DTMの標準的なデバイスとなったUSB-MIDIキーボード


USBからの電源供給だけで動作するMIDIキーボードはDTM・デジタルレコーディングの世界においては、もはや標準的なデバイスとなりました。とくにコントローラ機能を装備したUSB-MIDIキーボードは人気で、これを使えば単なるキーボードとしてだけではなく、DAWのミキサーのコントローラやソフトシンセのパラメータを動かすツールとして利用できるようになります。

実際読者のみなさんの中でもEDIROLやM-Audio、Evolutionといったメーカーの製品を使っている人も少なくないと思います。また中には既存のMIDIキーボードと併用しているという人もいるかもしれません。キーボードの演奏が得意な人はこれまで弾き慣れた60鍵などの大きいMIDIキーボードを利用する一方で、デスクトップで打ち込みようにUSB-MIDIキーボードを利用するといった使い分けです。

USB-MIDIキーボードにE-MUが参入


Xboard49,Xboar25
クリエイティブメディアから発売されたコントローラ付きUSB-MIDIインターフェイス、Xboard49(上)とXboard25(下)
もちろん、これからそうしたUSB-MIDIキーボードを入手しようと考えている人も多いと思いますが、数ある選択肢にさらにもうひとつ新たな製品が加わりました。それが、Creative Professionalブランドで展開するクリエイティブメディアが出すE-MU製品、
   Xboard49
   Xboard25

という2つです。名前からも想像できるようにXboard49が49鍵、Xboard25が25鍵となっており、既存メーカーの製品と同様にUSBからの電源だけで動作するとともに、コントローラ類も装備されています。

既にいろいろな製品がある中での新たな参入となるため、当然厳しい戦いになるとは思いますが、やはり後発であるだけに非常に強力なソフトシンセをバンドルするというユニークな特徴を持っての登場となりました。


16個のノブを自由に割り当て、メモリできる


16個のノブ
16個のノブがあり、ここに様々なMIDIコンティニアスコントローラ情報を割り当てることができる
まず、Xboard49およびXboard25の基本的な機能、性能について紹介しておくと、鍵盤はアフタータッチ付きフルサイズ・ベロシティセンシティブ鍵盤を採用しており、やや重めのキータッチになっています。また16個のノブが搭載されており、それらに様々なMIDIコンティニアスコントローラ情報を割り当てることが可能になっています。この16個のノブは全16MIDIチャンネルに対してボリューム、パンなどの1つのコントローラ情報を同時にコントロールすることもできます。

さらにピッチホィール、モジュレーションホィール、フットスイッチ/ペダルも同様にコントローラ情報を割り当てることが可能となっています。

またユニークなのが割り当てた結果を本体のメモリの16種類まで記憶させることができ、そのメモリを簡単に呼び出せるようになってるのです。したがってシチュエーションによってモードを切り替えて使うといったことも可能なのです。

E-MU Xboard Controlを使ってグラフィカルに設定する


E-MU Xboard Control
添付ソフトのE-MU Xboard Contolを使えば細かなエディットが簡単にできる
基本的な操作はすべてXboard本体だけでできますが、付属のE-MU Xboard Controlというソフトを利用することにより、Xboardのパッチをコンピュータ上でグラフィカルに設定することが可能になります。

またXboard本体のみでは設定できない、より細かなパラメータの設定もでき、作成したファイル(パッチ)をコンピュータ内に保存し、USB接続したXboardに送信できます。たとえば、8種類あるベロシティーカーブを設定したり、ピッチホィール、モジュレーションホィール、フットスイッチ/ペダルのコントローラ情報の割り当てもE-MU Xboard Controlでのみできるようになっています。

なお、このE-MU Xboard ControlはドライバとともにWindows用、Mac用のそれぞれが用意されているので、どちらのユーザーでも利用することができます。

往年の銘機、ProteusがVSTiで添付される


Proteus X LE
標準で添付される目玉ソフト、Proteus X LE。Windows専用でVSTインストゥルメントとして動く
そして、冒頭でも触れたとおり、このXboardの目玉ともいえるのが添付のソフトウェアです。そう、Windows版のみとはなりますが、VSTインストゥルメントのProteus X LEというソフトがXboardにバンドルされているのです。

ご存知の方も多いと思いますが、Proteus XはE-MUのMIDI音源として一世を風靡したProteusを現代に復刻したソフトシンセであり、オーディオインターフェイスのE-MU 0404とソフトウェアのセットとなった形で販売されています。またE-MU 0404の上位であるE-MU 1212やEMU-1820mなどのユーザーは別売のアップグレードソフトを入手することで利用することができました。


Proteus X LE
Proteus X LEには1000以上の音色データが用意されており、往年の銘機が甦る
しかし、そうしたオーディオインターフェイスがなくても動作するVSTi限定のバージョン、Proteus X LEがXboardにはバンドルされているのです。LEとはいえ、1000個以上にも上る膨大なライブラリが付属しているので、それらを存分に楽しむことができます。

音色を選択するだけでも楽しめますが、それを自由にエディットできるというのもこのソフトの楽しさです。価格的に考えて、このProteus X LEだけを目的に購入しても十分元が取れるソフトといってもいいでしょう。

Live4 Liteもバンドル


Ableton Live4 lite
AbletonのDAW、Live4 liteもバンドルされている
Proteus X LEのほかにもAbletonのLive4 Liteもバンドルされています。Liveはご存知のとおり、ループベースのシーケンサから発展してきたDAWであり、MIDIレコーディングからエディット、オーディオのレコーディング、編集とさまざまなことができます。

最近はLiveからDTMをはじめるという人も増えてきていますから、XboardはDTMの入門用の製品としても活用可能です。


プリセットのパッチを望む!


Xboard
青色LEDを使い、ひとつのアクセントになっている
今回、このXboard49とXboard25を使ってみたところ、セッティングも簡単で使いやすいものでした。また、いま流行の青色のLEDを数多く使っているのもひとつのアクセントとなっていて、見た目にもいい感じです。

また目玉でもあるProteus X LEはなかなかの優れもので、いい音が出て気に入ったのですが、若干不満に感じたのはコントローラ部分。16の操作子がすべてノブであるため、ミキサー用としてはやや使いづらい面があります。またせっかくパッチのロード、セーブができるのに、プリセットのパッチが用意されていないのも残念。

E-MU Xboard Controlというソフトがあるので、難しくはないのですが、できればLive用とかSONAR用、Cubase用といったパッチをあらかじめ作っておいて、それを読み込ませるだけですぐに使えるような形にしておいてほしかったなぁ、と。付属CD-ROMにはバンドルされていなかったものの、ぜひWebからダウンロードできる形にしておいてほしいですね。
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