マフラーが1本あるだけでは、すべてのコーディネートをカバーできるわけではない。できれば高品質な素材を使ったカジュアル用、ビジネス用、フォーマル用の数本を揃えておきたい。

ニットに合わせるカジュアルなマフラー


アランカーディガンとニットマフラー
アランカーディガンにはニットのマフラーをコーディネート。素材感を生かした組み合わせだ。私物。
しかし少ない本数でも巻き方を工夫するだけで、雰囲気もガラッと変わり違う表情を見せてくれる。まずはニットに合わせるカジュアルなマフラーで巻き方を考えてみよう。

フィッシャーマンセーターなどのケーブル編みのニットには、やはり凹凸感のあるニットマフラーが似合う。ニットが無地なので柄の入ったマフラーをコーディネートしたい。


定番のチェックマフラー
グレーのカーディガンには色が映える赤のチェックマフラーをコーディネート。カシミア100%の光沢感を生かすために、ボリュームの出る巻き方を選んでみた。私物。
落ち着いたグレーのカーディガンには、赤のチェックマフラーを合わせる。巻き方は丈が長いので両端を後ろ側にぐるりと回して、首元にボリュームを出してみた。マフラーの素材は少し光沢のあるカシミヤ100%。

このタイプの定番マフラーは、ジャケットやスーツにも似合うから1本持っていると役立つはず。

カシミヤ100%といっても超高級なチャイニーズカシミヤではなく、そこそこのグレードのものなので実用的だ。


アランニットとデザインされたマフラー
プルオーバーの生成り色アランニットにはドレイクスのデザインされたマフラーをコーディネート。マフラーの丸みを生かして、フロントでシンプルに結んだ。私物。
生成りのアランニットにはデザインされたニットマフラーをコーディネート。

これは数年前のドレイクスのマフラーで、素材はラムウール75%とアンゴラ25%

巻き方は丸みのあるデザインを生かして、フロントでシンプルに結んでみた。


クルーネックセーターとキャメルヘアのマフラー
英国ウールを使った簡素なクルーネックセーターには、キャメルヘアーのマフラーを普通に巻く。究極のシンプルさを追求する、トラッド好みの組み合わせだ。私物。
もっともベーシックなシェットランドセーターには、あえて同系色のチェックマフラーを普通に巻いてみた。

ポイントはラムウールではなく珍しいキャメルヘアという点だ。ただし、普遍的なデザインなので、ジャケットやスーツにもよく似合う。


次のページは、「注目のブレザーにスクールマフラーを巻こう」です

注目のブレザーにスクールマフラーを巻こう


ブレザーとスクールマフラー
典型的なI型のブレザーに、スクールマフラーを巻く。昔ながらのもっともベーシックな巻き方にこだわりたい。インナーにはクリケットベストをチョイス。ブレザーは昔のニューヨーカー。私物。
ここ最近注目されているブレザーに、スクールマフラーを巻いてみました。

ほんとは3パッチポケットの英国型ブレザーを合わせるのが正しいのですが、あまり正統派すぎるのもカッコ悪い。

で、あえて、3つボタン段返りの典型的なI型をコーディネート。スクールタイも締めない。

できればジーンズにホワイトバックスが雰囲気です。もっとくだけて、フランス生産時代の古いスタンスミスを履くなんてのも、かなりカッコいいです!


英国製スクールマフラー
英国製のスクールマフラー。ケンブリッジ大学の指定マフラーか? ニットのタイプより、このウールタイプが本格派だ。私物。
ラルフ・ローレンもこの秋、エンブレム付きのブレザーを発表していたので、押入れの奥から、捨てられなかったエンブレムを探してください(笑)。

スクールマフラーはニットタイプじゃないほうがいいと思います。

'80年代の名作『炎のランナー』の世界を、プレッピー風に味付けしてコーディネートしてみました。


フォーマルには光沢のあるマフラーを合わせる


フォーマルウェアと光沢のあるマフラー
限りなく黒に近いネイビーのスーツ。生地は本格的なフォーマル用。合わせるマフラーも同系色にしてみた。私物。
フォーマルウェアには光沢のあるマフラーを合わせたい。

写真では黒に見えますが、限りなく黒に近いネイビーのスーツです。素材は完全にフォーマル用のものです。


55%のシルクと45%のウール
光沢感の秘密は55%のシルクと45%のウール。フォーマルウェアの基本は白のシルクだが、このタイプのものならビジネススーツでも使えるだろう。
それにシルク55%×ウール45%のマフラーをコーディネート。

