「愛と青春の宝塚~恋よりも命よりも~」が12月2日(火)~12月22日(月)、新宿コマ劇場にてミュージカルとして上演されます。

この作品は2002年、新春スペシャルドラマとしてフジテレビ系列にて藤原紀香さん主演で放送されました。
魅力的な女優俳優陣の演技、映画並みのスケールの大きさなどに加え、宝塚大劇場を使っての豪華な舞台シーンや、元宝塚や現役生徒の多数出演などで大きな反響を呼びました。
また昭和10年代当時の宝塚歌劇団の足跡から稽古場や楽屋などの風景、セリフの一つ一つに至るまでが「まさにこの通りだったのだろう…」と感じることのできる素晴らしいドラマでした。


ストーリーは……リュータンこと嶺野白雪が雪組のトップスターとして人気を得ていた頃、宝塚歌劇団に入団し、雪組配属となった橘 伊吹と星風鈴子と紅花ほのか。それぞれ夢や悩みを抱えながらも、切磋琢磨する彼女たち。
しかし第二次世界大戦の嵐はやがて宝塚歌劇にも襲い、劇場は軍によって閉鎖され、タカラジェンヌたちは満州への慰問や軍需工場で働くことに……。
それでも舞台人として、また一人の女性として、自分の大切なものや、今、自分がすべきことを探しつつ、強く懸命に生きたタカラジェンヌたちと、それを愛する男たちの物語です。


では今回の舞台の見所をご紹介しましょう。(以下、敬称略)


元トップスターの競演

元タカラジェンヌがタカラジェンヌ役を演じるというのが大きな見所です。

そして主なキャスト4役を、8名の元宝塚歌劇団トップスターがWキャストで演じます。

主役の嶺野白雪(リュータン)役は、元月組トップ・紫吹 淳&元星組トップ・湖月わたる
橘 伊吹(タッチー)役は、元月組トップ・彩輝なお&元宙組トップ・貴城けい

左から、貴城けい、湖月わたる、紫吹 淳、彩輝なお



星風 鈴子 (トモ)役は、元星組トップ娘役・星奈優里&元花組トップ娘役・大鳥れい
紅花 ほのか (ベニ)役は、元宙組トップ娘役・紫城るい&元月組トップ娘役・映美くらら


2001年から2007年の間に退団した彼女たち。同じ組で育った人、同じ作品に出演した人、トップコンビを組んでいた人など、多くを語らなくても分かり合える絆を持っています。
しかし退団後に、このような形で一つの作品に出演するのは稀なこと。

またWキャストですから、様々な組み合わせを味わえますね。

*それぞれの役の紹介はこちらを。
*ドラマで米倉涼子さんが演じた室町エリと、ユースケ・サンタマリアさんが演じた辻清志役は、今回の舞台には登場しません。


女性アンサンブル

オーディションで選ばれた女性アンサンブルも全員元タカラジェンヌ。

『I GOT MERMAN』を初め多くの舞台で活躍の元花組の実力派スターだった福麻むつ美(翼 悠貴)や、演技派として貴重な存在だった真山葉瑠を筆頭に、現在も舞台でテレビで映画で活躍中の30名。

