コーチ


最近アメリカブランドに心惹かれてしまう。といってもウエスタンやネイティブなものではなくて、ニューヨークと、その周辺の州から生まれたブランドだ。

コーチ
靴ガイドの飯野さん愛用のコーチです。ライニングなしというのがアメリカンな感じ。それだけ革が上質で丈夫ということなんでしょう。手入れも完璧です。

たとえばコーチ(COACH)は1941年にニューヨークで創業し、1962年にグラブタンレザー(通称グローブレザー)のバッグを手掛けている。

柔らかく表面の光沢を抑えたナチュラルさが日本でも受けて、1990年前後に火がついた。

その後、レディスに力を入れるようになったためか、一時の人気はないものの、このレザーを使ったバッグは今でも魅力に満ちている。

先日、シューメーカーの柳町弘之さんの新しいアトリエ「HIRO YANAGIMACHI Workshop」のオープンの際に、靴ガイド 飯野高広さんの姿を発見。彼の愛用しているバッグがコーチだったのである。

以前から使われているようだが、しっかりアフターケアされ、ほどよい光沢を放っていた。

つまりこのバッグはメンテナンスさえしっかりすれば、かる~く10年以上は使えるだけのハイクオリティさをもっているということだ。

もう作っていないと思ったら「クラシックコレクション」で展開しているようだ。ちなみに私は小銭入れとアタッシェケースを(ときどき)使っている。

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ポロ バイ ラルフローレン


ポロ バイ ラルフローレン
いつ買ったか覚えていないポロのネクタイ。持っているだけで幸せな気分にしてくれる、そんなミラクルなブランドですね。ラルフローレンとネクタイは関係が深いから、ネクタイだけでも買ってくださいね。私物。

ブルックス ブラザーズが日本に上陸してきたとき、すでにラルフローレンは日本で展開していたはず。

1980年代、ポール・スチュアートと並んで、トラッドブランドのなかではトップクラスの価格だったため、高くて買えなかった記憶がある。

1980年前後のニューヨークトラッドを引率したのは間違いなくラルフローレンだった。個人的にはサル・セザラニに惹かれたが、知名度では圧倒的にラルフローレンだった。

ウディ・アレンが主演した映画「アニーホール」の衣装を手掛けたのは有名な話。今見ても面白い映画なのでおすすめ。

ラルフローレンはクロージングだけではなくて、オールドマネーのライフスタイルをわかりやすく提案した人だった。

デザイナーとしてこれほど成功した人はいないわけだし、やっぱり凄い人なのだ。

こういう成功した人の名を記したアイテムは時代に関係なく手放せない。お守りのような感じかな(笑)。

中古市場でも人気があって、それなりの価格で売られている。こんなパワーのあるブランドは数少ない。

ティファニー


ティファニー
今年の2月に買ったばかりのカフリンクス。買った直後に値段が上がりました(笑)。上がってもお手頃なので買ってくださいね。百貨店内の直営店で購入。私物。

「何をいまさら」という声も聞こえてきそうだが、都内のティファニーの店内は雰囲気もいいし、クリスマスシーズンの混みようは、DCブランド全盛期の丸井のバーゲンを彷彿させるものがある。

べつにセールになっているわけではないのに・・・。

じつは今年に入って、ヒラリー・ローダム・クリントンの演説を公式サイトで見て、「アメリカはやっぱり凄いな~」と、彼女の洗練かつ考慮された服装と演説ぶりに感心してしまった。

心はなぜかニューヨークを象徴するティファニーに・・・。昨年暮れに庭園美術館で開催されたティファニー展を見たことも影響していると思う。

ティファニーはカルティエや、ヴァンドーム広場界隈の宝飾ブランドとは異なり、店内に入りやすいし、実際シルバー製品は価格もお手頃。人気が出ないわけがないのだ。

デザインに柔軟性があり、レディスだけでなくメンズにも力を入れている稀有なブランドなのだ。腕時計ブランドでたとえるならボーム&メルシエに近いかもしれない。

で、買ったのが「リターン トゥ ティファニー」のシルバー製カフリンクス。目立つところにロゴが刻印されているのはどうかと思うが、ティファニーとBVLGARI BVLGARI(ブルガリ)は許す。