典型的な白やシルバーではなく、ネイビーというのがさりげなくていいと思います。

これなら普通のビジネススーツにもコーディネートできる。


生地のアップ
近くで見ると同系色の花柄刺繍が施され、なかなか贅沢な雰囲気を漂わせている。
近くで見ると花柄部分が刺繍してあって、なかなか凝ったデザインです。

今回はダークスーツに合わせていますが、ディレクターズスーツやタキシードに合わせてみても面白い。


次のページは、「マフラーによく使われる素材とは」です

マフラーによく使われる素材とは


ラムウール
ラムウール100%の生地。ジョンストンズ オブ エルギン社製。
マフラーに使われる素材について考えてみたい。

まずはラムウール。生後約半年~8ヶ月くらいの仔羊の毛のことで、手触りはソフトで毛足は短め。

比較的よくマフラーに使われるが、意外と産毛量が少なく稀少価値が高い。


カシミヤ
カシミヤ100%の生地。英国サボイ社製。
マフラーのなかで、もっとも高級なのがカシミヤだ。

ヒマラヤ山麓カシミール地方原産のカシミヤ山羊の柔毛のこと。

現在は中国が主産地で、太さは12~14ミクロンと細く、2.5~5cmの長さが一般的。細く長くなるほど高級である。

手触りは柔らかく、ぬめり感があり、光沢があるのが特徴だ。内モンゴル産のチャイニーズカシミヤがもっとも高級とされている。


キャメルヘア
キャメルヘア100%の生地。スコットランド製マフラー。
意外とあまり使われないのがキャメルヘアだ。中央アジアの砂漠地帯に生息するフタコブらくだの毛のこと。

カシミヤと同じく柔らかく、保温性に優れている。しばしば毛布で見かけるのもそのためだ。繊維の太さは19~23ミクロンで、長さは2.5~6.5cm。


ベビーアルパカ80%
ベビーアルパカ80%とシルク20%の生地。アイルランドのINIS MEAIN。
アルパカは南米ペルーやアンデスの山岳に生息する、野生のラマの一種の毛のこと。

繊維13~18cmと長く、太さは22~34ミクロン。特徴はシルクのように滑らかで光沢がある。

単体で使われることは珍しくウールと混織することが多い。


ラムウールとよく混ぜてあるのがアンゴラだ。アンゴラはアンゴラ兎の毛のことで、光沢があり、ソフトな風合いだ。

繊維は長く2.5~10cm。縮絨性がないので抜けやすいのも特徴。原産地はトルコだが、現在は中国が主産地。他にドイツやフランスなども産地だ。

アンゴラと同じようにラムウールと混紡しているものにモヘアがある。昔から夏服地として親しまれているが、まれにマフラーでも見られる。

毛足が長く、シルクのような光沢があるところがアンゴラに似ている。ただしこちらはアンゴラ山羊の毛である。以前はトルコが主産地だったが、現在は米国テキサスや南アフリカが多い。

次のページは、「こんなにある! 英国ブランドのマフラー」です

こんなにある! 英国ブランドのマフラー


英国はマフラーの本場だけに、いろいろなブランドがある。ここではほんの一部だけれど紹介してみたい。

テイジンメンズショップのオリジナル
'80年代後半に購入したスコットランド製テイメンのオリジナルマフラー。当時はカシミヤが60%入っているだけでも凄く贅沢だったのだ!
まずはスコットランド製のマフラーでテイジンメンズショップのマフラー。残念ながらメーカーは不明。

'80年代後半に吉祥寺パルコに入っていたテイメンで購入したもので、落ち着いた色が気に入り、長年にわたって愛用した思い出の品。


ジョンストンズ オブ エルギン
ジョンストンズ オブ エルギンのマフラー。おそらく10年以上前にテイジンメンズショップで買ったような気がする。エンジとブルーの2色を同時に購入。ゴワゴワ感が魅力というより、首がチクチクしてしまい、膝掛けになってしまったマフラーだ。最近あまり耳にしないなあ~。
ジョンストンズ オブ エルギンはブリティッシュトラッド好きには懐かしいブランドだ。

18世紀末にアレキサンダー・ジョンストンによって設立されたということと、スコットランド製ということ以外わからない。

これは10年ほど前に購入したマフラーで、かなり肉厚のもの。「東京じゃ暑くてできないな」と思ったほどだ。

数年前に購入したものとタグが少しちがっている。現在正規代理店があるのかも不明で、どこで購入できるかもわからない。当時の価格は比較的手頃でした。


ドレイクス
ボクの持っている数少ないドレイクスのひとつ。いつまでたっても憧れのブランドである。
英国マフラーを代表するドレイクスのタグで、数年前のもの。

カシミヤ以外では、このラムウール75%、アンゴラ25%の混紡率がほとんどみたいです。

これはニットタイプなのでセーターとコーディネートすることが多い。


TIE&SCARF CO.
TIE&SCARF CO.という名のブランド。最近のスクールマフラーにはこのタグがよく付いている。かなり小ぶりな大きさだ。
2年ほど前に購入したスクールマフラーのタグ。最近のスクールマフラーはこのブランドのものが多い。TIE&SCARF CO.が会社名のようですね。

