映画MATRIX RELOADEDやMATRIX REVOLUTIONSなどのサウンドを制作したことでも有名なトランス界の大物、Juno Reactor。そのJuno Reactorが先日来日し、大阪、東京などでのライブを行いました。その最終公演後、Juno Reactorの中心メンバーであるBen Watokinsに会って、その音楽制作手法や現在使っているツールなどについてインタビューすることができました。結構マニアックな内容で盛り上がったインタビューでしたが、そのインタビュー内容をお伝えしましょう。

オモチャと戯れながらの音楽制作


--今回の来日では、3回のステージライブがありましたが、実際終えてみてのライブの感想はいかがですか?
Juno Reactor
2005年2月5~7日、東京と大阪でJuno Reactorのライブ演奏が行われ、大いに盛り上がった
BEN:東京はよかったよ。今回のライブは、はじめてのメンバーだったこともあり、初日の大阪はとにかくどう乗り切るかというので精一杯だったのが実際のところ。でも、2回目、3回目と慣れてきて、お客さんのノリもずっとよくなっていった。そして、最後の東京は最高だったね。今回のメンバーでまたやりたいと思うよ。いま、スパニッシュのギタリストを入れることも計画中だから、そんなメンバーでできたら面白いだろうね。


--こうした、Juno Reactorのサウンドというのはどうやって作っているんですか?もし、音楽制作の流れなどがあれば、教えてください。
Juno Reactor
Juno Reactorの最新アルバム、Labyrinth

BEN:いやぁ、特に決まりというのはないね。ただ、いっぱいのオモチャと戯れるのが好きで、最近はALESISのANDROMEDA A6ってのがお気に入りで、これで遊びながら曲制作をしているよ。買ったのはMATRIXをやってたとき、アメリカに持っていくのに買ったから、2年ほど前かな。今回のアルバム、LABYRINTHの3曲目のGIANTという曲は主に、これだけで音を作っているよ。また、このアルバムで使っているアナログシンセは、ANDROMEDAだけだね。


--かなりいろいろなシンセを使っていると思いますが、今もっていてよく使うシンセというと、どんなものがありますか?
BEN:ギタリストだからギターを使うケースが多いけど、シンセはKORGのものが好きだな。手元にあるシンセとしては、MS2000、TRINTY、MS20、MONOPOLY、WAVESTATION……、ほかにもいろいろあるよ。Legacy Collectionなんかも使ったけど、あれもかなりいいよ。

DAWにはMOTUのDigital Performerを使用


--一方で、ソフトのほうはどんなものを使っているんですか?
Juno Reactor
ライブではギターを使っているBen Watokinsだが、自宅、スタジオには多くのシンセ機材などを持っている
BEN:DAWはDigital Performerを使っているよ。以前はいろんなものを試したんだけど、なかなかしっくりいかなくてね。Cubaseも使ったし、Logicも使った、NUENDOなんかにもチャレンジしたんだけど、どうもね……。もっともパソコンはずっとMacだね。まあ、PCも併用はするけど、いま使っているPCはほとんどGigaSampler専用マシンって感じ。GigaSamplerはなかなかパフォーマンスがよくていいよ。主には自分でサンプリングもして使っているけど、オーケストラのサンプリングなどはさすがに市販のものを使うけどね。


--ということは、サンプラーはほぼGigaSamplerだけを使っているわけですか?
BEN:もちろんMacで使うことも多いよ。MOTUのMachFiveなんかはいいよ。これを使っているとハードを使ったサンプラーなんてもう使えないよ。昔はSampleCellなんかも使っていたけど、OSXではサポートされていないでしょ。だから、今では完全にソフトサンプラーだね。もっとも、AKAIは好きで、昔からずっと使っているから、今でも使うことはあるんだけど。とくにMPC1000なんかはファンタスティックだよ。

--なるほど、Digital Perfomerとソフトシンセの組み合わせで作っているわけですね。でも、最終的にはPro Toolsを使うという人が多いように思いますが、Juno Reactorではどうしているんですか?
BEN:Pro Toolsはさ、金持ち向けの製品でしょ(笑)。だから、やっぱり金のかからないDigital Performerさ。まあ、それは冗談にしても、Pro ToolsはMIDIが弱いからねぇ。まあ、オーケストラをやるようなときにはPro Tools HDを使うけどね。でもギターやボーカルなどを録るのはDigital Performerのほうがいいね。

--そのDigital Performer、オーディオインターフェイスは何を使っているんですか?
BEN:MOTUの1296を使っているよ。これクオリティーは非常にいいね。なかなか気に入っているよ。もっとも96kHzを使っているわけではなく、48kHz、24bitでレコーディングしているんだけどね。

Juno ReactorとNIおよびRolandの関係!?



--ソフトサンプラー以外にソフトシンセは使いますか?
BEN:もちろん使っているよ。個人的にはNative Instrumentsの音源が好きだな。とくにABSYNTHはお気に入り。あれはなかなかいい音を出すよ。それからREAKTORもよく使うね。

--Native InstrumentsというとPro-53とかFM-7など、エミュレータが結構ありますが、こうしたものも使っているんですか?
BEN:いや、Pro-53などの音は好きじゃないね。やはりProphetの音を知っているからなのか、薄っぺらな音に感じるんだよ。

--そういえば以前のアルバムのクレジットのところにNative Insturumentsのロゴが入っていて、REAKTORを使っている旨が書かれていたと思いますが、Juno ReactorとREAKTORにはやはり何か関係があるんですか?
BEN:ハハハ、ないよ、何も。ただまだ自分たちがそれほど有名に
なる前に、たまたま小さいソフトハウスであったNative Instrumentsを見つけて連絡をしたんだ。そうしたら彼らもJuno Reactorのことを知っていてくれてね。それがきっかけで結構懇意になり、ソフトを送ってくれるようになったんだよ。


--なるほど。ついでにもうひとつ伺いたいのは、そのJunoというネーミングはRolandのシンセと何か関係あるんですか?
Juno Reactor
都内のカフェでインタビューに応じてくれたJuno Reactorのコアメンバー、Ben Watokins。中古楽器店も多い日本はかなりお気に入りのようだ。
BEN:残念ながらそれとも関係ないよ。実際、Rolandの音源はあんまり持っていないんだよね。とはいえ、日本の楽器メーカーはいろいろ面白いものを作っていていいよね。また個人的には日本の楽器屋さんへ足を運ぶのが好きなんだ。とくに中古屋とかは来日するたびに行っているよ。なんかそこにある機材を見ると、自分の家に帰ったような感覚でリラックスできるんだよね。今回は、Marshallアンプのミニチュアを買ったんだけど、これは、持ち歩きやすくていいね(笑)。これで旅先でのスタジオが手に入ったようなもんだよ(笑)。


--ありがとうございました。ぜひ、またの来日そして、ライブを楽しみにしています。
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