カーメンテナンス/車の点検ポイント

自分でチェックしなければ正確な判断は下せない エンジンオイルの点検

エンジンオイルのコンディションは、クルマの使用状況や走行距離に応じたものかどうかで判断する必要があり、定期的にチェックしていてこそ明確になる。それだけにユーザー自身による点検が重要となるのだ。

執筆者:鈴木 伸一


 エンジンオイルは主目的となる「潤滑」という役割の他に、「洗浄」という働きもしている。この洗浄効果が曲者で、オイル交換したばかりなのに劣化してるように見えることがある。エンジン内部が汚れていると、汚れを吸着してまっ黒になってしまうからだ。
 また、エンジンオイルはエンジン内部で生じる蒸発や燃焼といった様々な要因で少しずつ減っていく。それでも通常の使用状況では極端に減ることはなく、多くても5千km走行で0・5Lくらい。これ以上減るようなら「オイル漏れ」や「オイル上がり/下がり」といったトラブルが発生している疑いがある。
 とはいえ、「洗浄効果による汚れなのか、劣化によるものなのか」、「走行状態に見合った減り具合い」あるいは「トラブルによる減少」なのかどうかは、他人には判断のしようがない。使用状況や走行距離に応じたものかどうかで判断する必要があり、定期的にチェックしていてこそ明確になるからだ。それだけにユーザー自身による点検が重要となる。慣れてしまえばものの数分とかからない作業。面倒がらずに定期的にチェックしたい。

 さて、そのエンジンオイルはエンジンブロックに挿し込まれている「オイルレベルゲージ」を引き抜くことで、簡単にチェックすることができる。設置場所はエンジン本体の側面。縦置きエンジンならエンジンルームに向かって左/右どちらかの側面、横置きエンジンなら真正面付近にある。頭部に指かけが設けられた棒状のパーツで、上面には「ENGINE」といった表記もしくはオイルポットの絵柄が表記されているのですぐに判別できるはずだ。ただし、点検するときは平坦な場所にクルマを止め、暖気運転を行ってエンジンオイルを温めることが肝心。暖気運転が終了したならエンジンを止めて5分ほど待ち、油面が安定しところで点検を始める。

1.オイルレベルゲージを引き抜く
オイルレベルゲージを見つけたなら、まっすぐ引き抜いてやる。ストッパーの類いはなく、単純に引っ張るだけで抜くことができる。

2.ゲージ先端をウエスで拭き取る
レベルゲージの先端に付着しているエンジンオイルをウエスできれいに拭き取る。

3.一旦、元通りにセットする
一旦、元どおり差しんでやる。ハンドル基部が誘導管にピッタリ密着するまで、確実に押し込むことが肝心だ。

4.再び引き抜きチェックする
OKなら再度引き抜き、先端部に付着ししているエンジンオイルでオイル量を確認する。

5.上下のレベル間に付着すればOK!
先端部にはオイルレベルの上限と下限を示すF/Lのライン、もしくは穴が開けられている。メーカーによってはこの両方が表示されており、側面に切り欠きがある場合もある。が、いずれにしろ、この上下を表す印の間にエンジンオイルが付着していればオイル量はOKだ。そして、もしもLライン前後まで減っていたときは、Hラインまで補給(原則として、現在入っている物と同じエンジンオイルを使う)しておく。
なお、下限のLラインまで減っていたとしてら約1Lは入ってしまう。エンジンオイルの総容量は普通車クラスで4L前後。1Lといったらその1/4で、かなり減った状態となっている。もしものときは早急に補給するべきだ。

6.きれいなウエスに一滴垂らしてみる
汚れが気になったときは、レベルゲージに付着したオイルをまっ白なウエスもしくはペーパータオルに滴らしてみる。全体にスラッジ混じりのまっ黒いオイルが広がっていくようなら・・・取り込める汚れの許容量を越えている。要交換だ。そして、写真のように中心にスラッジが溜まって周囲に透明なオイルが広がるようなら、まだ大丈夫。ただし、これで汚れを判断するにはかなりの経験が必要で、あくまで目安!オイル管理が悪いと交換直後でもまっ黒いオイルが全体に広がっていくことがあるからだ。だからこそ、オーナー自らがキッチリ管理しなければならないのだ。


次回は、オイル交換のやり方をリポートします。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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