Windows上でのサウンドのデファクトスタンダード、Sound Blasterシリーズが、ついに正式にMac対応となりました。今回対応したのはDigital Music PXというUSB製品。これについてレポートしてみます。

■PC用サウンドカードのデファクトスタンダード、Sound Blaster

Sound Blaster Audigy 2みなさん、ご存知のようにクリエイティブのSound BlasterはPC上においてサウンドカードの代名詞ともいうべきもので、広く普及してきました。互換品なども多数ありますが、現在このクリエイティブのSound BlasterはPCIバスに接続して使うカードタイプのものと、USBに接続するモジュールタイプのものの大きく2種類があり、それぞれの最上位モデルはSound Blaster Audigy 2シリーズという名前になっています。


Sound Blaster Audigy 2 ZSもちろん、PCIカードタイプがより強力なスペックとなっており、一言でサウンドカードと表現するのには語弊があるというくらい多機能な製品に仕上がっています。実際、PCIカードモデルのSound Blaster Audigy 2 ZSの場合、再生においては24bit/192kHzに対応していて、DVD Audioの再生が可能だったり、7.1chのサラウンド出力ができるほか、MIDI音源機能としてSoundFont対応のサンプラー機能が用意されていたり、さまざまなエフェクトが搭載され、さらにIEEE1394端子があったり、MIDI入出力があるなど、本当にさまざまな機能が搭載されているのです。


15年以上の歴史を経て進化してきた、このSound Blasterですが、これまで一貫してPC用のデバイスとして存在しており、Mac用としてはリリースされていませんでした。正確にいえば、Sound Blaster Live!において、海外ではMac用の製品が出たことがありますが、長続きはしていないし、国内ではリリースされることがなかったのです。

しかし、ここに来て突然のようにMac OS Xに対応したSound Blasterが国内で発売されたのです。
■ドライバ不要で、CoreAudioのUSB Audioとして認識される

このたび正式にMac OS X対応として発売されたSound BlasterはUSB接続タイプの
   USB Sound Blaster Digital Music PX
Sound Blaster Digital Music PXというもの。USB接続タイプの製品の中ではもっともエントリーレベルに位置付けられているもので、サラウンド出力は持っておらず、アナログの2IN2OUTとS/PDIFのオプティカルの入出力を装備したというものとなっています。ただ、DTM的観点からするとほかのSound Blasterよりもいい面もあります。具体的にはアナログのライン入出力が金メッキのRCAピンジャックになっていることや、外部のデジタル機器から信号を入力する際、サンプリングレートのコンバートなしに完全な形でレコーディングすることが可能になっているなどです。


見た目、スペック的には、以前から発売されていたUSB Sound Blaster Digital Musicとほぼ同じで、色違いのモデルです。また、Mac OS X対応ではありますが、従来どおりWindowsにも対応した製品となっています。なお、Mac OS Xについては、現在のところ10.2~10.2.8まで、つまりJagur対応ではあるけれど、10.3のPantherには非対応となっています。もっとも、これはバンドルソフトの動作が保証されていないということだけなので、近いうちに正式対応すると思われます。


Sound Blaster Digital Music PX実際、Mac OS X 10.2の入ったマシンと接続してみたところ、デバイスドライバのインストールも不要で、即使うことができました。Mac側からは単にCoreAudioのUSB Audioデバイスとして認識されているだけなので、どんなアプリケーションからも利用することができるようです。


Sound Blaster Digital Music PXまた側面には「DIGITAL ONLY」と「DIGITAL/ANALOG」という切り替えスイッチがありますが、DIGITAL ONLYにした場合にはヘッドフォン端子も含め、アナログ入出力はできなくなり、オプティカルのデジタル入出力のみとなります。また、この際、出力は44.1kHzに固定され、入力は32kHz/44.1kHz/48kHzに対応となります。一方、DIGITAL/ANALOGに切り替えた場合、ライン入出力、ヘッドフォン端子、マイク入力端子すべてが有効になりますが、オプティカルのデジタル出力は48kHzに固定され、入力は無効となります。


ただ、Macで使った場合、Windowsでの利用と比べて制限される機能もあります。そのもっとも残念なのは、先ほどの「外部のデジタル機器から信号を入力する際、サンプリングレートのコンバートなしに完全な形でレコーディングする」機能が無効になることでしょう。そのほかにも、
・Mac OS に実装されているマスターボリュームコントロールが使用できない
・録音ソースを個別に選択できない
・Dolby Digital(AC-3)/DTS信号の光デジタル出力へのパススルー出力は非サポート
などがあげられます。
■Sound it! 3.0 LE-SBをバンドル

Sound it! 3.0 LE-SBこのUSB Sound Blaster Digital Music PXのもうひとつ大きなポイントはインターネットの波形編集ソフト、Sound it! 3.0 LE-SBがバンドルされていることです。これは、WindowsとMacのハイブリッドとなったCD-ROMが用意されており、これを使うことで、一通りの編集作業ができるようになっています。従来からSound Blasterシリーズにバンドルされていたクリエイティブ製のWave Studioというソフトよりもはるかに高機能で、なかなか使えるソフトです。市販のSound it! 3.0と比較すると、

・ASIO対応
・CDライティング非対応
・MP3エンコード非対応
という制限はあるものの、編集機能はまったく同じになっているのです。

■USB Sound Blaster Digital MusicでもMac対応になっている?

Sound Blaster Digital Musicところで、価格的に見るといずれもオープン価格ではあるものの、USB Sound Blaster Digital Music PXよりも、USB Sound Blaster Digital Musicの色違い製品のほうが安いようです。でもスペック的にも、形的にもそっくりですから、ちょっと思うのは、もしかして、USB Sound Blaster Digital MusicでもMac OS Xで利用できるのではないか?ということです。


そこで、試してみました。そう、USB Sound Blaster Digital MusicがMac OS Xで動作するかどうかについてです。実際やってみたところ、何の問題もなく動作してしまいました。「DIGITAL ONLY」と「DIGITAL/ANALOG」の切り替えスイッチの動作についても同様ですね。が、大きな問題が1点。録音のほうがきちんとできないんですね。どうもハードウェア的に一部いじっているとのことで、完全に同じものではないようです。もちろん、再生についてクリエイティブでは非サポートであるし、波形編集ソフトであるSound it! 3.0 LE-SBもバンドルされていませんから、この買い方が正しいかどうかは、ユーザーのみなさんの考え方次第ですが……。

ともかく、こうした形で、Sound BlasterのMac対応が第一歩を踏み出したわけです。まだ、Windows版と比較すると、いろいろと制限はありますが、ぜひこれについてはMac対応はもっと進めてもらいたいし、ドライバやバンドルソフトを拡充させて、より使いやすい製品にしていっていただきたいところです。
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