最近DTM関連の雑誌やWebを見ていると“ループシーケンサ”という言葉をよく見かけます。ACIDというソフトがその代表格なのですが、ループシーケンサとはいったい何なのでしょうか? その仕組みや曲の作り方の基本部分について触れ、ループシーケンサがどんなものなのかを紹介していきましょう。

簡単に音程や音長、音量が変えられるMIDIと変えられないオーディオ

ループシーケンサについて考える前に、MIDIがどんなものであったかを簡単に振り返ってみましょう。

「シリーズ DTMの基礎知識」の第2回「MIDIケーブルを流れる信号の正体」でも解説したように、MIDIは音程や音量をコントロールする信号です。そのMIDI信号を扱うソフトがCubaseやLogic、XGworks、Cakewalk……といったMIDIシーケンサであるわけで、これらのソフトを用いることで、MIDIを使って音楽を作って行くことができます。

実際触ってみた方ならばおわかりのとおり、MIDIの場合、一度データを入力しても、そのデータの修正は簡単にできます。とくに音程や音長、音量といったものを修正するのは簡単で、たとえば譜面エディタ上で音符の位置を変えば、即それが音程や音長として反映されます。

それに対し、まったく概念の異なるのがオーディオデータです。5年以上前、まだパソコンが非力な時代には、MIDIは扱えてもオーディオを扱うのはほとんど不可能といわれていました。しかし、いまやMIDIシーケンサでもオーディオを扱う機能を装備しているものがほとんどです。いわゆるハードディスクレコーディングというものがそれに当たるわけです。

ハードディスクレコーディングによってMIDIでは不可能だった生の音声を扱えるようになりました。つまりボーカルやアコースティックギターなどがそのまま録音可能になり、それをMIDIといっしょに鳴らすことができるにようになったわけです。

しかし、こうしたオーディオデータはMIDIと違い、そのエディットというのはほとんどできません。もし音程を間違えて歌ってしまったら、やはりレコーディングのし直しになりますし、あるフレーズの一部音長を間違えて歌ってしまっても、当然やり直しです。

MIDIでリアルタイムレコーディングしていた場合、途中でミスがあっても、あとで修正が可能なのに対し、オーディオではそれができません。これがMIDIとオーディオの決定的な違いなわけです。