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4代目プラドならランクル200は要らない?

4代目プラドは見た目だけでなく社内もゴージャス、そして先進装備が目を惹く。70系の流れを組むランドクルーザープラド4代目は、ランクル200譲りの先進装備や乗り心地の良さ、高級感を考慮すると日本ではプラドが適正サイズかもしれない。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

4代目プラドはランクル譲りの先進装備

フロントビュー
1984年に70系として登場したプラド。先代は02年にデビューだから7年ぶりのフルモデルチェンジになる。全長4760×全幅1885×全高1850mm。価格は315万~475万円
4代目ランドクルーザープラドがデビューした。4代目は全長が45mm、全幅が10mmの拡大に抑えながら、室内幅を30mm拡幅するなど、室内効率のよさが自慢だ。見た目からして立派に見えるが、全長は延びたがそれほど大きくなっていないのは朗報。

見た目だけでなく車内もゴージャスで、いかにもトヨタの高級車という雰囲気が漂う。迫力のある顔つきや高級感のあるインテリアだけでなく、ランクル200譲りの先進装備が目を惹く。まさにショート版ランクル200といえる新型プラドだが、そこに安っぽさやグレード落ちの感覚はほぼ皆無。日本には200は大きすぎるから、ウエルカムなサイズといえるが、一方で現在のベクトルでの進化に限界も感じたのも事実だ。まだ出たばかりで恐縮だが、7年か8年後かのフルモデルチェンジでは何らかの時代性をより強く意識せざるを得ないはず。
 

4代目プラドのシートはクラウン的乗り心地

リヤビュー
いかにもタフな印象のリヤビュー。凹凸のあるリヤコンビランプは先代でも見られたデザイン。現在では少数派のクロカン系本格派4WDだけに、乗降性や積載性は「いまどき」のSUVとは異なり、フロアの高さを随所に感じる
新型プラドのパワートレインは4.0LのV8と2.7Lの直列4気筒で、前者は5速AT、後者は4速ATとの組み合わせ。ガソリンのみでディーゼルはなく、もちろん4WDのみ。「TX」にのみ5人乗りを用意し、それ以外は3列シートの7人乗りになる。上級の「TZ-G」のみエアサスになる。





 

使い勝手の工夫は見られるプラドだが……

インパネ
世界170カ国以上で売られる上質感のあるインテリアは、いかにも日本的。金属調のセンタークラスターは存在感を演出。木目を使った上質なインテリアは「TZ-G」に標準装備
 
135mmのスライド幅をもつセカンドシートにウォークイン機構を加えてサードシートへの乗降性を高めるなど、使い勝手の向上を果たしているが、3列目への乗降は乗員を選ぶ。プラドの存在意義である悪路走破性を確保するため、このフロア高は仕方ないのだろうが、小さな子どもやお年寄りには「敷居の高い」3列目だ。個人的にはプラドの3列目の使用頻度を考えると、2列仕様で十分なのではと思ってしまう。足もとやシートサイズも頑張っているが、「0.8人前」という広さであり大きさ。ETC1000円時代、片道3時間のドライブはツライ3列目だ。
 

プラドの荷室も広い!

リヤシート
助手席側後席にウォークイン機構を採用、ワンタッチで乗降に備えられる。セカンドシートはスライド&リクライニングが可能で、中央部のみを倒すことができるので長尺物を真ん中に積み、両側に座ることもできる
1、2列目が居住空間の主役であり、3列目は非常用と考えるのがプラドのオーソドックスな使い方。そう考えると2列目と3列目をフラットにできるなど、使い勝手は良好だ。上級グレードには3列目の電動格納機構が備わる。






 

4代目プラドは先進機能満載!

ラゲッジ
横開き式ゲートは、ガラスハッチも備える。2、3列目ともにフラットになるので積載力は高いが、床が高いため大きく重い荷物の乗せ降ろしは苦労しそう。エアサス装着車ならノーマル時よりも20mm下げられる
 
プラドといえど、専用コースを走りまくるオフロード走行派は少ないはず。しかし、エンジンとブレーキを自動制御するクロールコントロールや砂地や岩石など、路面に応じてトラクションコントロールなどの車両制御は雪道や林道などで頼もしい存在だろう。日本ではコースをのぞくとこれらの先端機能がないと走行できない場所はほぼないが、何があっても大丈夫という安心感はやはりランクルの武器ではある。

ランクル200同様、プラドにも受け継がれた乗り心地!

3列目
サードシートはその乗降性も考えると非常用の域を出ない。身長170cmでも座れるが頻繁に乗り降りするのはツライ。後方視界確保のためヘッドレストは折り畳める
かつてのクラウンのようなトヨタ的な乗り心地は、いまではほとんど見られなくなった。しかしランクル200同様、プラドにも受け継がれている。何とも包容力のある乗り味はファンにはたまらないだろう。エアサスの方が当然その傾向が強いが、金属バネでも薄味になっているわけではない。また、上級グレードにはキネティックダイナミックサスペンションと呼ぶ前後スタビライザーの制御機構を装備する。

パワー的には4.0Lは高速の登り坂でも持て余すほど。4速ATのギヤ数の少なさが気になるものの、2.7Lで不満はない。売れ筋も2.7Lで価格と実用燃費を考えると2.7Lがベター。ただし、4.0Lもレギュラーガソリンなのは歓迎したい。

発売1か月で約3700台とまずまずのスタートを切ったランドクルーザープラドだが、選択肢が少ないだけに、クロカン系で上質さを求めるなら日本ではベストバイなのはいうまでもない。さらに、同価格帯のインポートSUVでは手に入らない充実装備も魅力の倍増に貢献している。

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