■クリエイティブとオンキヨーの2つの低価格USBオーディオ

バス電源で駆動し、ACアダプタも不要なため、誰でも気軽に使えるUSBオーディオデバイス。もうこれが一般に浸透し何年にもなりますし、これらを活用しているDTMユーザーも多いと思います。そこにこのたび、非常に低価格な製品が2つ登場してきました。

Sound Blaster Digital Music LXそのひとつはオープン価格ながらも税抜き価格で5,000円を切るというクリエイティブメディアのSound Blaster Digital Music LX。以前、Sound Blaster Digital Music PXというMacでも利用できる製品を紹介したことがありましたが、これはその弟分にあたるもの。デザイン・形状は微妙に異なりますが、同様にコンパクトな製品です。


ONKYO SE-U33GもうひとつはオンキヨーのSE-U33Gという製品で、やはりオープン価格ながら9,000円前後で購入できるというものです。こちらは99年に発売されたSE-U33という製品の後継で、かなりの期間があいたこともあり、デザインが大きく変わるとともに、S/Nが100dBから110dBに向上するなど性能強化も図られています。


しかし、3万円以上もする製品があるなか、この程度の価格の製品で本当に大丈夫なのでしょうか?
■16bit/44.1kHz、48kHzという制限はあるが、付加機能は豊富

まずスペック的に考えるとEDRILのUA-5/700やM-Audio Audiophile USBなどと違いはあります。その最大のポイントはSound Blaster Digital Music LXやSE-U33Gが16bit/44.1kHz、48kHzまでしか対応していないこと。UA-5/700やAudiophile USBが24bit/96kHzまで対応しているのを考えると見劣りすることは確かです。とはいえ、USB 1.1では、24bit/96kHzでの同時入出力はできないため、このスペックがあってもフルに使い切ることはできないのですが……。

またSound Blaster Digital Music LXやSE-U33Gにはデジタル入力端子が装備されていないことも違いの一つでしょう。つまり録音用デバイスとして考えるとアナログ素材を16bit/44.1kHzもしくは48kHzで取り込むものとなっているのです。その意味では、本格的なレコーディングに向くデバイスではありませんが、カセットテープやレコードなどを取り込むためのデバイスと考えると必要十分ともいえそうです。では、各機種の特徴をもうちょっと突っ込んで見てみましょう。

Sound Blaster Digital Music LXとにかく安いSound Blaster Digital Music LXですが、バンドルのユーティリティはほかのSound Blasterシリーズと同様で本当に豊富です。たとえば、アナログ素材のレコーディング用という意味では、レベル調整から曲の分割などを自動的に行ってくれるSmart Recorderはなかなか便利です。ノイズリダクション機能なども搭載していますから、テープのヒスノイズ除去などに有効です。


Sound Blaster Digital Music LXまたイコライザはもちろんのこと、リバーブ系を中心としたエフェクトも搭載されていますから、さまざまな音作りも可能です。さらに、SoundFontが利用可能であるということはDTMユーザーにとっても大きなメリットです。つまり、これ自体をGM音源、GS音源などとして利用できるのはもちろんのこと、世の中に豊富に存在するSoundFontライブラリを読み込めば瞬時にそれに対応した音色のMIDI音源シンセサイザへと変身してくれるのです。


なお、Sound Blaster Digital Music LXの場合、PXなどと異なり、デジタル入力端子はないもののデジタル出力端子は装備しており、ここで再生する音を音質劣化なく外部のデジタル機器へ転送することが可能となっています。また、DVDなどを再生する際、Dolgy DigitalやDTSをデジタル信号のまま外部へ出力し、外部のデコーダーを使って5.1ch化するということお可能になっています。
■フォノイコライザ搭載で、レコードプレイヤーとダイレクト接続可能

一方のSE-U33GはWindows標準のUSBオーディオドライバで動作してしまう非常にシンプルなシステム。とはいえ、ハードウェアには非常にユニークな工夫が凝らされているのです。その一番のポイントはフォノイコライザを搭載していること。ご存知の方も多いと思いますが、レコードプレイヤーの出力はそのまま外部に接続することはできず、必ずフォノイコライザというものを通さないと本来の音にならないのです。最近のDJ用プレイヤーなどではフォノイコライザ搭載といったものもありますが、通常は別途用意するか、フォノイコライザを搭載した昔のオーディオアンプなどを間に設置する必要があるのです。しかし、このSE-U33Gはかなり高性能なフォノイコライザを搭載しているので、レコードのデジタル化を考えているのであれば、非常に有効に活用できます。

また、スイッチ切り替えでMIXというモードに切り替えられるのも便利なところ。これはUSBオーディオの再生音とマイクやラインの入力音をミックスさせるというモードです。こうしておくと、PC側の再生音に現在自分で演奏している音を加えて聞くことができるなど、単純ながら便利な機能なのです。さらに言ってしまえば、MIXモードでレコードプレイヤーを接続し、PCから音を再生せずに、ラインアウトを使えば、純粋なアナログのフォノイコライザとしても使えてしまいます。この際の音質はなかなかいいので、下手なフォノイコライザを購入するよりも安くていい製品とも言えそうです。

DigiOn Sound 4 LEそのほか、ドライバはWindows標準とはいえ、強力なアプリケーションソフトもバンドルされています。具体的にはDigiOnのDigiOn Sound4 LEというもの。とりあえず、これがあれば、波形編集も自由自在です。また、以前にも紹介した音楽認識技術Music IDを搭載したCarryOn Music v4.00も2,100でアップデート可能となっています。


このように安くてコンパクトという共通点の2つのUSBオーディオインターフェイスですが、その性格は結構異なるものになっています。本格的なレコーディングに向くものではありませんが、持っておくと結構便利な機材だと思いませんか?
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