるのが「ADD INSTRUMENT TRACK」、「VSTi WINDOW」という2つのボタンです。

そう、「ADD INSTRUMENT TRACK」のボタンを押すと、Cubase側では「プロジェクト」メニューから「トラックの追加」-「インストゥルメント」を選んだのと同様の操作ができるようになっており、すぐにソフトシンセを追加することが可能になります。ただし、ソフトシンセの選択自体は、マウス操作が必要になるのでKXシリーズ側だけで完結するわけではないのですが……。

一方、「VSTi WINDOW」を押すと、現在選択中のトラックに組み込まれているソフトシンセの画面が表示されてきます。実はこれがまたうまくできているのです。

29種類のVSTiに自動対応してパラメータ変更できる


USB KEYBOARD STUDIO
4つのノブを用いて、ソフトシンセの各パラメーターをコントロールする
表示させたVSTインストゥルメントのパラメータをKXの左上にある4つのノブを使ってコントロールすることができるのです。

このノブにはCUTOFF、RESONANCE、PAN、LEVELと書かれていますが、これが各パラメータに割り振られているわけです。また、その下の切り替えスイッチを押すと、別のパラメータに割り振られるため、計8つのパラメータをコントロールできるということになります。

ここで普通、問題になるのは、各ソフトシンセのどのパラメータに、どのノブを割り当てるか、そしてその割り当て作業をどうするか。またソフトシンセを切り替えた際、どのように切り替えるか、ということです。


USB KEYBOARD STUDIO
HALionOneなどを自動認識し、各ノブが何の役割をするかが表示される
しかしKXシリーズにおいては、そうした心配は不要です。CubaseAI4搭載のHALionOneはもちろん、Cubase4搭載のMystic、Prologueなどだけでなく、Native InsturmentsのPro-53やFM8、KORGのWAVESTATIONやM1、ArturiaのAnalogFactoryやJupiter-8V、IK MultimediaのSampleTank2など主要ソフトシンセ29種類に対応しており、Cubase側でVSTiを呼び出してアクティブ画面になると、自動的にKXシリーズが反応して、各ノブがそのソフトシンセに対応してくれるのです。

テンポ同期も可能なアルペジオ機能を搭載


こうしたCubase対応の機能とは別に、KXシリーズの本体そのものが持っているユニークな機能がアルペジオ機能です。

アルペジオ機能とは、ひとつのキーを押すだけでアルペジオフレーズを弾いてくれるという機能ですが、KXシリーズにはドラムやベース、オルガン、ギターなど13カテゴリー、計342種類のアルペジオが内蔵されているので、それらを切り替えることで、さまざまなアルペジオ演奏が可能になります。

結構便利なのがドラムで、指一本で、さまざまなドラムフレーズを演奏してくれます。

ここでポイントとなるのがテンポです。設定されたテンポにしたがってアルペジオ演奏されるわけですが、KX内蔵のクロックでテンポを設定できるほか、Cubase側に同期することが可能となっています。つまり、テンポ同期させた場合、Cubaseのテンポにしたがって演奏でき、それをレコーディングすることも可能なのです。

また必要があれば、そのアルペジオパターンのエディットも可能なので、かなりさまざまな応用ができそうです。

VST 3rd Party MEGA PACKがバンドル!?


Arturia Analog Factory SE
USB KEYBOARD STUDIOにバンドルされるアナログシンセ音源、ArturiaのAnalog Factory SE
このように多彩な機能を持ったUSB KEYBOARD STUDIO KXシリーズですが、前述のとおりDAWソフトであるCubase AI4をバンドルしているので、かなりお得なパッケージといえるでしょう。

さらに、ボーナスパックとして「VST 3rd Party MEGA PACK」というDVD-ROMがバンドルされるとのことです。実は、今回借りた発売前のKX25には、これがバンドルされていなかったので、細かいところは分かりませんが、YAMAHAのWebサイトを見ると、このDVD-ROMには

●IK Multimedia Sample Tank 2 Yamaha Edition (16chトラックマルチサンプルプレーヤー)
●FXpansion BFD Lite (ドラム音源)
●Arturia Analog Factory SE (アナログシンセ)
●Sonic Reality RAW loops Yamaha Edition (オーディオLoopファイル)
●KeyFax Drum World MIDI Sample Library
●Sonic Reality OneSoundz Silver(HALion One用追加コンテンツ)
●Yamaha S90ES Piano(HALion One用追加コンテンツ)
という音源が搭載されているほか、「ASK Video Cubase AI Video Tutorial」というビデオが入っているとのことです。

もっとも、Arturia Analog Factory SEは、CubaseをKXシリーズに対応させるための拡張ツールが入っている「TOOLS for KX DVD-ROM」というものにバンドルされていたので、使うことができましたが、これだけでもかなり強力な武器といえるでしょう。もちろん、Analog FactoryもKXシリーズが対応しているので、4つのノブでコントロールすることができました。
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