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投資をしない生き方もある?どうして投資するのか

なぜ投資をするのか。「あなたは投資をしないほうがいい」というアドバイスも、本当は必要なはずです。「投資には手を出さない」という判断やライフスタイルがあってもいいはずです。今回は投資をする意味、投資との付き合い方を考えてみます。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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【目次】
1.金融商品への投資は必須ではない
2.投資をしないという意志決定もあり得る
3.投資をしないという生き方もある
4.なぜそれでも投資をするのか?
5.投資をする意味とは相場を通じて経済とつながること


 

金融商品への投資は必須ではない

投資も資産運用も、やろうと思えばだれでもできます。証券会社に口座開設し、お金を振り込んで、適当に株や投信を買えばいいだけですから。でもそういうことではありません。投資をすることが目的なのではなく「増やす」こと。つまり資産形成のはずです。
 
投資との付き合い方を考えてみる

投資との付き合い方を考えてみる


しかし、投資で利益を出すには、相応の知識、マーケットの風向きを読む力、決断力、欲に打ち勝つ力など、ビジネスでも要求されるスキルが必要ですから、言うほどカンタンではありません。にもかかわらず、運用技術の啓蒙なしに、ただリスクをとりなさいというふうにも聞こえ、なんだか無責任な印象を受ける人もいるでしょう。

情報が氾濫すると、なんだか簡単に儲けられるような気がしてくるものです。もちろん、ある時期のある局面では、その著者の言うロジックが当てはまるかもしれません。しかし、同じ局面が繰り返しやってくることはありませんし、時代環境が変わればまったく使えないということもよくあります。

では、そういう違う局面にも柔軟に対応できる眼力や技術を持て、というのも現実感に乏しい。みんなそんなにスーパーマンじゃないですし、そんなに時間をとれる人も多くないでしょう。

私は基本的に投資推奨派ですが、誰でも投資をやるべきだとは思っていません。なぜなら、やはり向き不向きがあるからです。それは能力の問題ではなく、価値観やライフスタイルでという意味です。だから、「あなたは投資をしないほうがいい」というアドバイスも、本当は必要なはずです。「投資には手を出さない」という判断やライフスタイルがあってもいいと思います。

 

投資をしないという意志決定もあり得る

「貯蓄から投資へ」、「お金は銀行に預けるな」という流れになって数年、世の中の知識人や経済評論家たちの発言の中には、「資産運用をしない人は愚かだ」と言わんばかりの論調もあります。でも、投資ってそんなに大事なことなのでしょうか?そうした風潮に違和感を覚える人もいると思います。

コントロールできないものに資金を出して目減りするリスクをかかえ、相場の変動に一喜一憂することに、意味を見いだせない人も多いでしょう。投資のために銘柄を調べたり、時間を使ったりするのは、なんだかバカバカしいと感じる人もいるでしょう。

日本人はリスク資産への投資がアメリカ人などと比べて低く、それがファイナンシャルリテラシーが低い原因だ、という指摘もあります。しかし、資産運用で増やす能力とファイナンシャルリテラシーとは、イコールではありません。資産運用はファイナンシャルリテラシーを構成するひとつの要素に過ぎず、稼いで貯めて上手に使うことができる人であれば、ファイナンシャルリテラシーは高いと言えるはずです。

それに、必ずしもアメリカ人のまねをする必要もないでしょう。そのアメリカ人が、以前の経済ショックではどれほどのダメージを受けたかも周知の事実です。

 

投資をしないという生き方もある

ですから私は、投資をしないという生き方があって当然だと考えています。投資をして増やす人が偉くて、何もせず銀行預金に入れておく人が愚かだ、なんてことはまったくありません。

そもそも、株や外貨や不動産は、別に生活必需品ではありません。あえてリスクをとってまで、お金に働いてもらおうとしなくても、自分が働いて稼いで貯蓄して備えるという方法の方が、十分に現実的な人もいるでしょう。

そうやって、投資という選択肢をなくせば、覚悟して本業に集中できます。本業を錬磨して、生活を安定化させようとしますから迷いがありません。自分で働くには限界があるから、老後の蓄えにするには不十分、という意見もあります。しかしそれは、「定年退職したら引退して二度と働かない」という旧時代の生き方を前提としているからです。

そもそも、働いて稼ぐというのは、価値を提供し感謝を受け取るという尊い行為です。だから、働けるまで働き続ける、という選択肢だってあるはずです。70歳を超えてもなお元気に仕事をしているおじいちゃん、おばあちゃんもたくさんいて、概して彼らのほうがエネルギーにあふれ、健康です。

「いろいろやってみたけど、やっぱり自分は投資には向いていないかも」という人は、世の中の風潮に流されず、堂々と「私は投資なんてしない」と宣言してみましょう。これでもう、余計な雑音は聞こえなくなります(もちろん、食わず嫌いでは世界が小さくなってしまいますので、興味を持ったら試すことは重要です)。

 

なぜそれでも投資をするのか?

ではなぜ私は、投資のおもしろさを語り、投資を勧めるのでしょうか?なぜ自分自身もいまだに投資を続けているのでしょうか?実際、そういう質問を受けることがあります。

まず、なぜ投資を推奨するかというと、相場変動の規則性を発見し、欲望をできる限りコントロールして資金投下すれば、やはり儲かる確率が高いからです。もちろん負けることもあるので資産形成とは呼べませんが、小遣い稼ぎくらいは十分可能だからです。前述の通り、私は暴落時に仕込むか、相場の波にちょっとだけ乗っかるかのどちらかですが、その方法だけでも、ちょっとしたサラリーマンの年収分の利益を得ています。

 

投資をする意味とは相場を通じて経済とつながること

次に、なぜ自身も投資を続けているかというと、経済への好奇心を失わず、潮流の変化を肌で感じたいからです。ポジションを張っていると、なぜ相場が変動しているかを考えます。たとえば貴金属を買っていれば、需給に影響を与える情報が自然に目に留まり、各国の資源獲得戦略や需要の動きが見えるようになります。

ドル円のポジションを張っていれば、アメリカのニュースにも注目しますし、各種統計数値がある程度頭に入ります。そうやって情報を集め、自分なりに理解しようとします。つまり、相場を通じて経済とつながることで、時代の流れに対する洞察を高めてくれるのではないか、という仮説を持っているのです。

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