誠の旗の下に
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いよいよ大詰めの大河ドラマ『新選組!』

放送終了後に総集編が放送されるのは大河ドラマの定番パターンです。しかし『新選組!』では総集編以外にも第33回「友の死」が12月30日に再放送されることが発表されました。

「友の死」は総長・山南敬助(堺雅人)が新選組に自分の居場所がなくなったと感じ脱走、そして隊のことを考えて捕まり切腹するという、芹沢鴨(佐藤浩市)の死んだ第25回「新選組誕生」と並び『新選組!』のターニングポイントとなった回です。

反響が大きく再放送希望も多数、芸術祭参加のためのハイビジョン放送に続きNHK総合でも再放送となりました。

その好評をささえたのは常に微笑んでいるが眼差しはするどい堺雅人の演技です。堺雅人は早稲田大学演劇研究会から92年に劇団「東京オレンジ」旗揚げに参加し、中心メンバーとして活動。一般に知られるようになったのは、朝ドラ『オードリー』の杉本英記役からです。


正体は小劇場系俳優

『オードリー』では「惑星ピスタチオ」出身の佐々木蔵之介も注目されるなどNHKドラマは小劇場系俳優がメジャーになるきっかけになりやすいのですが、『新選組!』は脚本の三谷幸喜が劇団「東京サンシャインボーイズ」を主宰(現在は休止中)していることもあり、特に小劇場系俳優の活躍が目立ちます。

『新選組!』キャストのうち主な小劇場系の俳優を次ページの表にまとめました。


小劇場系俳優の見本市

最大勢力はやはり三谷幸喜主宰の「東京サンシャインボーイズ」ですが、さまざまな小劇場系劇団がありカタログのようです。

現在も活動中で人気の東京オレンジ、カムカムミニキーナ、ナイロン100℃、大人計画。
老舗の東京ボードビルショー、そとばこまち、スーパーエキセントリックシアター、劇団☆新感線。
すでに解散したオンシアター自由劇場、夢の遊眠社、遊◎機械/全自動シアターなどなど。

新選組隊士
役名俳優名所属・出身劇団
山南敬助堺 雅人東京オレンジ
新見錦相島一之東京サンシャインボーイズ
松原忠司甲本雅裕東京サンシャインボーイズ
武田観柳斎八嶋智人カムカムミニキーナ
井上源三郎小林 隆東京サンシャインボーイズ
谷三十郎まいど豊東京ヴォードビルショー
河合耆三郎大倉孝二ナイロン100℃
平山五郎坂田 聡ジョビジョバ
尾形俊太郎飯田基祐劇団方南ぐみ
篠原泰之進小梶直人ショーマ
加納鷲雄小原雅人東京サンシャインボーイズ
佐野七五三之助安藤 聖劇団前方公演墳
新田革左衛門赤堀二英スーパーエキセントリックシアター
新選組以外
宮川音五郎阿南健治東京サンシャインボーイズ
佐藤彦五郎小日向文世オンシアター自由劇場
初菊平岩 紙大人計画
孝庵笹野高史オンシアター自由劇場
清河八郎白井 晃遊◎機械/全自動シアター
殿内義雄生瀬勝久劇団そとばこまち
永井尚志佐藤B作東京ヴォードビルショー
勝 海舟野田秀樹夢の遊眠社
山岡鉄舟羽場裕一夢の遊眠社
広岡子之次郎橋本じゅん劇団☆新感線
大場一真斎佐渡 稔東京ヴォードビルショー
有馬藤太古田新太劇団☆新感線
大久保一蔵保村大和惑星ピスタチオ
松浦安左衛門森田ガンツ猫のホテル
望月亀弥太三宅弘城ナイロン100℃


誠の旗の下に
一人一人欠けていき…

はやい・うまい・やすい

小劇場系俳優は『新選組!』では特に目立ちますが、他のドラマでも欠かせない存在になっています。
その人気の要因をまとめると「はやい・うまい・やすい」の三拍子です。

はやい:舞台経験が豊富で即戦力として使える。

うまい:テンションが高くクセのあるキャラ、普通の人を演じさせて似合うキャラなどニーズに応じてさまざまなパターンでうまい俳優がいる、また新鮮でもある。

やすい:知名度が低いからギャラがやすくてすむ

また背景として小劇場側の姿勢が変化したこともあります。かつては劇団で人気を得て、卒業してからメジャーなドラマ・映画にという流れでしたが、最近は小劇場の劇団自らが俳優をドラマに売り出し、それで稼ぐとともに名前を売って芝居に客を呼ぼうという流れができています。

また三谷幸喜の他にも「大人計画」の宮藤官九郎の脚本で松尾スズキ、阿部サダヲ。劇団M.O.Pのマキノノゾミ脚本でキムラ緑子など、座付き作家が脚本を書き、所属俳優が出演するパターンも目立ちます。


大河ドラマの名作『黄金の日日』スカパー!で放送

さて前回の『新選組!』についてのガイド記事「新選組!ねらいはコストダウン?」では過去の大河ドラマの名作として『黄金の日日』を例にあげました。

『黄金の日日』を初めとする大河ドラマの名作で共通的に味わう感覚として、最終回が近くなって感じるなんともいえない寂しさがあります。
主人公たちの人生に一年間つきあって、あるものは道半ばに終わり、あるものは新たな飛躍を求めて旅立ち、またあるものは目標を達成するが老いには勝てず死んでしまう、それらを疑似体験し、また主人公たちと別れなければならない寂しさですね。

そういう寂しさを『新選組!』は久々に味あわせてくれました。これは「友の死」以降、ほとんど毎回のように登場人物が退場していく構成によるもので、このあたりは三谷幸喜、大河ドラマファンを自認するだけのことはあります。

さてその『黄金の日日』、DVDについては前回紹介しましたが、12月7日からスカパー!の「時代劇専門チャンネル」で月~金の毎日、10,16,22時に放送されます。スカパーを導入していればチャンネル契約でも525円で見られます。

ガイド絶対のおすすめのドラマです。どのくらいのおすすめかというと田宮二郎の『白い巨塔』と同等、もしくは再放送の希少性からいってそれ以上のおすすめです!

ところで『黄金の日日』は副主人公の石川五右衛門に根津甚八、脇に李麗仙と唐十郎(「マーちゃん」の両親)の状況劇場トリオが出演。大河ドラマに小劇場系俳優、当時はアングラ(アンダーグランドの略)といわれていました、が出演する先駆けでありました。

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