10月16日、東京・六本木のスウェーデン大使館で、Reason4のお披露目イベントが行われ、スウェーデンにあるPropellerhead本社から社長兼CEOであるErnst Nathorist-Boos氏、副社長であるTimothy Self氏(以下、敬称略)が来日し、Reason4の魅力について語りました。そのイベントの合間を縫って、このお二人に単独でインタビューすることができたので、普段聞けない話を含めて伺ってみました。

驚くべきものしか開発しない


Reason4
Propellerheadの社長兼CEOであるErnst Nathorist-Boos氏
--Reason4発売おめでとうございます。先日、私もいろいろ触ってみて非常に強力なソフトに仕上がっているのに感激しました。とくにThorは自分でシンセサイザを自由に組み上げられるので、非常に面白いです。また日本語に対応したことにもちょっと驚きました。

Ernst:ありがとうございます。Reason4は今年の1月のNAMMで発表しましたが、世界中から大きな反響をいただきました。ヨーロッパ、US、日本などいろいろな地域の方々に使っていただいており、従来から日本語化はしたかったものの、会社が小さいこともあって、なかなかできず、今回ようやく実現することができました。

--日本人にはうれしい限りですが、よく見ると、スウェーデン語には対応していないんですね!

Ernst:スウェーデンは人口900万人という小さな国です。また全員が英語も話せるため、スウェーデン語化よりも日本語化のほうが重要と判断したんですよ(笑)。


Reason4
10月10日にリリースされ、日本語化にも対応したReason4
--PropellerheadはReCycle!が登場したころから、ずっと注目してきました。その後、ReBirth、Reasonなど本当に革新的なソフトを出してきて、何度も驚かされました。とくにReasonの初期バージョンのコンセプト、またリアパネルでケーブルがブラブラ揺れるあたりの凝りようも感激した覚えがあります。どうしてこんなにすごい技術が生み出せるのでしょうか?

Ernst:当社では「Making Musical Dreams Real」(音楽の夢を現実に)、「Stunning Products」(驚くべきものでなければ開発しない)、「Revolutionary Technology that Works」(革新的テクノロジーできちんと動くもの)ということをキーワードにして開発しています。Reasonのコンセプト自体は、ReBirthを作った当時からあったのですが、当時はマシンパワーの問題やわれわれの開発力の問題もあって実現しませんでした。しかし、2000年ごろにメドがたち、作り上げたわけです。

Timothy:あのケーブルがブラブラと動くのも、開発コアメンバーのアイディアでしたが、当時は社内でもクレイジーっていわれていましたよ。でも、それを実現してしまったんですね。

プラグイン対応しなかったのがReasonの勝因!?


Reason4
Propellerheadのマーケティング担当の副社長、Timothy Self氏
--個人的にReasonがすごいなと感じているもうひとつに、プラグイン全盛の中で、あくまでも独自のデバイスで完結させていたことです。普通ならバージョンアップなどの段階で、プラグイン対応したり、DAW化していきそうなイメージですが、あえてReason独自の世界にこだわったことがよかったんだと思います。

Ernst:もう、本当にユーザーからいつも、いつも言われていますよ。「VSTプラグインに対応しないのか?」ってね(笑)。でもReasonはこれ自体が楽器なんです。もちろんラックという概念を取り入れたのが大きな特徴ですが、その音源にも自信を持っているので、こうしているのです。

Timothy:一方、DAWはCubaseやProTools、SONARなど、いろいろないいものがあるじゃないですか。それと敢えて競合させる必要はなく、お互い協調できるソフトとしてReasonは存在しています。だからこそReWireといった技術も最初から備えているし、REX、REMOTEなども使って互換性を高めているわけです。

--そう、以前から思っていましたが、ReCycle!、ReBirth、Reason、REX、ReWire、REMOTE、ReFill……とみんなRでスタートする製品名、技術名になっていますよね。

Ernst:そうですね(笑)。13年前、最初にReCycle!をリリースし、続いてReBirthという名前でソフトを誕生させました。こうなったらもう後は全部REを頭に付けるしかないじゃないですか。そのほうがユーザーにも浸透しやすいし、今後もそうしていくつもりですよ。


Reason4
イベントでは、NAMMでも有名なデモ演奏者であるGerry Bassermann氏がReason4の機能をお披露目した
--Reasonはまさに独自の世界を築きあげていて、独走しているように思いますが、競合はないのですか?

Ernst:そうなんです。それは私自身、不思議に感じていますよ。以前は、競合はRolandであり、YAMAHAであり、KORGだと認識していました。やはりReasonは楽器なので。

--「以前は」とおっしゃるのは、現在は違う認識なんですか?

Timothy:いまは、やはりDAWとプラグインのソフトシンセというのが広く使われているため、ハードの楽器そのものよりも、こうしたソフトの世界が競合ですね。もちろん棲み分けはされているとは思うものの、今後もずっとソフトシンセとは競合していくでしょうね。

REが頭に付くネーミングと社名の由来


Reason4
筆者はプレス向けの回に参加したが、その後に行われた一般向けの回では、数多くの人が会場を埋め尽くした
--ところで、今回のReason4、ThorやReGroove、RPG-8も面白いですが、シーケンサ部分がずいぶん変わって使いやすくなりましたよね。従来のReasonのシーケンサはどうしてもオマケのような感じで、ReWireすることが必須のように感じていましたが、ここまで進化するとReason単独でも十分ですね。

Timothy:もともとのReasonでReWireを搭載させたのは、まさにそのためでした。われわれもユーザーはDAWやシーケンサを使ってReasonを使うものと考えていましたが、予想以上に、Reasonのシーケンサ機能を使う人が多くいました。そして、彼らからシーケンサ機能の機能向上を求められてきたのです。そこで今回は、シーケンサ部分を完全にゼロから作り直したのです。

Ernst:もちろん、画面要素など、部品、部品で流用した部分がないとはいえませんが、ゼロから作り直すことで、いいものに仕上がったと思っています。オーディオトラックに関してはやはりReWireの必要がありますが、MIDIだけならReasonだけで十分にいけますね。

--最後にひとつ、以前から思っていた質問を。社名のPropellerheadってどういう意味なんですか?

Ernst:ははは。これ、ドナルドダックから取ったんですよ。ドナルドダックの仲間に頭にプロペラを付けたルイというチビの天才君がいるじゃないですか。科学的な知識は何でも持っている……あれですよ。USでは、物知り博士のことをPropellerheadとよく言ってますよ。そこから付けたわけです。

--なるほど、そんなネーミングだったんですね。当面、Reason4を楽しませてもらおうと思っていますが、今後もまた革新的なソフトが登場してくれることを楽しみにしています。ありがとうございました。

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