いちおう英国製。なぜか昔からこのタイプのマフラーにはNAMEという表記がある。有名私立学校の御子息が記入するのだろうか。


INIS MEAIN
INIS MEAINのニットマフラー。この色艶と、ベビーアルパカとシルクという文字に心惹かれ購入してしまった(笑)。
INIS MEAINのニットマフラー。マフラーというにはかなり大きめで、肩や膝に掛けるのに最適な大きさだ。

数年前にバーニーズのセールで購入したと記憶します。ベビーアルパカとシルクの表記に惹かれて、つい買ってしまいました(笑)。

独特の光沢があり、滑らかな肌触りは最高に贅沢! セーターなんかを作っているメーカーだと思う。


Fred Bare Head Wear
Fred Bare Head Wear。詳しくブランドのことはわからないが、クオリティは凄くいい。デザインされたものが多い。たぶんレディスブランドでしょう。
Fred Bare Head Wearが正式名か? 帽子も持っているのでほんとは帽子メーカーかも? デザインされたニットタイプのマフラーのタグです。

ボクはセールで買ったのですが、意外と高かったと記憶しています。

熊のマークの上には3本のダチョウの羽根が描かれていて、靴の老舗トリッカーズを彷彿させます。このタグのデザインは最高に好きですね。


英国ブランド
ブランド名すら読めない自分が情けない・・・。最初のページでアランカーディガンに合わせているニットマフラーのブランドです。
まったく読めない(笑)、知らないブランド。おそらくデザイナーズブランドでしょう。自転車のロゴが可愛い。

前のページで、茶のアランカーディガンに巻いているマフラーですね。こういうニットタイプは1本あるとほんと便利です。


英国製シルクマフラー
このタイプのシルクのマフラーは、英国古着屋さんでときどき見かける。たいていフリンジが付いている。意外と肉厚で丈夫なのだ。
10年以上前に友人から頂いたシルクのマフラー。もともとアンティーク(古着)のようで、両端にフリンジが付いていました。

タグにはTOOTAL SCARFの文字が書かれている。英国古着専門のショップに行けば似たようなタイプを売っているでしょう。


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英国マフラーといえば、やっぱりドレイクス!


ドレイクスの新作
ドレイクス。ヘリンボーンのブラウン地に、オレンジのストライプ。カシミヤ100%。2万8140円。
英国製のマフラーの代表といえば、ドレイクス(DRAKE’S)といっていいだろう。


ドレイクスの新作
ドレイクス。ブラウン×ブルーのストライプ。ラムウール75%×アンゴラ25%。1万2600円。
ドレイクスは1976年に、デザインを担当するマイケル J.ドレイクと、経営を担当するジェレミー・カーリントン・ハルによって設立され、同年にマフラーのコレクションを発表している。

1981年にはエトロをはじめ、ポール・スチュアートなどの一流ブランドから製造を託されている。


ドレイクスの新作
ドレイクス。レッド×ブラックのストライプ。ラムウール75%×アンゴラ25%。1万2600円。
日本でも’80年代からすでに上陸しており、既存のトラッドファッションに新風を吹き込んだブランドである。

現在でも最高級の素材とお洒落なデザインセンスが受け入れられ、マフラー好きからも一目置かれるブランドなのである。


ドレイクスの新作
ドレイクス。ブルー×グレーのリバース。ラムウール75%×アンゴラ25%。1万2600円。
さて、そんなドレイクスの新作を紹介しよう。素材は定番のラムウール75%×アンゴラ25%のタイプと、カシミヤ100%のタイプ。柄はストライプと無地のリバーシブルが中心。


ドレイクスの新作
ドレイクス。ブラウン×オレンジのリバース。ラムウール75%×アンゴラ25%。1万2600円。
リバーシブルといってもブルー×グレー、ブラウン×オレンジといった上品な色の組み合わせが特徴で、ビビッドな色でないところがポイント。合わせる服によって、表裏の2色をうまく使い分けたい。


ドレイクスの新作のタグ
ドレイクスのヘリンボーン柄の新作。カシミヤ100%でもカジュアルな雰囲気だから実用的だ。
カシミヤ100%のものはヘリンボーン(杉綾織り)のストライプになっており、ブリティッシュファッション好きにはたまらないデザインだ。

無地のカシミヤだと、コーディネートが限定されそうだが、カジュアルな雰囲気の織り柄のため、ニットやジャケットなど幅広く使える。


ドレイクスの問い合わせ先
渡辺産業
TEL 03-5466-3446
東京都港区南青山5-14-1 グリーンビル1F
http://www.watanabe-int.co.jp/
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