ICタグを搭載した生徒証を用いることで、
子供の登下校を入り口で記録し、管理できるサービスが
開始しました。いわゆるユビキタスの、生活への応用。
子供の安全を守る一つの手段として、需要が見込まれています。




そもそもICタグって何?


スイカ
JR東日本でおなじみのSuica(スイカ)
JR東日本で導入されている「Suica(スイカ)」と、JR西日本地区の「ICOCA(イコカ)」。クレジットカードのような大きさ・厚さのプラスチックカードですが、きっぷ売り場でお金をチャージすると、改札機に通さなくても、その上にかざすだけで改札を通ることができ、改札を出る時はまた改札機にかざすだけで必要なお金が清算され、引き落とされますよね。そういえば、あれってどういう仕組みなんでしょうか?

あのシステムを支えているのが、無線ICタグ技術。Suica・ICOCAは「非接触ICカード」と呼ばれていて、カードにはアンテナ(無線通信のため)とメモリー(JR内への入退場の記録やチャージされている金額の管理)、そしてそれらを制御するICチップが内蔵されているのです。

一方で、改札機にはリーダーと呼ばれる機械が埋め込まれています。リーダーにSuicaが直接接触しなくても、電波を介してカード内の情報にアクセスし、処理することができるようになっています。ですから、改札機の「リーダー」部分にかざすだけでお金が引き落とされるわけですね。最近では、JR東日本が展開するコンビニやカフェでは、Suicaで決済できるようにもなりました。

鳴り物入りでJR東日本に一斉に導入されたSuicaですが、これこそ「ユビキタス・コンピューティング」の一種。乗客一人一人が持つデータを、いつでもどこでもICタグを使って管理しているのですね。


子供の登下校をICタグで確認


登下校
子供の登下校は危険がいっぱい
日経新聞(2004年7月6日付)によれば、8月から大阪の法人向けソフト開発会社NAJ(大阪市、宮野渉社長、06-6233-6511)が「ICタグを使って子供の登下校情報などを保護者の携帯電話などにメールで配信するサービス」を開始したとのこと。

「校内でインターネットに常時接続可能な環境が整っていれば、手軽に低コストで導入できる」のが売りで、子供の安全管理を必要としている小中学校や学習塾のニーズが想定されているとか。

これを導入した学校や学習塾は、「個人を識別するICタグ搭載の生徒証を全生徒に配布」します。子供たちは「校門などに設けた読み取り機(リーダー。ガイド注)」に登下校時に生徒証をかざし、その情報は構内のパソコンに送られ、「各生徒の入退出時刻はネット経由で、事前に登録した保護者の携帯電話やパソコンなどに自動転送される」というシステムなのだそうです。

登下校が確認されない場合は、「担任教師などが状況判断した上で、未確認との情報を通知」。万が一の事態に迅速に対処できると考えられています。


ICタグ保育園も登場


実際に、ICタグによる園児の管理を始めた保育園の例もあります。

保育園
保育園でもICタグ導入
日経新聞(2004年8月11日付)

加古川に“ICタグ保育園”、子供の位置をパソコンで常時把握
チャイルドハート、子供の位置をICタグで常時把握

ベンチャー企業のチャイルドハート(神戸市、木田聖子代表)は園児が名札代わりのICタグ(荷札)を身に着ける保育園を10月、兵庫県加古川市で開園する。動き回る子供の位置をパソコンで常時把握し、連れ去りなどの事件を未然に防ぐ。安全性の高さを入園者確保につなげる。

定員45人で生後2カ月から預かる。衣服にICタグを取り付け、名前と生年月日、住所、連絡先などの情報を入力、パソコンで管理する。園児が無断で外出するとブザーが鳴り保育士の携帯電話にも連絡が入る。園内にカメラを設置し、保護者が自宅や勤務先のパソコンから子供の様子が分かるようにする。

保育園はJR加古川駅近くのビル内に開設する。市役所や商業テナントが入居し、人の出入りが激しいためICタグで園児の安全を確保する。



これからの時代の潜在ニーズ


子供の防犯
子供の防犯はもはや常識?
現在、学習塾などは通塾の時間帯が夕方から夜になるため、行き帰りの安全にはとても気を使っています。防犯ブザーや防犯ベルを配布したり、塾スタッフが子供たちを駅まで引率したりということは日常的。潜在ニーズは大きいとガイドも思います。

また、NAJのシステムは初期費用が従来よりも安いことに注目。ICタグがアメリカのウォルマートなどで商品の流通管理システムに導入されたり、日本でも三越や阪急がアパレル用品での利用実験を行うなど、流通業界ではICタグの実用化がどんどん進んでいます。

このようにICタグが一般化することによって、リーダーの低価格化・小型化が進み、NAJのような低コストのサービス提供も可能となった、というのが背景にあるようです。

ICタグの実用化はプライバシー問題と背中合わせでもありますが、子供の安全を守ることに関しては有効な策である、とガイドは考えています。


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