2,500g未満で産まれる低体重の赤ちゃんが増えている

低体重の赤ちゃんが増えている
低体重の赤ちゃんはダイエットが原因の一つ
一昔前、まだ栄養が充分ではなかった時代、妊娠さんは「2人分食べなさい」と言われてどんどん栄養を摂っていましたが、現代では、妊婦健診に行くたびに体重をチェックし、「体重増加は8kgまで」と厳しく制限される産院も多いようです。

妊娠高血圧症候群(以前は妊娠中毒症と呼ばれていました)、赤ちゃんが大きくなりすぎる巨大児出産などを予防する上で、食べすぎはもちろん良くありませんが、妊娠前に標準の体重だった方の場合は、9~12kgの範囲での体重増加であれば、神経質にならなくてもよいかもしれません。私の5回の出産経験では、毎回12kgほど体重は増えましたが、安産でしたし、母乳育児でまた元の体重に戻りました。

体重が増えすぎた場合は、産院で食事療法の指導があると思いますが、私が心配なのは、反対に「妊娠中も産後も太りたくない」と、お腹の赤ちゃんのための栄養を考えずに、食べる量を過度に減らしてしまうことです。

厚生労働省の調べによると、生まれたときの体重が2,500g未満の低出生体重児が増えています。その割合は、1990年度の6.3%、2000年に8.6%、2009年に9.6%
と増加をたどっています。産科医らは、その原因の一つとして、妊娠中にもダイエットを続けている人がいることを指摘しています。

過度のダイエットで赤ちゃんがメタボに!?

過度のダイエットで赤ちゃんがメタボに?
飽食だけど栄養失調?
内臓脂肪蓄積により、さまざまな病気が引き起こされた「メタボリック・シンドローム」が「肥満症」「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」といった「生活習慣病」と関連して注目されていますが、こうした一連の症状のリスクは中年になってから出てくると理解されている方は多いと思います。

しかし、お腹の中の赤ちゃん時代に、メタボの原因が作られていると聞けば、驚かれるでしょうか。現在「胎児期に低栄養状態であることが生活習慣病のリスクになる」という。これはイギリスの疫学者デビッド・バーカー氏による「バーカー説」と呼ばれるものです。バーカー氏が行った疫学的調査によると、2500g未満の低出生体重児で生まれた赤ちゃんは、成人になって心筋梗塞・糖尿病・高血圧などのいわゆる「生活習慣病」にかかる人たちが多かったというのが分かったのです。

生活習慣病は、遺伝的な原因もありますが、運動不足、カロリー過多、脂質過多、肥満、喫煙などの生活習慣が病気のリスクだと一般的には考えられています。しかし、このようなリスクがなくても、これらの病気にかかる人は多くいました。

そこでバーカー氏は、小児期、新生児期、胎児期までさかのぼって原因を追究し、出生時体重が少ない、つまり妊婦が栄養不足で生まれた赤ちゃんは、将来それらの病気になりやすいことがわかったのです。小さく生まれた赤ちゃんは、少ない栄養でも生きていける「倹約型」の遺伝子をもって生まれてくるため、栄養豊富な現代生活の中では、メタボのリスクがより高くなってしまうということです。

妊娠中の過剰なダイエットは、お腹の赤ちゃんの一生の健康を損ねてしまうということを忘れないでください。

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