「……また?」「どーして?」と思われたファンの方は多いでしょう。ブンちゃんこと雪組トップスター・絵麻緒ゆうさんが、トップスターとしてのお披露目公演を最後に退団することが4月19日の記者会見で発表されました。
退団理由は——劇団の方針に従った——とのこと。

前トップ・轟 悠さんの専科移籍に伴い、当時専科に在籍していた絵麻緒さんが雪組新トップに内定されのが昨年9月3日。その後二番手として雪組公演に出演し、今年3月~4月、新トップとして特別公演に出演。

5月24日から始まる『追憶のバルセロナ』&『ON THE 5th』が本公演(宝塚大劇場&東京宝塚劇場)でのトップスターお披露目公演となっていました。
そのお披露目公演が……サヨナラ公演に。これは花組トップスター・匠ひびきさんと同様のパターンです。

さらに、絵麻緒さんの相手役に抜擢された娘役トップ・紺野まひるさんも同時に退団。人気も実力も備わった両トップスターが、トップスターになったと同時にその公演で退団する——この異例の状況に驚きを隠せません。

またこの記者会見で、芝居でもショーでも貴重な存在であり、ファン層の広い専科の成瀬こうきさんの退団も発表されました。これからの活躍が期待され、やがてはトップスターにという声も多かった成瀬さんの退団に驚かれたファンの方も多いでしょう。

今月9日、新生雪組のお披露目公演の制作発表が行われたばかり。その席では、もちろん決まっていたであろうこのスピード退団についてのコメントは一切ありませんでした。それは、公演を協賛する化粧品会社への配慮から伏せられていたということ。

しかし、お披露目公演=サヨナラ公演になることは、昨年9月の時点で決まっていました。発表されなかったのも劇団の方針でしょうが、それを言えなかった、それ以上に、それに従わなければならなかった?絵麻緒さんらの複雑な思い……。
部外者の私、大所帯を抱える企業の方針について言える立場ではありません。以下はあくまでも私の感想として聞き流して下さい。

宝塚歌劇団の“よさ”それは“育てる”というシステムにあると思っています。劇団が生徒を、先輩が後輩を、観客が舞台人を……。例えトップスターというピラミッドの頂点にいる生徒でさえ、育てられてこそはじめて“本物のトップスター”になるのではないでしょうか? 

トップスターとしてふさわしい生徒がトップスターに任命されるわけで、もちろん絵麻緒さんもその一人。しかしトップという看板を背負ったその日から“トップスター”になるのではなく、何作もの作品に出演し、いろんな役を演じ、苦労し感動し、時には頭を打って日々を重ね、最後の最後に“本物のトップスター”になる……そんな風に思います。

トップスターに限らず、その組の生徒たちも同じ。新しいトップの元でまた新たな自分を育てる……。二番手の男役スターは、二番手というポジションを経験し全うし、そして次のトップスターとなるべき自分を育てる……。宝塚はそれができるところなのです。

記者会見で絵麻緒さんが「一公演だけで退団するのは残念……」とコメントを残しましたが、彼女の目指すトップスターになるためには“もっと年月を重ねたかった……”。
おそらく花組の匠ひびきさんも同様な気持ちと思います。

歌劇団が生徒を思い、ファンの方々の思いも考慮しながら新しい方針を打ち出していることはわかっています。関係者ではない私たちには到底知ることのできない“守り続けなければならない責任”の難しさ。それを承知の上で言うと「甘いなぁ…」と思われるでしょうが、生徒本人とそのファンの方々にとっては、あまりにも不本意な結果になってしまったと思う今回の退団劇でした。

結局——絵麻緒さん&紺野さんトップコンビが、そして成瀬さんはじめ退団者の皆さんが、彼女たちそれぞれが目指す最高の舞台人として“すべて”を出し切ることを願い、私たちはそれを感じることしかできないのでしょうね。


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<関連サイト>
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