本邦初公開! 韓国語の『ライオンキング』

画像の代替テキスト
主人公の雄ライオン、シンバを演じるイ・ギョンスさん。伸びやかな歌声を披露してくれました
10月28日から、韓国・ソウルの「シャルロッテ劇場」で、ミュージカル『ライオンキング』が上演されます。開幕に先立ち、9月30日、10月1日の両日、浜松町の「四季劇場・春」で、試演会が行われました。開幕の一ヶ月前に行われたこの試演会には韓国からのお客さまもいっぱい。開演前の劇場は、韓国語と日本語の両方が飛び交い、緊迫感とわくわく感が入り混じった独特の雰囲気に包まれていました。

そう、日本の「劇団四季」が韓国で行うこちらの公演、本国である韓国で、大きな話題となっているのです。ニュースでもとりあげられていたので、ご存知の方も多いでしょう。オール韓国人キャストで、韓国語で上演される、『ラインキング』は、韓国で初めてのミュージカル公演無期限ロングランを予定しています。
画像の代替テキスト
1998年のトニー賞で6部門を受賞。東京での公演もすでに8年目を迎ています
入場料も今までの韓国のミュージカル公演に比較して、2~3割程度、安く設定されていることもあり(S席価格が9000ウォン、日本円で約1万1000円)、「文化侵略」と批判する声も聞かれました。2年ほど前にも、同様の計画がありましたが、反発の声が強く中止になったという経緯もあります。
それだけに、韓国の記者の方々の注目もとても高いのです。私もブロードウェイや日本では何度も見ている演目ですが、韓国語版はもちろん初めて。自分が舞台に上がるわけでもないのに、どきどきしながら開演を待ちました。

次ページは、舞台、記者会見についてのレポートです。

オーディション抜擢組も活躍

画像の代替テキスト
影絵や文楽など、アジアの伝統芸能 を巧みに取り入れた演出も見事
さて、舞台のほうは、俳優のみなさんも緊張されている様子で、それが客席まで伝わってきました。
ラフィキ役のチャ・ジヨンさんの歌で始まるオープニング──。オーディションで抜擢された、ほとんど舞台経験のない俳優さんだそうですが、堂々とした立ち振る舞いで大役を見事につとめあげています。そして、「劇団四季」の他の演目でも何度か拝見している、スカー役のキム・スンラさんの生き生きとした(?)悪役ぶりもすばらしかったです。日本よりも、ブロードウェイに近い、観客の素直な反応もまた、新鮮でした。

試演会のあとには、取材会が行われました。演出の浅利慶太さんは、開口一番、「一ヶ月、稽古してきたけれど、今日の舞台が一番良くなかった。役者にとって、緊張が与える影響がいかに大きいか、再認識しました」。

「利益はすべて韓国においていく」(浅利氏)

画像の代替テキスト
スカー役のキム・スンラさん(写真中央)は、在日韓国人。日本語と韓国語の両方で質問に答えてくれました
劇団四季在籍期間10年。在日韓国人で、中国、北朝鮮での舞台経験もある、キム・スンラさんは、「“キム・スンラ”として、韓国の舞台に立てるのがうれしいです。ライオンキングの舞台のように、父から受け継いだものを自分の祖国で生かすことができるのはとても光栄なこと。韓国人の素直さと、日本人の繊細さをとりいれたすばらしい作品にしたい」と、この舞台にかける意気込みを真摯に語ります。

「ライオンキング」韓国公演の総制作費は、(1年公演を行ったと仮定して)216億ウォン(日本円で約25億円)。
「半年で撤退したら赤字。1年で原価が取れ、3年続いたら黒字になる計算。人生の中でも最大の冒険。こんなに大変な仕事は一度でいい。また、利益が出ても日本には一切持ちかえるつもりはありません。レッスン場の建設など、韓国で俳優養成などに再投資します」(浅利さん)

この試演会を経て、一ヵ月後の初日までにどのように変化をとげているのか、そして、韓国人の観客の反応は──?。

これからのソウル旅行には、韓国料理やエステ、買い物以外にも、「ミュージカル」という楽しみも加わりました。さあて、いつ行こうかな。

●公演案内
『ライオンキング』韓国公演公式HP
2006年10月28日(土)より、韓国・ロッテ・シャル劇場内にて無期限ロングラン
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。