身の丈を超えた恋でも、手の届かない人ですきになってしまうもの。テレビドラマはそんないろいろな恋の形を教えてくれる。

困難な壁を乗り越えてきたケーススタディ。あきらめない恋愛術を学びましょう。



ケース1『101回目のプロポーズ』

チェロ奏者・矢吹薫(浅野温子)は3年前、結婚式当日に交通事故で死んだピアニストの婚約者が忘れられず独身を続けている。しかし実家の親に押し切られ、見合いを。

しかし見合い相手は今まで99回見合いして、すべて断られたという建設会社の万年係長・星野達郎(武田鉄也)。
当然、あっさり断られたけど、達郎はあきらめない。

恋人にまた死なれるのが怖い、という薫を説得するためトラックの前に飛び出し「僕は死にましぇ~ん」の名セリフを。
また、死んだ婚約者に近づくためにさわったこともなかったピアノを猛練習し「別れの曲」を弾けるようになり、とアプローチし続ける。

そんな努力が実を結び、ついに薫が達郎を受け入れたと思ったら、死んだ婚約者にそっくりの男(長谷川初範)があらわれ、100回目のプロポーズも水の泡に。

達郎はもう一度「プロポーズの資格を得るため」かつての夢であった弁護士をめざし司法試験をめざし努力するが、あえなく不合格。

職も貯金もすべてを失い、カラ元気で工事現場のバイトに向かうがそこには…


男女のレベル差 ひたむきな愛と努力は壁を越える

背が高くハンサムで洗練されたピアニストとお似合いの背が高く美人のチェリスト。対する達郎は容姿に恵まれない万年係長の冴えない中年男。恋愛におけるギャップという点では最高レベル。

しかし、このドラマで見習うべきは「押して押して押しまくる」ということではありません(それではへたするとストーカーになってしまう)。

薫に「あなたは人は変わらないって言ったわ。そんなこと絶対ないわ。人は変われるわ、変われるのよ」といわれたのに発憤して、達郎はさまざまな努力を重ねます。

そして達郎は最後に言います。「今まであまり好きになれなかった自分を大好きになれたんだ」。

自分が自分を好きになってこそ、人からも魅力を認められる。だからこそ、ひたむきにアプローチする姿が美しく、視聴者の胸をうったのだと思います。

脚本:野島伸司
演出:光野道夫、石坂理江子、林徹
制作:大多亮
出演:浅野温子、武田鉄矢、江口洋介、長谷川初範、石田ゆり子、田中律子、竹内力、浅田美代子

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ケース2『ビューティフル ライフ』

美容師の柊二(木村拓哉)と図書館に勤め車いすに乗る杏子(常盤貴子)、第一印象は最悪だったけど、柊二は杏子の前向きに明るく生きる姿にひかれ、杏子は柊二の車いすの自分に対して何の偏見ももたない態度に好感を持つようになる。

杏子が柊二のカットモデルになったことなどから二人はやがて恋に落ち、柊二の仕事、家族の反対、昔の恋人などの問題を乗り越えていくにつれふたりの絆は確かなものになる。しかし二人の前途には杏子の歩けなくなる原因となった病気の進行という暗雲が立ちはだかる…


身体のギャップ 明るく前向きな生き方は、人の心をつかむ

杏子はいつもは明るく振るまい、柊二が車いすを押してあげたりするのを断るなど、自分でなんでもできるんだ、と強がっています。しかし、ボランティアの美山(的場浩司)を「善意の押し売り」と非難したり、逆に卑屈な発言をしてみたりとどこか無理がありました。

そんな杏子の心を開く柊二の有名なセリフが「おれが心のバリアフリーになる」。
柊二の杏子に接する態度は木村拓哉のキャラ通りナチュラル。いつもは自然に見守っているだけで、困った時だけ手助けをしようとしています。
その普通さこそが「心のバリアフリー」なんでしょう。

一方にマイナス要素があるハンディキャップ系の壁は、時間をかけてやさしく包み込んで不安を取り除いて乗り越えていく。
ただ普通は「いい人」で終わってしまい、愛に変わるのは木村拓哉だから、という気もちょっとしますが…


脚本:北川悦吏子
演出:生野慈朗、土井裕泰
制作:生野慈朗、植田博樹
出演:木村拓哉、常盤貴子、水野美紀、池内博之、渡部篤郎、的場浩司、原千晶、西川貴教、京晋佑、椋木美羽、小雪、大森暁美、河原崎建三、モロ師岡、佐藤友美

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ケース3『東京ラブストーリー』

愛媛から上京しスポーツ用品会社に入社した永尾完治(織田裕二)を出迎えた先輩の赤名リカ(鈴木保奈美)は完治をなにかと面倒を見ながら好きになっていく。

しかし完治が好きなのは高校時代の同級生・関口さとみ(有森也美)。東京にきて二人は再会するが、完治はさとみが好きなのは親友の医学生・三上(江口洋介)だと気づく。そしてさとみと三上が結ばれたと知ったショックで、誘ってきたリカを抱いてしまう。

リカは完治がさとみを忘れてはいないことを知りつつ、一途にカンチを愛し続ける。一方、さとみは三上が大学の同級生・尚子(千堂あきほ)とひかれあっていると知り三上と別れ、完治を頼るようになる。さとみの接近に揺れる完治はリカに別れを告げる。それを認めないリカはアメリカへの転勤話を断り姿を消す…


「まっすぐ自分らしく」自立女性の恋のつかみ方

ストーリーだけなぞると典型的な三角関係、四角関係ものですが、それだけにとどまらなかった大きな要因はヒロイン・赤名リカのキャラ。
帰国子女でオープンな性格のリカは完治に明るく「セックスしよ」「24時間、好きっていってて!」と迫り、男は完全に受け身の立場。リカの潔いが孤高で淋しげなその姿は、ドラマとして新パターンなだけでなく、日本社会にも新しい自立した女性像をもたらしました。

対するさとみは典型的なそれまでの日本女性像。決して自分からアプローチすることはせず男に迫らせようとする待つ女。主体的に動くか?相手をふり向かせるようなサインをだしつつ受動的に生きるか?『東京ラブストーリー』は新旧・二つの女性観の対立だったのです。

そのどちらを選ぶべきか?それは『東ラブ』を見た人の感想でわかります。さとみを「男をたぶらかすイヤな女」とほとんどの人が思っているのです。(それは少し気の毒だとは思いますが…ちなみに柴門ふみの原作をよむとまた違った感想になります)

リカは恋に破れて悲しかったでしょうが、少なくとも自分らしく真っ正面からぶつかった恋愛をしたことを後悔はしていないはずです。


原作:柴門ふみ
脚本:坂元裕二
演出:永山耕三、本間欧彦
制作:大多亮
出演:鈴木保奈美、織田裕二、有森也実、江口洋介、千堂あきほ、西岡徳馬

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さて、10月からまた新しいドラマのシーズンが始まります。注目の恋愛ドラマはなんといってもフジテレビ系月曜21時の『ラストクリスマス』。

主演・織田裕二、脚本・坂元裕二、企画・大多亮と『東京ラブストーリー』のトリオが14年ぶりに結集。

どんな困難な壁とそれを乗り越える恋愛術を見せてくれるでしょうか?


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