大きな通し役ではないものの、初舞台生や同期生、寮母など、一人が何役もこなすこととなります。

主要キャスト4名を取り巻き、芝居を支え固める30名の元タカラジェンヌの活躍も楽しみです。


実力派の俳優たち

影山航役には、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などの主演で名高い石井一孝。

速水悠介役には、出演のみならず数多くの舞台演出や振付もこなす本間憲一。

オサム役には元・光GENJIの佐藤アツヒロ。

他、ミュージカル界で活躍中の小林アトム、谷本充弘、矢崎広と、芝居・歌・ダンスの実力派が揃いました。


スタッフ

脚本はドラマ同様、NHK大河ドラマ『功名が辻』やCX『暴れん坊ママ』などの脚本を手がけ、この本の原作者である大石 静。

演出は、劇団「自転車キンクリート」の主宰者で、厳しく緻密な演出が評判の鈴木裕美。昨今『宝塚BOYS』で第33回菊田一夫演劇賞を受賞しました。

作曲は、昭和の多くの名曲を作り、劇団四季『ミュージカル李香蘭』『ユタと不思議な仲間たち』などの作曲でも知られる三木たかし。

振付は、宝塚歌劇の振付でもお馴染みの前田清美です。


ドラマは2夜連続、合計5時間ありましたが、舞台は休憩を含めて約3時間。ミュージカルに、宝塚歌劇に精通したスタッフ陣の構成が楽しみです。


宝塚歌劇の舞台シーン

宝塚ファンの方々が期待するのは、豪華な舞台シーンでしょうか。メインは舞台の下ですが、舞台上のシーンも挿入されます。

また本編の後に5分ほどのフィナーレが付くとのこと。

観客は、元タカラジェンヌたちの「もう観ることはできない…」と思っていた現役時代にタイムスリップできるでしょうね。

出演者たちも「もう使うことはないだろう…」なんて思っていた舞台用の男役グッズや娘役グッズの封印が解かれることに?

(フィナーレは、新宿コマ劇場の舞台機構を想定して作られるものなので、後記の全国ツアー公演でも同様のスタイルで行われるのかどうかは現在未定とのこと。劇場関係者談)


さようなら、新宿コマ劇場

1957年(昭和32年)こけら落とし公演を行った新宿コマ劇場。その後、ジャンルにとらわれず様々な公演を打ち、多くのスターを輩出し、多くの大衆に親しまれてきました。

その新宿コマが老朽化に伴い閉館となります。大晦日に歌番組の収録があるものの、公演としてはこの『愛と青春の宝塚~恋よりも命よりも~』が最後となります。

新宿コマ劇場と宝塚歌劇団の縁は深く、昭和40年代、50年代には、年に1、2ヶ月、新宿コマ劇場公演がありました。昨今雪組で再演された『星影の人』の初演も、この新宿コマ劇場でした。
越路吹雪をはじめとする多くの元タカラジェンヌたちも、この舞台で飛躍しました。

それは、宝塚の生みの親、小林一三翁の最後の事業であったのが、この新宿と梅田のコマ・スタジアム開場だったからでしょう。

最後の公演が元タカラジェンヌ出演による宝塚歌劇を描いた作品、一三翁らが翻弄した戦時下を描いたものであるということに、深い縁の絆を感じさせます。


全国ツアー公演

新宿コマ劇場公演の後、12月27日より2009年3月10日の長きに渡り、北海道から鹿児島まで全国ツアー公演を行います。

Wキャストである主要キャストは、マチネまたは数回ある会館では、別の組み合わせとなっています。

休みの回の4名が、舞台裏で早替りのお手伝いをしている光景が…想像できますね…


T4

紫吹 淳、湖月わたる、彩輝なお、貴城けいの元トップスター4名による、T4なるユニットが誕生!

12月3日(水)にはシングルCDもリリースされます。作詞作曲は舞台と同様、大石静&三木たかし。

またフジテレビ「お台場オトナPARK2008」のイメージソングにも決まり、オープニングイベントなどにも登場。
メディアでの露出も期待されるところ。

目下のT4出演のテレビ出演予定は——
12月8日「HEY!HEY!HEY!」
12月10日「魁!音楽番付~JET~」

他にも現在調整中の番組があります。フジテレビ系列の番組をチェックされてみて下さいませ。こちらもわかり次第「タカラジェンヌをTVで!!【○月の番組】」にてご紹介します。


と……魅力と話題満載の『愛と青春の宝塚~恋よりも命よりも~』をぜひご期待下さい。


あらためて思います。
この悲惨な時代でさえ、宝塚歌劇団を守り抜いたタカラジェンヌたちやスタッフ、そして何より、宝塚歌劇を愛して下さるお客様がいらっしゃったからこそ、宝塚歌劇団は創立95周年(2009年)を迎えることができるのだと。


■関連リンク

『愛と青春の宝塚~恋よりも命よりも~』(フジテレビ)

T4『恋よりも命よりも』

新宿コマ劇場
お台場オトナPARK2008


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ドラマ『愛と青春の宝塚』

●主要キャスト8名の退団時の記事
月組トップ・紫吹 淳
星組トップ・湖月わたる
月組トップ・彩輝 直
宙組トップ・貴城けい
星組トップ娘役・星奈優里
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宙組トップ娘役・紫城るい
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宝塚歌劇団 トップスターの変遷

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