春ドラマも最後にスタートした『魔女裁判』をのぞき2話までの視聴率が発表されてだいたい見えてきました。いつもの春ドラマ分析を始めましょう。

グラフはいつもと同じく縦軸が記事を書いている時点で最新の4月21~27日の視聴率、横軸は初回視聴率と最新視聴率との差で、初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値だから、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか(またはつまらなかったか)を示すはずです。

そして今回は放送局別に分類できるのが特徴です。



絞って成功

好調なのは火曜22時を撤退してプライムタイムのドラマを二枠に絞り込み、さらに内容的にも尖った路線の日本テレビ系。

特に『アイシテル~海容』は少年犯罪の加害者と被害者、二つの家族をリアルに描くという重い内容ながらこれまで放送の三回、毎回少しずつ視聴率があがっています。
加害者の父・野口和彦(山本太郎)が「こうなったのは君のせいだ。」と妻・さつき(稲森いずみ)を責めるのも、弟がかわいがられすぎて「消えちゃえばいい」と思っている姉・美帆子(川島海荷)など、いちいち心情が理解できます。さらに被害者の母・小沢聖子(板谷由夏)も「子どもをほっといてランチを楽しんでいた」と攻められるなどメディアスクラムも存分に描かれてます(テレビ局自身のことはおいといて)。
問題はリアル過ぎて救いがあるのか?ということ。タイトル「海容」からして最後にはある境地にいたるんだろうけど、それまで煩悶は続きそう。そんな中でホッとできたのはさつきの母・敏江(藤田弓子)が出てきたところ。事件のことを知らないふりをして包み込む姿は癒されるとともに、これをいずみができていれば事件もおきなかっただろうと思わされます。

それに『ザ・クイズショウ』も変わった設定ですが人の真実をあばくシリアスな作品です。すでに深夜ドラマとして一度つくられているから内容については不安はありませんでした。ただ深夜枠ではラーメンズ片桐仁がMC、戸次重幸がプロデューサ役だったのが、MC櫻井翔、ディレクター横山裕にかわりました。櫻井翔は主演経験もあるし映画『ヤッターマン』をこなして上り調子だから安心だけど、横山裕が不安でした。しかしできたのを見ると、横山裕も番組を支配する役をふてぶてしく演じていて一安心。対していつもは落ち着き払った役が多い真矢みきが振り回されるプロデューサ役で、そのギャップも楽しめます。

同じく嵐の大野智が主演の『歌のおにいさん』もテレビ番組の制作現場が舞台でしたが、今の時期このパターンが有利なのは制作費の節約。ドラマ中番組のセットは毎回つかいまわせるし、ほとんどテレビ局内で収録ができます。さらに『ザ・クイズショウ』はドラマ内の時間進行と現実の時間をほとんど一致させて、リアリティや緊迫感を高めるという効果を得ています。

次は「期待の割には」