ホラーが大好きな人もいれば、絶対に見たくないって言う人もたくさんいますよね。今回の記事では、、ホラーが嫌いな人でも楽しめるような、少しだけ怖い映画を集めてみました。また、何が怖いのか、なぜ怖いのか、分析してみました。パターン化してみると、あまり怖くないかも? それでも怖いかも? あなたはどちらでしょう?

ホラーはヒットしにくい

『シックスセンス』の画像
シックスセンスは歴代で一番ヒットしたホラー作品。
全米で一番ヒットしたホラー作品は、何だと思いますか? 99年の映画『シックス・センス』です。主人公は幽霊が日常的に見える少年。全く怖くないかといわれると、人それぞれなのですが、最後に待っている大きな驚きのおかげで、恐怖も吹き飛んでしまいます。

次が2000年にデジタル・マスター版になって蘇った名作ホラー『エクソシスト ディレクターズカット版』。怖いシーンがありますのでご注意を。『最終絶叫計画』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『ザ・リング』『THE JUON 呪怨』『最”新絶叫計画』と続きます。(これらは、かなり怖いです)。

300位より下では、『インタビュー・ウィズ・バンパイア』『スクリーム』などがあります。『スクリーム』は、ホラー映画の含蓄がちりばめられた面白い映画です。


インタヴューウィズバンパイアの画像
『インタヴュー・ウィズ・バンパイア』は、ホラー7位のヒット作。トム・クルーズやブラッド・ピットなどオールスター出演作。
日本映画のリメイクホラーが2本とも歴代ヒット作300位以内に入っているのはすごいことですが、一番のヒット作『タイタニック』と比べると、6分の1の興行収益です。ホラーは、R指定やPGー13などのレイティングのおかげで、ヒットしにくい面があります。にもかかわらずヒットした映画は、個性的で、ちょっと怖い映画も多めです。

レイティングのR指定は、アメリカでは、17歳以下は保護者の同伴が必要。PGー13は、一部子供に適さない場面があるため、保護者の同意が必要というもの。日本では、PG-12、R15などの区分があります。日本では、ほとんどのホラーがPG-12、つまり保護者の同意の下で鑑賞することになっています。
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幽霊ものは見えない世界への扉を開く

エコーズの画像
『エコーズ』のケヴィン・ベーコンの演技は迫力満点。
ホラーといえば、日本では幽霊もののイメージがありますが、洋画作品の幽霊ものは、さほど怖くありません。『ゴースト ニューヨークの幻』は、ラブストーリーですし、『ゴーストバスターズ』シリーズは、コメディタッチ。こども向け作品『キャスパー』シリーズでは、幽霊が可愛いキャラクターになっています。幽霊ものといっても、おどろおどろしいものは多くありません。一連のスプラッター作品のように、血が流れたり、グロテスクな表現がない分、安心して見れると思います。

幽霊ものの映画は、いるはずのないもの、あるはずのない世界への扉を、ゆっくりと開いてくれます。私たちのほとんどは、幽霊を見ることはできませんが、見える人だっているわけです。

ケヴィン・ベーコン主演の『エコーズ』では、見えるはずがないものが、突然見えてきて、混乱してしまう男が、描かれています。「なぜ見えるんだろう? ここに現れる幽霊は、何を求めているんだろう?」と、次第に謎解きに夢中になっていきます。幽霊が見えない彼の妻には、それが理解できません。見えなければ「いない」と同じですよね。

幽霊が見える人と、見えない人の間にある溝。それぞれが、相手が見ている世界を想像することもできないのです。それって、幽霊がテーマでなくても、よくあることですよね。

ホラーではありませんが、8月12日から公開される『ユナイテッド93』は、2001年9月11日、ハイジャックされた航空機に乗り合わせた人々を描いた映画です。ハイジャック犯と乗客は、理解し合えない背景と目的を持っています。しかし、その両者を待つ運命は同じという悲劇の実話です。運命の残酷さ、恐ろしさ、そしてそれに立ち向かう姿が、感動的な映画です。

この場合は、地球の反対側に住んでいるに人に対してですが、相手が何を見て、何を信じて、何を考えているのか、どういう存在なのか。それについての想像性を、日ごろから私たちが持てるなら、このような悲劇を起こさせないこともできるでしょう。でも、それはなんて難しいことなんだろうと考えてしまいます。
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ホラー映画のサービスシーンが恐怖を増幅する

オープンウォーターの画像
オープンウォーターはすべて本物を使ってる。そこが怖い。
『オープンウォーター』は、海洋に取り残される恐怖を描いています。慣れ親しんでいて、普段は全く恐怖を感じないものでも、状況が変わると大きな恐怖の対象に変わってしまいます。パニック映画でよくあるパターンです。

既知のものが未知に変わる恐怖を描いた映画はたくさんあります。『悪魔の棲む家』では、くつろげる場所であるはずの「家」が、『チャイルドプレイ』では人形が、『着信あり』では、携帯電話が、『0:34レイジ34プン』では、地下鉄の駅が恐怖を倍増させます。(『着信あり』は、かなり怖いので注意。『0:34レイジ34プン』はスプラッターですので注意)。

ホラー映画で、よく見かけるのが、何かが起こりそうで起こらない、緊迫した場面です。十分にやきもきさせた後、ありふれた物事が起こり、ホッとした瞬間、「怖いもの」に直面するというパターン。未知の恐怖と、それが知ってる(既知)ものだった安心感とが、交互に入れ替わるホラー映画のサービスシーンです。

『箪笥』は、号泣ホラー映画のコピーに恥じない、切ない映画です。日本映画の怖いシーンに似た「サービスシーン」も満載ですが、この映画の一番の目玉は、きっと誰もが持っている「思い込み」です。あまり近すぎるものであるために、敢えて見ないものの正体。映画では、誇張してますが、『暗闇のかくれんぼハイドアンドシーク』や『シークレットウィンドウ』でも、同じような「思い込み」が恐怖の背景にあります。

日本映画では、幽霊や怨念やが一番怖いものですが、洋画でそれに変わるものが「悪魔」です。私たちにはキリスト教の背景がないので、「悪魔」自体の恐怖感はありませんよね。よくできた「サービスシーン」がなければ、恐怖感は全く感じられないかもしれません。ですが、キリスト教の人々にとっては、悪魔は、幼いころから刷り込まれてきたものなのでしょう。「思い込み」ゆえの恐怖。「~であるはずだ」という恐怖。異質なものに対する恐怖です。

『森』や『田舎』、『共同体』も同じ「思い込み」の恐怖を誘います。敢えて勇気を持って知ろうとすれば、怖くないものかもしれないのに、それをしないために、恐怖の対象となってしまうのです。

今回の記事は、いかがだったでしょうか? 次回は、すご~くコワ~イ「怖い映画 上級編」を特集します。今回の記事で物足りなかったあなた、次回をお楽しみにしてくださいね。

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