幻の名(迷?)バラエティ

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大人のコンソメ(DVD) 出演:おぎやはぎ、 劇団ひとり ほか
※いま見れば新たな面白さが発見できるかも。放映されたシーンはもちろん、新撮映像や特別企画などの未放映シーンなども収録。
テレビの世界では、昔からし烈な順位争いが繰り広げられてきました。視聴率競争は、ゴールデン、プライム、全日の3部門に分かれ、この3つを制覇すると「3冠王」を名乗り、社を挙げて鼻高々な状態がしばらく続きます。

ただ、この3部門のうち全日(全日平均)については、意外にご存じない方が多いようです(もともと視聴率は業界内の取り決めなので、当然といえば当然なんですが)。全日とは全放送時間という意味ではなく、午前6時~深夜0時までの18時間を指す用語なんです。

したがって、深夜0時以降の深夜番組の人気はカウントされませんが、その深夜帯での視聴率争いの中で健闘しているのが、テレビ東京なんです。予算も出演陣も他のキー局に比べて豊かとは言えない中、オリジナリティあふれる企画力で、目を引くバラエティをコンスタントに生み出し、他局と互角に戦ってる感があります。

テレ東バラエティのパイオニア

前置きが長くなりましたが、そんなテレ東の深夜バラエティ隆盛のきっかけになったのが、知る人ぞ知る「大人のコンソメ」なんじゃないかと。いや、これは統一見解ではなくて、当ガイドが密かにかつ、勝手に思っていることなんですが(笑)。

2003年秋にスタートした「大人のコンソメ」は、正直あまり注目されたとはいい難いものの、その後のバラエティへ確実に大きな影響を残しています。レギュラーメンバーは、おぎやはぎ、劇団ひとり、スピードワゴン、ダイノジ、そしてアシスタント的役割の白羽玲子。このメンツを7年前に揃えたことに、制作サイドの目利きぶりがうかがえます。

放送開始当初のコンセプトは「子供の疑問に対して。レギュラー陣が専門家にインタビューをする」というもの。実は当ガイド、番組立ち上がりの際に、スタッフの方へインタビューさせていただいたんですが、真剣な表情で話を伺いながらも、内心「その企画、どうなの?」と呟いていたのは、今だから言えるここだけの話。

7年前の番組を、なぜ今また語るのか?

出演陣が番組を愛していたのは確か

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ゴッドタン~キス我慢選手権 完全版~ (DVD) 出演:劇団ひとり、バナナマン, みひろ ほか
※番組の企画より、出演者の熱意が上回ったことでミラクルが起きた実例。その後スタッフが以前のものを上回るべく奮闘したからこそ、シリーズ通してのハイクオリティとなりました。
当ガイドの心配が的中したって訳でもないでしょうが、「大人のコンソメ」は旬の芸人をそろえながらも、それほど話題にはなりませんでした。ただ、出演者のやる気が全編からみなぎり、基本テーマはともかく、フリートークになるとメチャメチャ面白かったりして、みんなに愛されている番組なんだなということはビシビシ伝わってきましたが。

その後、当初の企画は大幅にリニューアルされ、紆余曲折があった後に始まったコーナー「ブルードラゴン」が、これまた凄かった!! 一対一で向き合った二人が、話術のうまさだけで相手に青汁を飲ませるように仕向けるというコンセプトで、おそらく一般視聴者には何のことだか皆目見当が付かなかったことと思います。


打ち切り番組の遺志は子孫に受け継がれ

しかし、それでも見ていて飽きが来なかったのは、出演陣が「何とかして面白くしてやろう!!」という熱意を持ち、目一杯個性を発揮していたからかも。ちなみにこの企画、実質的な後続番組である「ゴッドタン」の中で、「アイドルにおっぱいを見せてもらおう」という無謀企画に換骨奪胎され、人気を集めています。

「大人のコンソメ」自体は、半年間で終了となりましたが、先ほど挙げた「ゴッドタン」をはじめ、「もやもやさまぁ~ず2」「アリケン」「やりすぎコージー」「音楽ば~か」などに、精神が受け継がれている気がします。

「コンソメ」という言葉には、フランス語で「完成された」という意味があるそうですが「大人のコンソメ」は完成からもっともかけ離れたところにあった、ある意味、とてつもない実験番組だったからこそ、後続のバラエティの中に、そのスピリットが綿々と受け継がれているんですね。

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