最新機構を備えた舞台は宝塚大劇場とほぼ同じ大きさで、幅47m、奥行き18m、高さ18m、セリ6基。もちろん銀橋も花道もオーケストラボックスもあります。1階2階合わせて2069席ある客席は前列の人で見えにくくなるのを防ぐため、すべて互い違いになった千鳥配置に。2階席は以前より前面にせり出しているため、舞台に近くなり、臨場感が味わえます。

エントランスロビーは光の花束と題される豪華なシャンデリア、真っ赤な絨毯を敷き詰めた大階段など、上品で美しい造りに。建物3階にあたる客席までエスカレーターで上れる、女子トイレを85個設置、2階最後列は当日券にするなど、観客思いの構造・システムとなっています。

また、トピックスのひとつが劇場支配人に小川甲子さん、というより元花組トップスター甲にしきさん(故・萬屋錦之介夫人)が就任されたこと。切れ長の目に色気があって、とてもエネルギッシュで華のあるスターさんでした。経験者だから理解できること、例えば——この場所にもうひとつ、早替り用の鏡を付けて欲しい——なんていう生徒の意見も、伝わりやすいと思います。甲さんの支配人就任は、まさに適材適所ではないでしょうか。

新しい劇場…羨ましい! 旧劇場とは大違いで、足の踏み場もないほど狭い大部屋も、すぐにヒューズがとんでドライヤーが使えなくなることも、早替り場所が少ないため、階段の途中で着替えるなんてこともないのでしょうね……。確かに旧劇場はヒドカッタ。何せ、1934年に建てられたものでしたから。でもひどかったけれど、楽屋のあちらこちらに貼られた生徒達の千社札と共に思い出や愛着は山積み。この思い出話は、また後日。
このこけら落とし公演が東京宝塚劇場での最後の舞台となる月組トップスター、マミこと真琴つばささんは私より3期下の下級生。マミが花組にいた頃、本公演はもちろん、新人公演やバウホール公演で一緒に汗した仲間です。当時から、やがて大物になるであろう男役としての風格や、次はどんな色を見せてくれるのだろうといった期待感や魅力を感じさせてくれたマミちゃん。7月の宝塚大劇場サヨナラ公演まで、貴女らしく走って下さい。

こうして素晴らしい劇場がOPENし、以前は通年7カ月だった東京での宝塚公演は12カ月、つまり1年中となりました。生徒にとってもファンにとっても、この上もなく嬉しいことです。この恵まれた環境に、生徒達は観客に夢や感動を与えられる舞台を目指し、さらに頑張ってゆくことでしょう。そして小川支配人の「皆でこの劇場を育てていきましょう」という言葉通りに、皆で東京宝塚劇場という空間を作り上げてゆきたいものですね。
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