日本に韓流ブームを巻き起こした「冬のソナタ」。その映像美と心が洗われるストーリーで知られるユン・ソクホ監督の最新作が10月5日から、NHK BS2でスタートします。「春のワルツ」は、「秋の童話」、「冬のソナタ」、「夏の香り」に続く四季シリーズ最終章。放送開始を目前に監督が来日し、「春のワルツ」について、そしてユン・ソクホワールドについて語りました。

「自然を背景に愛を描きたかった」

久しぶりに日本メディアの前に姿を現したユン・ソクホ監督
—作品の中には考え方や生き方というものが表れると思いますが、「四季シリーズ」を貫いている監督の考え方や生き方とはどのようなものでしょうか。

「季節は自然の中に一番よく表れます。自然を背景に愛の物語を描きたかったのです。人間も自然の一部であり、自然にいる中で自分が浄化・純化されるという気がします。文明が発展し純粋な感性が希薄になる中、そういうものを描きたいと思いました」


—「春のワルツ」にもとてもきれいな風景がたくさん出てきます。また、人の記憶について描くことが多いようですが、それはなぜでしょうか。
監督が最も思い入れのあるロケ地というハート型の湾のロケ地

「今回は撮影が始まる2年前から島のロケハンを始め、30箇所から40箇所を見てきました。韓国も現代化が進み、自分のイメージに合う島はなかなか見つかりませんでした。その中で発見したのが青山(チョンサン)島でした。また記憶というものは、すべての人が持っているもので、自分の中にある幼い頃の記憶が生きていく力を与えてくれることが多いと思います。私も先日、アメリカに住んでいる幼なじみに会い、語り明かしました。そういうことが生きる力を与えてくれる。記憶が時間と共になくなってしまうという思いがあり、それを残念に思っています。それをそのままにしていいのかという自問もあり、思い出を大切にしようという傾向にあるのかもしれません」

期待の新人ソ・ドヨンを主役に起用した理由は……次ページで!>>

ソ・ドヨン起用の理由は「目にたたえた深さ」

チェハ役のソ・ドヨン(右)とウニョン役のハン・ヒョジュ
—新人の起用が上手だといわれていますが、どのようなところをポイントにして選んでいるのでしょうか。

「もともと持っている天賦のスター性、人をひきつける魅力を見ます。また、ポジティブで人をひきつける魅力があるかどうか。それが親近感を与えるポイントなのです。四季シリーズではすべてにおいてそのような共通点があると思います。また、音楽を重視するので、オーディションではそのドラマの音楽に合うかどうかも見ますね」

—「春のワルツ」の主役であるソ・ドヨンとハン・ヒョジュさんを選んだ理由を教えてください。

「ソ・ドヨンはドラマに関してはほぼ新人ですが、彼の目にたたえている深さに魅かれました。それは韓国のほかの俳優とは明らかに異なる特徴です。ドラマがオーストリアを舞台にして始まるので、彼の持つ神秘性が生きてきました。一方、ヒロインのハン・ヒョジュにはポジティブな雰囲気がありました。つらいことがあっても明るく一生懸命生きる役ですが、彼女には前向きな感じを与えるという長所があったのです」

—今後はどんなドラマや映画を撮る計画ですか?

「四季シリーズを終えてリフレッシュする意味で、新しいジャンルに挑戦したいですね。ひとつは『冬ソナ』のミュージカルを準備中です。また、個人的に準備している映画があります。内容は申し上げませんが、日韓合作でもいいのではと思っています。富良野や小樽、湯布院などを回る機会があり、日本の美しい景色に出会いました。日本の美しい景色を生かして作品にしたいという好奇心、関心があり、日韓合作も視野においています」


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NHKの会見場をいっぱいに埋め尽くした記者たちの前で「こんにちは、ユン・ソクホです。どうぞよろしくお願いいたします」と日本語であいさつをした監督。
「四季シリーズの最後の作品であり、春という季節に合わせて新人を起用し、一生懸命作ったドラマです。これまでの3作で伝えたかった話をこの作品にすべてこめたつもりです。『冬のソナタ』のときに自分の感性が日本の人と非常に合うことを発見しましたが、『春のワルツ』でもそうなることを期待しています。応援をお願いいたします」
と、新しいブームへの期待と手ごたえを感じている様子を見せました。

■「春のワルツ」ストーリーは……次ページで!>>

「春のワルツ」ストーリー

四季シリーズ最終章を飾る「春のワルツ」(c)YOON`S COLOR
舞台は真冬のオーストリア。天才ピアニストとして名をはせる若者チェハ、そのマネージャーを務めるフィリップ、チェハに15年前から想いを寄せているイナ、そしてアクセサリーデザイナーのウニョン。4人は運命に導かれるようにしてめぐり合う。
チェハとウニョンの出会いは最悪だった。無愛想なチェハと、人なつっこいウニョンは会話もかみ合わない。しかし、チェハはなぜかウニョンのしぐさ一つ一つに、幼いころ一緒に過ごした少女の面影を見出す。一方、ウニョンもどこか影のあるチェハの存在が気になっていく。
 レコード会社の重役のキャリアウーマンのイナは、15年前に一緒にピアノを学んでいた隣の家の少年チェハのことが忘れられずにいた。ヨーロッパでの彼の活躍ぶりを記事で読んだイナは、チェハを韓国で売り出そうとオーストリアまでやってくる。少女のころからの熱い想いを胸に秘めながら…。
 そしてフィリップは、自分自身もピアニストを目指しながらチェハの才能にほれ込み、マネージャーとして、親友としてチェハをサポートしていた。そんなフィリップは、偶然空港でであったウニョンの純粋さに強く惹かれていく。
 やがて舞台は韓国・ソウルに移り、4人それぞれの想いが交錯しすれ違っていく中、少しずつ真実が明らかになっていく。ウニョンは、幼いころであったあの少女なのか…? チェハの過去とは…? そして、一途な愛ゆえのイナがとった行動とは?

ユン・ソクホ監督プロフィール

1985年にKBS入局。92年に「人生のリピートマーク」で監督デビュー。以降「フィーリング」「カラー」「プロポーズ」など次々とヒット作を制作し、数々の賞を受賞している。“映像の魔術師”といわれるほど、その繊細な色彩感覚と映像美に定評がある。現在はKBSを離れ活躍している。

これから放送予定の「春のワルツ」関連番組

「スタジオパークからこんにちは」
NHK総合テレビ 10月16日(月)午後1:00~
ユン・ソクホ監督生出演!

「アンニョンハシムニカ ハングル講座」
NHK教育テレビ 毎週火曜日午後11:30/(再)毎週日曜午前6:00放送
10月より毎週、「春のワルツ」コーナー新設!
BS2で放送中のドラマと連動して、毎週の見どころとセリフを解説します。
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