文章 : 佐藤 明男(All About「男のヘアケア」前ガイド)

抜け毛・薄毛を防ぐなら
やっぱりタバコは止めるべき

スモーカー
来年には、もっと肩身が狭くなる?
景気回復が遅れ、税収不足が明らかになると、それを補うために目を付けられるのがタバコやアルコールの税率アップです。昨今の御時世も手伝って、特に目の敵にされるのがタバコ。事実、政府は来年度から、たばこ税を1本当たり2~3円程度引き上げる方向で調整に入りました。1箱(20本)の価格は、代表的な銘柄(300円)で340~360円程度になる見通しが示されています。

ちなみにJTの調査によると、日本の喫煙率は初めて25%を下回ったとのこと(2009年8月14日発表)。ただし、その内訳をみてみると、成人男性の平均的な喫煙率は40%弱。比較的高いままの状態が続いているのです。

喫煙はさまざまな疾患を引き起こす要因になる可能性があり、死亡率を高めるという定説があります。健康、節約のためにも止められるなら、それにこしたことはありません。

少なくとも抜け毛・薄毛予防の観点からいえば、タバコは、やはり止めたほうがいいと断言できるのです。

喫煙が頭皮、毛髪に
ダメージを与えるメカニズムとは

毛根イメージ図
毛細血管が収縮することで、身体の末端にある毛髪、毛根などに十分な栄養、酸素などが行き渡らなくなる恐れが…
抜け毛・薄毛の観点からすると、なぜタバコは良くないのか。理由はいたってシンプル。喫煙が抜け毛・薄毛を促進してしまうからです。

ならば、タバコをやめたその瞬間から、抜け毛・薄毛はピタリと止まる?もちろんそんなことはありませんが、身体全体がどんどん健康体に近づいていくのは確かです。禁煙直後から血圧と心拍数が正常な数値に近づき始め、個人差はありますが、半日~1日近く経過すると血中の酸素量がほぼ正常値に。2~3週間後には、毛細血管の収縮がほぼ解消し、血行がスムーズになります。ひいては、髪の発育に必要なだけの栄養や酸素が頭皮、毛髪に行き渡っていくというわけです。

では、禁煙が抜け毛・薄毛予防にもたらすメリットを、もう少し科学的に説明しましょう。タバコには、人間の身体に害を及ぼす成分が大きく分けて3つ含まれています。それが、ニコチンとタール、一酸化炭素です。

化学物質であるニコチン、タールは、身体に熱量不足、体温低下を招きます。その理由は、前述した血管の収縮現象。血管が細くなると、血液は人間の身体の隅々に酸素を運ぶという重大な役割が遂行しにくくなり、身体の末端にある頭皮や毛髪に悪影響を及ぼすうえ、毛母細胞の活動も阻止してしまうのです。


ヘモグロビン
喫煙することで、血液中のへモグロビンが酸素を運搬することが阻害されてしまいます
また、一酸化炭素もやはり血液が酸素を運ぶ役割を邪魔する存在です。通常、酸素は血液中のヘモグロビンと結合して体内に運ばれていきますが、一酸化炭素は酸素に比べると200倍以上も強力にヘモグロビンと結合する性質をもっているため、酸素が体内に行き渡らなくなってしまうのです。この場合も、やはり末端の頭皮、毛髪、毛母細胞などへの被害は甚大です。

一説によると、タバコを1本吸うと12秒寿命が縮まるともいわれています。生命がかかっている!となれば、抜け毛・薄毛予防を話す以前に「タバコは絶対やめるべき!」との結論に行き着くのですが…しかし、禁煙後にむしろ抜け毛が増えたという聞き逃せない報告が!