最近のオーディオインターフェイスの多くには一般にコンボジャックと呼ばれるちょっと不思議な形の端子が搭載されています。これはいったいどんな役割を持った端子なのでしょうか?

標準ジャックとXLRの双方の接続に対応


コンボジャック
最近、多くのオーディオインターフェイスに搭載されているコンボジャックとは標準ジャックとXLRの双方に対応したジャック
結論から先に言ってしまいましょう。コンボジャックとは標準ジャックとXLRの双方の接続できるある種オールマイティーな端子を意味しています。これがあれば、マイク、キーボード、ギターほかオーディオ機器など、何でも接続することが可能です。

でも、こんな変な形状の端子なのに、何で?と思う方もいるでしょう。詳細については、これから順に説明していきますが、コンボジャックはその中央部が標準ジャック端子となっており、キーボードやギターをはじめとする、標準ジャック、いわゆるシールドを差し込むことが可能になっています。

一方、XLRと呼ばれるマイクの端子は外側の溝に差し込むことができるのです。その双方に対応しているため、こんな妙な形状になっているのです。


一般のシールドに用いられる標準ジャック


コンボジャック
標準ジャックとは、ギターやキーボードのシールドケーブルとして広く用いられている2つの接点を持ったジャックのこと
では、ここからそれぞれの詳細を順に見て行きましょう。まずは標準ジャックからです。標準ジャックはPHONEジャック、フォン端子などと呼ばれるもので、ギターやキーボードなどを接続する、いわゆるシールドケーブルの端子です。

通常、シールドケーブルというと、端子の先端に一本の黒い線(ものによっては白だったりもしますが)で区切られており、2つの接点を持つ端子となっています。これをアンバランス端子と呼んでおり、コンボジャックであれば、必ずこのアンバランスの標準ジャックに対応しています。

プロ向けで高音質を実現するバランス端子


コンボジャック
バランス対応ケーブルは一見、ステレオヘッドフォンの端子のようだが、2chを同時に送るのではなく、逆位相の信号と同時に送ることで音質劣化を極力減らすための仕掛けがされている。
このアンバランスの標準ジャックに対して、バランスの標準ジャックというものも存在します。形状的には、バランス対応の標準ジャックとは先端に二本の黒い線の入った3つの接点を持つタイプの端子です。

なんだ、ステレオ端子じゃないか、と思う方もいるでしょう。確かに形状はステレオのヘッドフォン端子などとまったく同じです。しかし、これ、別にステレオで2ch分の信号を送る端子ではなく、あくまでも1chの信号を送るだけのものなのです。

そう、3つの接点を持つことで、通常の信号のほかに、位相が反転した信号も同時に送り、外部から入り込むノイズを最小限にとどめるための仕掛けを施しているのです。

一般ユーザーが利用することは比較的少ないのですが、業務用として幅広く利用されているケーブルであり、多くのオーディオインターフェイスもこれに対応しているのです。コンボジャックであれば、必ずバランス対応であるというわけではありませんが、実際対応しているかどうかは、スペック表などでチェックしてみてください。


ギターを直接接続するためにはHi-Z対応をチェック


コンボジャック
Hi-Zボタンをオンにすることで、その入力端子がHi-Z対応となり、ギターやベースと直接接続して入力することができる
先ほど、コンボジャックは標準ジャックに対応しているからギターなどと接続できると述べましたが、実は正確にいうと、ギターやベースなどと直接接続するためには、これらがHi-Z対応であることが必要です。

Hi-Zとはハイインピーダンスの略で、入力抵抗が大きいことを意味しています。ギターやベースなどの出力は一般にインピーダンスが高いため、入力側もこれ対応していないと、正しい音で入力することができないのです。

確かにHi-Z対応していない機器でも、まったくギターの音が入力できないわけではないのですが、音質が悪く変質してしまうため、基本的には使わないのが無難です。また、どうしても接続したい場合は、途中にエフェクターなどを噛ますか、ダイレクトボックス(DI)と呼ばれる機器を通すことで、接続可能となります。

マイク用の専用端子、キャノンプラグ


コンボジャック
XLRに対応したマイク用のケーブル。片方が雄、片方が雌という形状になっているが、コンボジャックに接続できるのは雄の端子だ。
もうひとつ、コンボチャックで接続できるのが主にマイク接続に利用するXLRと呼ばれる端子です。キャノン端子、キャノンプラグなどと呼ばれることもありますが、これと接続することもできるのです。

家庭用のカラオケマイクなどは、標準ジャックを使っているものもありますが、プロ用といわずとも、しっかりしたマイクの場合、ダイナミックマイクでもコンデンサマイクでもこのXLRを用いることになります。

コンボジャックにXLR端子を接続した場合は、当然標準ジャックは未接続ということになり、XLRのみが有効となるわけです。


コンデンサマイクの利用にはファンタム電源対応が必須


コンボジャック
コンデンサマイクに電源を供給するためのファンタム電源のスイッチ。多くの製品では+48Vのみに対応している。
ただし、コンデンサマイクの場合、電源供給が必要であり、一部の電池内蔵対応のコンデンサマイク以外はXLRの端子から電源を取ることになります。

それをファンタム電源と呼んでおり、多くのコンボジャック対応のオーディオインターフェイスには、このファンタム電源を搭載しています。通常、ファンタム電源のスイッチがあるため、コンデンサマイクを利用する場合にオン、ダイナミックマイクを利用する場合はオフに設定します。

なお、ファンタム電源には+48Vのタイプと+24Vのタイプの2種類がありますが、そのほとんどは+48Vとなっており、多くのオーディオインターフェイスも+48Vのみの対応となっています。
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