日産の上級ミニバンである2代目プレサージュの販売が開始され、取り敢えず好調な受注を集めている。まあ新型車の発売当初は良く売れるのが当然だから、1週間で月間の販売目標台数に匹敵する受注を集めたからといって驚くことではない。特にプレサージュは発表から発売までに間隔があり、その間にも受注を集めていたことを考えると、1週間で5000台というのは必ずしも多いとはいえない。今後、どこまで継続して安定した売れ行きを確保できるかが問われることになる。日産は今年、新型車らしい新型車はティアナとプレサージュくらいのもの。このクルマの売れ行きによっては日産180の経営計画も思い通りに進まないかもしれない。

初代プレサージュ/バサラは、床面の高いミニバンだったのが最大のネックで、このクラスで唯一売れないミニバンだった。後席には老人や子供を乗せることが多いのに、階段をよじ登るような乗降性だったのだから、売れなくて当然である。電気自動車にも使ったルネッサ用のプラットホームを使って間に合わせたことが、失敗の原因だったといえる。その点今回のプレサージュは、初代モデルが売れなかった理由を分析し、短所を長所に変えるようなクルマ作りが図られた。

上級セダン用のFF-Lプラットホームを採用して床面地上高をミニバンの中でも最も低い水準に抑えただけでなく、リヤドアをヒンジ式からスライド式に変更して乗降性を高めている。また左側のリヤドアを電動リモコン式で開閉できるようにしたことや、運転席からリモコン操作できるセカンドシートのウォークイン機構を採用したことなども乗降性に貢献している。

ただ、新しいプラットホームの採用も良いことづくめではないのがクルマ作りの難しいところ。FF-L用のプラットホームは、アメリカでマキシマ、クエスト、ムラーノなどのモデルに採用されているもので、アメリカ用のプラットホームを国内向けのミニバンに流用しただけという側面もある。このためにプレサージュのボディは全幅が1800mmに達するし、全長も4800mmを超えるなどやたらとた大きい。1700mm近い全高もあってタワーパーキングにはもちろん入らないし、平面の駐車場でも苦労することが多くなる。

購入するかどうかを決めるときには、まずはこの大きさのクルマを駐車できるかどうかがポイントになる。そのときに注意したいのが最小回転半径だ。全車とも5.7mの回転半径なので、狭い駐車場で切り返しをするのも大変。大きさだけでなく最小回転半径も含めて駐車に苦労することになる。良く行くスーパーの駐車場が狭かったりすると最悪だ。競合する上級ミニバンの多くは、5.7mやそれ以上に大きな最小回転半径になるのだが、そんなデキの悪さを見習っても仕方がない。