共済年金の請求手続き

共済制度と厚生年金の加入期間がある事例です

共済制度と厚生年金の加入期間がある事例です

老齢基礎年金と老齢厚生年金は国の年金制度なので、どちらの年金も請求手続きに必要な書類は社会保険業務センターから送付され、指定された窓口で請求手続きを行います。これに対して、退職共済年金の請求は加入していた共済組合で手続きを行います。

それでは、会社員と公務員期間の両方がある場合の年金請求の手続きを事例でみていきましょう。

【事例1】
昭和24年10月生まれのサトウカズコさんは、高校卒業後地元の市役所に就職し、23歳で結婚するまで市役所に勤務していました。結婚後は地元の信用組合に転職し、今年10月、60歳で定年退職するまで勤務していました。

サトウさんは60歳から特別支給の老齢厚生年金と退職共済年金を受給することができます。また、62歳からは老齢厚生年金のみ特別支給の定額部分が支給されます。老齢厚生年金の請求手続きは勤務先の住所地を管轄する社会保険事務所、退職共済年金の請求手続きは勤務していた市役所の共済事務担当課で行います。サトウさんは65歳になると老齢基礎年金を受給するようになるので、サトウさんが受給できる老齢年金は以下のようになります。4年分の退職共済年金、37年分の老齢厚生年金、満額の老齢基礎年金を受給することになります。
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【事例2】
昭和24年12月生まれのタナカイチロウさんは、大学卒業後(大学時代国民年金未加入)、公務員となり、55歳で退職しました。退職後は民間企業に再就職し、今年の12月末で再就職先を退職する予定です。

タナカさんは民間企業を退職後60歳から、特別支給の退職共済年金と老齢厚生年金が受給できるようになります。勤務先の住所地を管轄する社会保険事務所で老齢厚生年金の請求手続きを行います。それと同時に共済組合の方にも公務員時代の退職共済年金を請求します。

タナカさんは2歳年下の専業主婦の妻がいるので、受給できる老齢年金は以下のようになります。タナカさんは32年分の退職共済年金と5年分の老齢厚生年金、37年分の老齢基礎年金を受給することになります。
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 雇用保険と退職共済年金の調整

公務員は雇用保険に加入しないので、公務員を退職した後、退職共済年金と雇用保険から支給される基本手当の支給調整はありません。ただし、事例のサトウさんやタナカさんのように民間企業(雇用保険加入)を退職した後、退職共済年金を受給すると、基本手当との調整があります。

民間企業を退職後、ハローワークに求職の申し込みを行い、基本手当の受給を選択すると退職共済年金は支給停止されます。退職共済年金支給停止事由該当届に雇用保険の受給資格者証の写しを添付して、各共済組合の窓口に提出しなければなりません。退職共済年金と基本手当の調整は、老齢厚生年金と基本手当を調整するしくみと同じです(老齢厚生年金と基本手当の調整は「年金と失業給付、両方もらえないの?」をご覧ください)。ただし、基本手当の受給中も3階部分の職域加算は支給停止されません。

共済制度の特徴は?

公務員が加入する共済制度には、年金制度だけでなく、健康保険にあたる医療保険や介護保険制度もあり、年金制度を「長期給付」、医療保険や介護保険を「短期給付」といいます。また、公務員は雇用保険に加入していないので、育児休業中や介護休業中に給与が支給されない場合、雇用保険から支給される雇用継続給付金にあたる保険給付が短期給付の1つとして支給されます。さらに、災害で組合員や家族が死亡したり、家や家財が損失を受けた場合は災害給付が支給されます。公務員の場合、共済制度が幅広く年金や医療をカバーするしくみとなっています。

ご案内した通り、会社員と公務員期間があった場合の老齢年金は、それぞれ別の窓口で請求手続きを行わなければなりません。また、共済年金の加入記録は国民年金や厚生年金の加入記録とは別に各共済制度で管理されているので、今年度から送付が始まったねんきん定期便にも共済制度の加入期間は記載されていません。事例1のように公務員として共済制度に加入した期間が短く、さらに公務員を退職した後専業主婦だった人の場合、退職共済年金の請求手続きを忘れがちになるので注意しましょう。

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