「宝塚ファン」ではメールマガジンのバックナンバーを公開していません。また申し訳ありませんが、再発行もできません。ですので不定期に、バックナンバーを少しずつご紹介いたします。

【54号 2001年3月22日発行】

■衣装に付いている“おかき”って?


久しぶりに宝塚テキWordといってみましょう。お題は——おかき。食べればパリっと……ちゃいまんねんっ! 衣装に付いている芸名が書かれた布のこと。?
……説明、終わってしまいました。“おかき”=名札!

ひと公演で何百枚という衣装が使われる。全く同じ衣装もたくさんある。名前が書いてないと、わかんなくなっちゃう。生徒も、そして衣装部さんも。誰が名付けたのか、その名札のことを“おかき”と言う。

“おかき”の人相——5cm×3cmぐらいの白い布。そこに苗字だけ書かれてある。それがすべての衣装に付いている。
付いている場所は、それを着て踊ったりしても、お客様から見えない場所。男役さんのジャケットなどは後ろの襟元、娘役のドレスなんかは、前の胸元や背中のファスナーの辺りなどなど。

“おかき”が付けられないほど小さなもの、例えば……蝶ネクタイなんかは、ペンで直に書いてあったりする。黒の蝶ネクタイに、どうやってペンで名前を書くのかって? 蝶々の部分は黒でも、白のゴムが付いていて、それを首に通すのだから、ゴムの部分に書けるのよん!

どれが誰の衣装かを示す“おかき”。本番中以外にこんな時に便利。それは「衣装合わせ」の時。

ご存知のように宝塚の衣装、毎公演すべてが新しい衣装ではない。以前使用した衣装を、飾りを変えたりリメイクして使用することも多い。と、ここまで覚えておいて下され。
だから……一旦付けた“おかき”は、取らない。(う~ん、どうやって説明しようかしら?)

——ある公演で○○さんが着る衣装に「○○」という“おかき”を付ける。わかるね?で、その後の別の公演でその同じ衣装を●●さんが着ると「●●」という“おかき”が付く。
その時に、前回の「○○」という“おかき”は取らないの。「○○」の上に「●●」を貼るわけ。めくればちゃんと「○○」も見えるように。

その衣装を今までに10人の生徒が着たとしたら、10枚の“おかき”が付いているということ。その衣装を着た生徒歴代の名前が“おかき”によって綴られているわけ。“おかき”が歴史を物語ってくれているというか、そんな大げさなもんでもないが……。

さて、じゃあそれがナゼ「衣装合わせ」の時に便利かと申しますと——

新調でもなく一点ものでもない衣装を合わせる時、衣装部さんはこんなことを言う。「この中から、自分に合うのを探して、合わせてみて~」。生徒はその数着または数十着の衣装の中から、自分に合うのを必死に探す……そうだ! 今こそ“おかき”の出番だぁ!

いちいち衣装を着せ替え人形のようにとっかえひっかえ着て合わせなくても“おかき”を見れば“これが自分に合いそう”とわかるんだなぁ。“おかき”の名前——つまり、以前それを着た人を知ることによって“私はコノ人とサイズが似てそう”とね。

だから、お話したこともない他の組の生徒さんの体型を、結構わかっているということ。もちろん横で「その人のは、ちょっと大きいんじゃない?」なんて、衣装部さんもツッコンでくれるけどね。

たまに、以前の公演で着た衣装をまた同じく自分が……なんてのもある。自分の“おかき”が付いたのを探せばいいわけだから早い。そんなことも、何度かあったなぁ。

そう思うと——今公演中の『琥珀色の雨にぬれて』で「桜木」の“おかき”が付いた衣装を、誰かが着ている……ということです。なんだか……うれしいなぁ。ワタシの分まで頑張って、肩甲骨を伸ばしてタンゴってちょーだい!
【60号 2001年5月3日発行】

■衣装って洗濯するの?


気づけば5月。半袖の洋服が恋しい時期がやって参りました。うれしいです、主婦としましては。だって洗濯が楽でしょ? 冬は下着も多いし重ね着してるし、なかなか乾かないし。絶対夏の方が楽に決まってる! そう、洗濯。

一ヶ月余りの舞台。汗もどばどばかいてるし、ドーランや口紅など化粧の汚れも付いている。「ちょっと汚いんじゃない?」「でも、公演中に衣装の洗濯ってできるの?」
そんな?にお答えいたしましょう。

まず結論から。洗濯する衣装(洗えるもの)としない衣装(洗えないもの)に分かれる。この別れ道は——宝塚の衣装を思い浮かべてみて下され。う~ん、見えてきたかい?

【洗えないもの】
ドレス、スーツ、タキシード、燕尾服、飾りがたくさん付いている衣装、着物類……と、実はほとんど。
こーゆうヤッカイな衣装は、公演がすべて終わった後に汚れを取ったり、飾りを取って洗濯したりする。

目立った汚れが付いちゃった場合は? その代表格が“口紅”。早替りや踊っている最中に付けてしまう。自分のではなく、他の生徒さんの衣装に付けちゃうと最悪。
こーゆう汚れは、衣装部さんがひとつひとつベンジンなどで取る。生徒が自分で取ろうとすると、余計汚くなって大変なことになる。プロにお任せ。

舞台で付けちゃった汚れじゃなく、飲み物や食べ物のシミなんかは? 原則として、衣装を着てる時の飲食は×! ズボンの膝が出ちゃうから、男役さんは下に座るのも×! 衣装部さんに怒られるぞー。

【洗えるもの】
レオタード素材の衣装やタイツ、ブラウスや男役さんのYシャツ類、下着のキャルや襦袢などなど。つまり家庭の洗濯機で洗えそうなものは“する”ということね。

でも毎日洗うわけではない。“洗濯日”と呼ばれる日のみ。それは休演日の前日。「今日は洗濯日でーす!」と聞けば、終演後にその衣装を衣装部に持ってゆけばよい。
で、休演日の間に洗濯が実行され、休み明けには汗も汚れも取れた美し~い衣装(たまに…縮んだり…特にキャル…)となって戻ってくるわけ。アイロンの必要なものはパリッ!

洗濯が終わり戻ってきた時になくてはならないもの……それは以前ご紹介した衣装の名札“おかき”。
衣装部に山のように積み上げられた洗濯済みの衣装たち。どれが自分のかなんてわからない。だいたい洗濯に出す衣装って、人と同じのが多かったりするし。だから“おかき”はここでも本領発揮。

洗濯日に洗濯してもらって汚れは取れても、汗をかく量が半端じゃないから、ちょっと嫌~な時も。2回公演の2回目なんて、汗で衣装がひんや~り。これはキモチワルイ。汗でびっしょりの衣装は終演後に、風通しの良い場所やエアコンの前に吊るして乾かしたり。

全国ツアー。これは洗濯日もナシね。おまけに脱いだ衣装を吊るす間もなく、ボテにすぐ片付けるから……

えっ? 汗臭いって? まさか! 失礼ね。
タカラジェンヌは夢を売るフェアリーよ。汗だってフローラルな香りなの。


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