そもそも「タイアップ」って何のこと?

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タイアップの歌謡史 (新書y) 速水健朗 (著)
※もう一つのタイアップについて知りたい方には、こちらをお勧め。さまざまな媒体と手を組み名曲を生み出してきた歴史がまとめられています。
「タイアップ」ってご存知ですか? テレビで頻繁に耳にするので理解してるつもりになってても、正確なところとなると戸惑ってしまうのでは。

辞書には「協力・提携して行うこと」と簡潔に記されてますが、テレビ等で聞くタイアップは大きく分けて2つですね。一つはCMソングやドラマ主題歌などに起用される楽曲。そしてもう1つは、番組制作に協力することで、商品および企業をアピールしてもらうこと。

今回は後者のタイアップを取り上げ、番組本編の中で取り上げられることで、CM以上の効果を挙げている現状について考えてみたいと思います。

アイデア次第で魅力度アップ

長引く不況に加えて、過激な演出を嫌う激しい規制が課せられるようになったことで、バラエティの傾向は明らかに変わってきました。以前はお笑い芸人がメインであれば、体を張った過激なコーナーが多く、セット等にもかなりの予算を掛けてました。

それが最近では、出演者の大半がお笑い芸人であっても、終始椅子に座ったままで番組が進行するものが増えてきたようです。もちろん、それで充分成立するのは、芸人全体のスキルが向上したことがあるんですが。

それにともなって増えてきたのが、笑いながら楽しめる情報バラエティ。この手の番組は以前からあったものの、芸人主導のものは、スタジオトークはもちろん、取材VTRの端々にも遊びが凝らされてるのが人気の要因。そのVTR作りに多大な貢献をしているのが「タイアップ」なんです。

情報バラエティとタイアップの関係って?

フツーのタイアップじゃもの足りない!?

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とってもおいしいです~食べ歩きAD堀くんのご当地グルメお初店ガイド 東京編(単行本) テレビ朝日シルシルミシルチーム(著)
※人気テレビ番組「シルシルミシル」から生まれた大人気AD堀くんのグルメガイドがついに登場!普段の姿など番組では見られない貴重なショットも満載!!
大まかに言ってしまえば、情報バラエティはお店や商品のタイアップなしには成立しません。ただ、これまでのやり方では大部分が、一連の情報をストレートに発信するものが中心でした。

紀行ものグルメものなど各種ありますが、レポーター達が美味しく料理を食べ、楽しくスポットを巡ることで、視聴者に情報を伝える。これ自体はかなり昔からあるオーソドックスなスタイルですね。

しかし最近の情報バラエティは、情報以上にバラエティ度を上げることに気配りしてます。その代表格がテレビ朝日の「シルシルミシル」。AD堀くんが活躍する「外食店激戦地のお初」をはじめ、どの取材VTRにも笑える演出が盛り込まれてます。

トーク番組の中でのタイアップ効果

また、ひな壇トーク番組ながら「アメトーーク」(テレ朝)も、コアなタイアップ情報を爆笑とともに伝えてくれます。「餃子の王将」ブームを生み出し、「家電芸人」という流行語を発信し、椿鬼奴をブレイクさせた(これはチョット違うか?)、メチャメチャ訴求力の高い情報番組でもあるんですよ。

こうした成功例をふまえて、昨年秋にスタートした深夜の帯番組が「お願い!ランキング」(テレ朝)。何だかテレビ朝日の番組ばかりのようですが、こうした傾向の番組作りを局挙げて意識的に制作しているようにも見えます。

究極の疑問、タイアップとCM、どう違うのか?

タイアップは瞬発力、CMは持続力

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アメトーークDVD9
※シリーズ累計70万枚突破!アメトーーク第3弾DVD発売決定!「後輩の山崎に憧れてる芸人」「小杉イジりたい芸人」「椿鬼奴クラブ」など人気トーク企画が収録されてます。
これほど影響力を持ち始めたタイアップ企画。じゃあ、CMとどう違うの? と思われた方もいるでしょう。法律的な区分や実際の制作手順など相違点は数多くありますが、最大の違いは訴求力でしょう。

何度も繰り返しオンエアされるCMは、見ている側にイメージが蓄積されることで商品への購買力をアップさせます。それに対して一回きりのタイアップは、ありきたりのものならその場限りでしょうが、番組として面白ければ強く記憶に残り、家族や友人との話題に乗るなど、大きな効果を挙げられます。

それまで男性客中心だった「餃子の王将」に若い女性も立ち寄り始め、行列までできるようになったのは、まさに番組とのタイアップ効果でしょう。ただ、もともとお店や商品に、番組を盛り上げられるだけの魅力があったからこそのブームとも言えます。

どーなる? 今後のタイアップ企画

ここまでタイアップ企画の現状について紹介してきましたが、今後の展開はハッキリ言って未知数です。現時点ではテレ朝が独占しているかのような制作手法ですが、他局だってこのまま見過ごしてるとは思えません。新たな切り口でタイアップを実現する情報バラエティだって出てくるかもしれません。

多くの番組が取り入れるようになれば、問題点も生じてくるかもしれません。ただ、さまざまな制約で多少閉塞気味なところもあるバラエティの世界にとっては、魅力的な鉱脈となることは間違いのないところでしょう。
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