最近ではチタンを使ったカフリンクスも展開していて、目が離せないブランドなのだ。

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アメリカのビジネス靴


ジョンストン&マーフィーとフローシャイム
靴ガイドの飯野さんの私物。左がジョンストン&マーフィー、右がフローシャイム。いい顔してますね~。

アメリカの靴ブランドといったらオールデンアレン・エドモンズを思い浮かべる人も多いだろう。

少し年配の人ならジョンストン&マーフィーフローシャイムといったところか。

1970年代のジョンストン&マーフィーは別格だったという話を聞いたことがある。

使われている素材も作りもハイクオリティだったそうだ。リーガルの店舗で当時から扱っていたし、日本でも馴染みのあるアメリカブランドだ。現在でもライセンスでリーガルが手掛けている。

チャーチ
NEW YORKのロゴが眩しいです。チャーチは世界中で人気が高かったのよ。ロゴは旧チャーチのもの。私物。

英国靴の良心、チャーチは大塚製靴が昔から輸入していたこともあり、日本でも人気が定着しているが、ニューヨークでも昔から人気が高かった。

インソックのロゴを見るとLONDONの隣にNEW YORKの文字が書かれている。

これはチャーチが早くから英国以外の国に市場を求めたという証。なんと1930年にニューヨークのマジソンアベニューに直営店を構えているのだ。

ブルックス ブラザーズ(以下ブルックス)やJ・ブレスの店員もチャーチには一目置いていたという話を聞いたことがある。老舗も認める英国靴ブランドというわけである。

PEAL
ブルックス ブラザーズのPEALネームの一足。それにしてもヒールの釘が凄いですね。ツルッと滑るよ~。撮影協力/テーラー・ケイド。

ブルックスといえばPEALのブランドでも靴を販売している。PEALはロンドンに店舗を構えていた老舗注文靴店だったが、1964年に閉店してしまい、その商標をブルックスが引き継いだということだ(LAST Vol.8参照)。

そんな経緯から靴だけでなく鞄にもPEALのロゴを見ることができる。

また、現在はどうかわからないが、ニューヨークのポール・スチュアートも英国の靴メーカー、エドワード・グリーンに靴を別注していた。

このように昔から英国靴とアメリカ東海岸ブランドは密接な関係だったのだ。

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アメリカのカジュアル靴


アンソーン
もう一足買っておけばよかったと後悔しているアンソーン。先日雨にあってしまい、ソール先端がわれてきた(泣)。直しに出さなくては・・・。私物。

アメリカにはローファーと呼ばれる靴がある。最初にこのローファーを作ったのはバスネトゥルトンか今となってはわからない(というかどうでもいいことだ)が、無精者にはじつに有り難い靴なのだ。

1980年代には老舗のバスやネトゥルトンの他にコールハーンセバゴクオッディといったアメリカブランドのローファーが日本に上陸していた。

オールデンが本格的に上陸したのはもう少し後だったと思う。おそらくブルックスのコードバンのローファーから人気が出たのだと思う。当時はまだ“アルデン”と読んでいたし(笑)。

トレーディングポストが扱っていたアンソーンも魅力に満ちたブランドだった。

OEMでいくつかの有名ブランドを手掛けていたことでも知られ、日本でもファンが多かったが、現在では中古市場でしか入手できなくなってしまった。

アンソーンと同じくメイン州で、クオリティの高いモカ縫いを展開してきたクオッディはまだ健在のようで、こちらは購入可能。

じつはクオッディのワークブーツを愛用しているのだが、モカ部分が手縫いのためか、とてもフィット感があって履きやすい。いいブランドだと思う。

トップサイダー
春夏に欠かせないのがトップサイダー。本来は素足に履くものかもしれないが、蚊にさされやすいのでソックスを着用している。私物。

キャンバスものではトップサイダーが爽やかでいい。当時からレザーのデッキシューズもあったが、やはり布のほうが気軽に洗えるし、清潔感がある。

スペリーソールという機能は陸の上ではそれほど力を発揮しないかもしれないが、マサチューセッツ州生まれというだけで、カッコいいのだ。

当時から素足に履くスニーカーとして人気があったが、現在でも人気継続中というのは凄いことなのだ。アメリカブランドは底力があるというか、本当にしぶといのである。

[関連リンク]
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